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深淵の王  作者: 伊里谷あすか
二、兆しは夕闇に
32/90

2―16 階位

「呼称にランク?そんなのがあるの?」

「ああ。‘協会’の中での実力や功績、能力をもとに決められる。確実に依頼をこなすためにあるんだが、ここでの呼称がそのまま仕事での通称になってることが多いな」

「へぇ、おもしろいね。どんな呼称とかがあるの?」

「それはおいおい話す。とりあえずは、さっきの契約してる精霊のことについてだが……」

 好奇心で目を輝かせながら問いかける美咲を制し、綾が視線を鳴海に向けると、本人は再び固まっていた。

「おい」

「…………」

「…おい」

「………………」

「……おい!」

「……………………」

「……………………」

 じっと鳴海を睨んでいた綾は、おもむろに右手を上げた。

 パキン

 小気味のいい音と共に、二度目の氷が出現し鳴海の頭に落下し――

 ごんっっ

「ぎゃ!?」

 またいい音と共に悲鳴が上がった。

「って、あれ?」

 不思議そうにきょろきょろと辺りを見回す鳴海に綾が呆れた声をかける。

「で、続きを話してもいいか?」

「どうぞどうぞー」

「あ、ああ」

「まず………、精霊には主に四つの属性、つまり四大元素の種類である地、風、火、水がある。ここが呪術との最も大きな違いだな」

「あ、そっか。呪術は陰陽道の流れをくんでるから五行が基本だもんね」

「そうだ。まあ五行の元素への当てはめ方やその逆もあるんだが、ややこしいから今は割愛する」

「何で主に(・・)四つ?」

「雷や光の精霊もいるにはいるんだが、ほとんど姿を見せないからだ。見えない奴とは契約できないからな」

「そうなんだ……」

「次にいくぞ?

まず‘協会’内での精霊術師のランクだが、初めて精霊と契約した術師、これを『陣術師』と呼ぶ。契約する時に〈陣〉を描くのが由来らしい。最も、陣は人であり刃であり神だから、関係ないかもしれないが。そして契約した精霊の属性を取って『炎陣術師』、『風陣術師』とか呼ぶのが一般的だな」

「ふーん」

「で、二人目、つまり二属性の精霊と契約すると『流術師』と呼ばれるようになる。契約精霊のうちメインの方の属性を取って『地流術師』って感じのが多い。由来はその()れをくむ術師だから、だな」

「………つまり、『水流術師』である綾は、水の精霊とメインに契約していて、風妖精のルキアとも契約してるってこと?」

「ご名答」

 綾は軽い拍手を美咲に送った。それを見てようやく鳴海が動く。

「……俺の、勘違いだったってことか?」

「いや、僕の言葉が足りてなかっただけだ」

 そして立ち上がった綾は、そのまま襖の前まで歩いて行きながら言った。

「今日のところはここまでにしよう。……ルキア!いつまでも拗ねてないで出てこい。当主のとこに行くぞ」

『……はーい』

 ぴょこん、と襖の向こうから飛び込んできたのは、美咲が全力を持って投げ飛ばしたルキア。

 そして廊下に出ていく綾を鳴海が慌てて呼び止める。

「お、おい!まだ質問に答えてないだろう!」

「何?」

「紅い石のことだよ!」

「ああ……あれか。―――――――――――――賢者の石?」

「え」

「「ええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーっっ!!!?」」

 悲鳴寸前の叫び声を上げる美咲と鳴海を無視し、綾は口を開いた。

「じゃあ揚羽さん。あとはよろしくお願いします」

「はいはーい。任されましたー」

 そう、綾と入れ替わりに入って来たのは、少し前に立ち去ったはず揚羽だった。


説明だらけで読みにくくてすみません。分かりづらかった方は下をお読みください。




四大元素について



・精霊術の属性のこと。


・地、風、火、水の四つである。




五行について



・呪術の一種である、陰陽道での力の区別。


・木、火、土、金、水の五つである。




階位(ランク)について


・一人の精霊と契約している精霊術師を『陣術師』と呼ぶ。


・二人以上の精霊と契約している精霊術師を『流術師』と呼ぶ。


・『流術師』は、基本的にメインとなる精霊(一般には先に契約した精霊)の属性で呼ばれる。


〈例〉


風の精霊だけと契約した術師は『風陣術師』。


風の精霊と契約したあと、水の精霊と契約した術師は『風流術師』。




上の説明でもわかりにくかった方はメッセージをください。改めて後書き等で説明します。


多分わかりにくいだろうなぁ……

一般的に知られているものをいじくっていますし。


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