第22話 サバイバルゲーム②
ずっとシキ君のターン!かもしれないサバイバルゲーム編をお楽しみください。
カリーヤ先生はひと通りクロマブラスターの扱い方などを説明した。その際タクティカルポーチとマガジンも配布された。さらに各自が好きな装備をカスタマイズでき、グローブ、ブーツなどを選んだ。
「基本の撃ち方は教えたので今から練習時間を設ける。とにかく実践しながら慣れろ。分からないことがあればすぐ聞いてくれ」
そして次々と生徒の質問に答えていく。
桃色チームのロマ、シキ、ルキはクロマブラスターを手に、練習を始めた。ロマの手が握るブラスターのグリップはじっとりと汗ばんでおり、軽く震えていた。不安そうにシキに視線を送ると、紫色の瞳が優しく光る。
「先生が教えてくださったけど、俺……ちゃんと撃てるかな……」
声が少し震える。息を整えようと深く吸い込むと、胸の奥がざわめいた。
隣でルキが静かに呟く。
「……適当に撃つとすぐ弾切れになるぞ。でもロマなら大丈夫だろ」
シキはロマの方に静かに歩み寄り、柔らかな足音が響く。肩に軽く手を置くと、指先が少し冷たく、確かな温もりを伝える。
「ロマ、僕がもう一度教えてあげるから。練習しよう」
耳元に低く響いたその瞬間、ロマの頬が熱くなる。
鼓動が耳元まで聞こえるほど早くなる。
胸の奥がじんと熱を帯び、呼吸が少し乱れた。
「シキ君ありがと。シキ君とルキ君はサバイバルゲーム経験者なの?」
「今日が初めてだよ」
シキ君ってなんと羨ましい頭脳と身体能力をお持ちなのだろう!
「俺はゲーセンで鍛えたくらいなもんかな」
ルキはシューティングゲームで遊ぶ感覚で楽しそうに練習している。
シキは自分のブラスターを肩に近づけ、流れるように構える。
「こうやって持つんだ。肩と銃身を一直線にして……肘は少し下げて。肩の力は抜いてね」
ロマはぎこちなく真似る。グリップを握る手が微かに震え、手汗で滑りそうだ。
「こ、こうかな…?」
「そうだね、悪くないよ。ただ……」
シキは隣に立ち、軽くロマの肘を指先で押して角度を直した。ほんの一瞬の触れ方なのに、ロマの胸は不意に高鳴る。
「そう、その位置なら楽に構えられるだろ?」
「……あ、本当だ」
ロマがトリガーに指をかけると、力みで固まってしまう。
「ロマ、指に力が入りすぎてる。軽く添えるだけでいいんだ」
そう言ってシキは、自分の指でトリガーのカーブをなぞるように示した。ほんのわずかにロマの指先に触れる。
一瞬の接触にロマは思わず息を呑み、心臓が早く打ち始めた。
何だかうまく集中できない。
「トリガーは軽く引くだけ。反動はないから、しっかり狙って撃てば当たるよ。絵を描く時に対象をよく見る時と同じような感じでやってみて」
ロマの指先が緊張で震え、軽く引く。
「シュン!」電子音とともに淡い桃色の波紋が飛び、狙った木の的に当たって桃色のホログラム弾で染まった。銃身先端のクリスタルレンズが淡く輝く。
視界に小さく光の残像が残り、ロマは息を呑む。
「わっ……すごい。ほとんど揺れないのに、撃った感じはしっかりある……不思議だ」
「いいね、ロマ。君はもう充分狙える。その調子で連射も試してみよう。『バースト』とブラスターに音声認識させると3連発で撃てるようになる。『スナイパー』は長射程になるよ」
「うん!やってみる」
ロマは撃てた爽快感とシキの声に胸が高鳴った。
「次はリロードだ。弾が切れたらすぐ交換しないと負ける」
シキは腰のタクティカルポーチからマガジンを取り出す。
「このリリースボタンを押すとマガジンがスライドして外れるから、そこに新しいマガジンを差し込む」
シキはボタンを押してロマにお手本を見せた。カチッと金属音が響き、マガジンがスライドして外れる。
「じゃあやってみようか」
ロマは震える指でボタンを押し、「カチッ」とマガジンを外す。
新しいマガジンを差し込むと、また「カチッ」と音がして銃身のクリスタルレンズが桃色に輝いた。
「ありがとうシキ君。ちょっと面白くなってきた!」
シキはロマの肩にそっと手を戻し、視線を優しく絡める。
「ロマならすぐ慣れる。もし弾切れでピンチになっても、僕が守るから」
ロマは頬を赤らめ、声を震わせる。
「すごく頼もしいな」
その時、ルキがブラスターを構えて近づき、呆れたように笑う。
「お前ら……イチャつきながら練習するなよ」
「イチャついてない! シキ君はただ教えてくれてただけ!」
シキは優しく微笑む。
「ルキは余裕がありそうだね」
ルキは小さく笑い、
「ああ、俺はいつでもいけるぜ」
なんだか余裕ぶったような表情だ。
ルキは長い前髪をヘアピンで留め、気合いが入っている様子。
「ルキ君眼鏡は外さないの?」
「うん。まだロマ達以外に顔見られるの、抵抗があるかも……」
それぞれのチームが初期配置についた。
ブザー音が響き、試合開始の合図を告げる。
ロマは胸の高鳴りを抑えながら、クロマブラスターを握る。
シキは桃色の光を帯びたクロマブラスターを構え、静かに微笑んだ。
「ロマ、ゲームなんだし楽しもう」
「うん!」
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