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色彩のきずな  作者: 潮騒めもそ


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21/50

第20話 休み時間は短すぎる

 展覧会が無事に終わって次の週。

 秋の気配が深まってきて過ごしやすい気温になってきた。


 午前中の休み時間、ロマとルキの教室に、優雅に入ってきたのはシキだった。

 いつもシキは休み時間自分のクラスにいるはずなのに、迷いなくロマの机まで歩いてくる。

「ロマ、ルキ、おはよう」

「シキ君おはよう。休み時間に珍しいね?」

「そうかな?ロマ、ちょっとこっち向いて」

 その穏やかな声に顔を上げると、シキ君の指先がすっと伸びてきて、

「……寝癖。ほら、跳ねてる」

 柔らかく髪を梳かれた。

 指が額に触れるたび、くすぐったくて心臓が妙に落ち着かない。

「これで大丈夫。……でも、あえて跳ねさせるアレンジも似合うかもね」

 にこりと笑う顔に、思わず息が詰まる。

「……っ、あ、ありがと。俺癖っ毛だからあんまり気にしてなかった」

 声が震えているのが自分でも分かった。


 なんで……?シキ君、こんなに距離近かったっけ?俺、顔赤くなってないかな……。


 隣に座るルキが気になってちらりと見ると、ルキは机の下で拳を固く握っていた。表情は変わらないけれど、どこか刺すような空気を感じる。


 ルキ君、なんか怒ってる……?


「シキ、わざわざそんなことで隣のクラスから来なくても……」

 低くつぶやく声が、妙に胸に引っかかった。

 けれどシキは、まるで気にしていないみたいに笑顔で答える。

「だって、ロマ達ともっと話したくて。僕は隣のクラスだし」

「それは俺だって話したいけど、シキは目立って落ち着かないからちょっとやだ」

 ルキが困ったように言う。


 ルキ君はシキ君にもっと構ってほしいのかな。


「そんなこと言われても僕の好きなようにするからね。そうだ、ロマ。もし良ければ今度の選択授業、一緒に受けたいなって思って。……体育とか、どうかな?」

 何気ない口調なのに、その瞳は真っ直ぐ。

「えっ……俺と?良いよ」

 不意を突かれて戸惑いつつも、ロマは頬が熱くなるのを感じながら答えた。

「ありがとう。楽しみだな」

 シキはそう言って微笑む。

 その優しい声音に、ロマの胸は妙に高鳴ってしまう。

 そのやり取りを黙って見ていたルキが、ふっと顔を上げた。

「……じゃあ、俺も同じ授業、取る」

 少し素っ気ない調子で、どこか拗ねたような響きがあった。

「それなら3人で一緒だね!」

 ロマは無邪気に笑ったが、ルキの視線はシキを意識するように鋭いように思えた。

お読みくださってありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
ロマ、鈍い子。 両者一歩も引かずの攻防に、無邪気な反応を返すロマのド天然ぶりが発揮されたいい休み時間でしたねw
あああ動き出した三角関係??!続きが気になります!!
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