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詩集

存在証明

作者: 香紅 雅




どんなに水で薄めても

消えない苦みが喉を焼く

あなたが残した

最後の存生証明


飲み干しても

忘れられるわけじゃないのに

水を足しては

なにひとつ取りこぼさぬようにと

必死にグラスをかたむけるわ

どこかであなたを

繋ぎ止めておきたくて

わたしは今日もこの喉を焼くの


真紅の清水が

わたしの胸を焦がす

苦しいわ

ねぇ とっても胸が痛い


喉を通りすぎても

消えることのない

絶望という名の生存証明


わたしは、生きているのに

あなたは、どこにもいない


あなたのいないこの世界

あなたの消えたこの世界


耐えて生きると決めたのよ


あなたがくれた痛みなら

きっと、いつか笑って受け入れてみせるわ


だからどうか

愛する人よ

安らかな眠りを――






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