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色彩のきずな  作者: 潮騒めもそ


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48/50

没にしたifルートの告白

注意!本編ではありません!

if ルートのお話で、この続きもありません。

BL苦手な方はお控えください。

せっかく書いたので供養させてください。

美術部室の窓から、後夜祭の喧騒が遠く聞こえてくる。

校庭では花火の打ち上げが始まり、光と爆音が夜の空気を揺らしていた。

リディたちのバンド演奏が更に場を盛り上げている。


 ロマたち美術部は、ライブペイント成功の打ち上げでみんなと笑い合っていた。

 盛り上がりの最中、不意にルキの耳打ちで心臓が跳ね上がった。


「ちょっといい? 部室で待ってる」


 その一言で、なんだろうかと抜け出してきた。

 部室のドアを開けると、キャンバスの匂いと絵の具の甘い香りが混じった空気。机の上には、今日のライブペイントの大きな作品が飾られている。

 その前に佇む、深紅の長い髪が揺れた。


「……ルキ、だよね?」


 ロマの声に振り返ったのは、いつも端末の動画でしか見たことのなかった憧れの人。

 ライブ配信者の“キール”だ。

 でも、瞳はラベンダー色に輝いていて、間違いない。


「なんだ、驚かせようと思ったのに。気づいてたのか」


 ルキは頰を赤らめて、ウィッグの先を指で弄ぶ。恥ずかしそうに笑う顔が、いつもより幼く見える。


「今日のライブペイント見て、はじめて気づいたんだ。俺、キール本人に『尊敬してます』とか言っちゃって……なんか恥ずかしいよ」


 ルキは真剣な眼差しで言った。


「俺は嬉しかった」


 ルキの声が低くなる。

 いつもはクールな配信者モードなのに、今は素直なルキ。ラベンダーの瞳がロマをまっすぐ捉える。


「俺……ロマが好きなんだ」


 顔を赤くして切ない表情で伝えてくれた。


 胸が熱くなった。


 でも本当に?こんな俺で良いの?


 俺は臆病でこの気持ちを伝えられなかったのにルキはすごいな。


「俺も……ルキが好き。気持ち悪がられるのが怖くて、言えなかった」


 ルキの唇が震える。

「嬉しい……」

 ウィッグの深紅が、外からの光に照らされて輝く。


「キスしたい。いい?」


「うん……」


 緊張しながら目を閉じた。

 心臓の音が耳に響く。

 ルキの息が近づいて、柔らかい唇がそっと重なる。ちゅっと吸われて、優しくついばむようなキス。

 舌先が少し触れて、さっき飲んだ甘い柑橘の味がほんのりした。


「ん……はあっ」


 息をしようと口を開けると、ルキと目が合う。

 ラベンダーの瞳が潤んで、ロマを溶かす。

 なんて綺麗なんだろう。


「ロマ……可愛い」


「恥ずかしい……こういうの慣れてなくて……」


「俺だって慣れてない……」


 花火の音なのか、心臓の音なのか分からなくなる。

 ルキは俺の唇を優しくはむ。

 頭がふわふわして、膝が震える。

 両思いってだけでもまだ信じられないのに、初めてのキスまで……。


 ルキの指がロマの癖っ毛を優しく梳いた。


 部室の外では、後夜祭で賑わう声が続く。

 でもここは、俺たちだけの世界。


 ルキの唇が離れるたび、ロマの息が白く揺れる。

 部室の空気は少し冷たいのに、体は熱い。

 ルキの指が俺の頬を撫でて、癖っ毛を耳にかける仕草に、胸がきゅっと締まる。


「……まだ、足りない?」


 ルキが囁く。ラベンダーの瞳が、ロマだけを見る。

 ウィッグの深紅が肩に落ちて、まるで別人。

 でも、声も体温も、全部ルキだ。


「ん……もっと、したい」


 自分でも驚くほど素直に言えた。

 ルキの目が細まって、嬉しそうに笑う。


「ロマって、意外と欲張り」


「そんなこと……あるかも」


 ルキの手が俺の背中に回る。

 制服の布越しに、鼓動が伝わってくる。

 ゆっくりと、でも確かに近づいて、今度は深く唇を重ねる。

 舌が絡まって、甘い吐息が混じる。

 声が小さく響いて、恥ずかしいのにやめられない。


「んっ……ロマ……」


「あっ……声、誰かに聞かれたら……」


「俺たち以外誰もいない」


 でもルキの声も震えてる。

 俺の腰に回した腕に力がこもる。

 キスが深くなるたび、頭が真っ白になる。

 ルキの舌が俺の奥を探って、甘い痺れが背筋を走る。


「はぁ……」


 唇が離れた瞬間、俺はルキの胸に額を押し当てた。

 ウィッグの髪が頬に触れて、くすぐったい。

 またルキの背が伸びた気がする。


「ルキ……好きだよ」


「……俺も。ずっと、ロマのこと見てた」


 ルキがウィッグを外す。水色の髪がふわりと落ちて、いつものルキに戻る。でも瞳はまだ熱を帯びたまま。

 俺の手を取って、自分の胸に当てる。


「触って。俺の心臓……ロマのせいで、こんなにうるさい」


 ……確かに早い。

 あたたかい。

 俺と同じリズム。


「……俺も」


 ロマはルキの細くて大きい手を握り返す。

 指を絡めて、ぎゅっと。


 部室の外では花火が最後の大輪を咲かせて、歓声が上がる。

 でもここでは、静かな吐息と鼓動だけ。


「ロマも俺だけを見て」


 ルキが照れくさそうに笑う。

 頷くロマに、ルキはもう一度優しくキスを落とす。


「ん……ルキが大好き」


 幸せすぎて、涙が溢れる。


「嬉しすぎてやばい」


 窓の外、後夜祭が終わりを迎えていく。


お読みくださってありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
んあ〜〜〜!!シキには悪いけど美味しい!! 最初から憧れていた人だからこその旨味が…… 演じてたキールから本当のルキに変わって本心を伝え合う……堪らないです! ありがとうございます!!!
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