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色彩のきずな  作者: 潮騒めもそ


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第9話 素顔

次の日の朝、ロマは早めに寝てすっかり元気を取り戻していた。

教室に入るとココナがまた心配して声をかけてくれた。

「おはよう、ロマ君体調もう大丈夫なの?」

「ありがとう、もう大丈夫!」


「ロマ、具合悪いの気づかずに備品整理頼んでごめん」

とアレンも言ってくれた。

ロマはルキにお礼を言う。

「ルキ君昨日は本当に助かったよ。ありがとう!ポスターのラフも!」

「元気になって良かったな」

ルキ君の表情が相変わらずよく見えないけどだいぶ雰囲気が柔らかくなった気がする。

「ルキ君すごくロマ君のいない分頑張っていたよ、驚いちゃった」

とココナがルキを褒めた。


みんなに心配かけちゃったな。

中等部の時はこんなに良くしてもらえなかったからみんなの優しさが心に沁みて温かいものがこみ上げてくる。


授業が終わって放課後。

美術部の活動の前に宿題の調べ物に図書室に来た。

ルキにも付いてきてもらった。

最初の方こそルキは本を読んで宿題をしていたがいつの間にか眠ってしまっていた。

「ルキ君、寝ちゃったの?」

と宿題が終わったロマがルキの顔を覗き込むとすぅすぅと寝息を立てていた。

ロマは眼鏡を掛けたまま寝るのはよくないと思い、そっと外す。

眼鏡が外れていくと共に長い前髪が持ち上げられて隠されていたルキの長い睫毛と鼻筋がすらりとしている顔がちらりと覗いた。

「えっ……?」

シキとそっくりな整った寝顔。

見てはいけないものを見てしまったかのようにロマの心臓が高鳴った。


「んっ……」

ルキがまだ眠そうに目を開けた。

「眼鏡が無い……?」

ルキは机の上の眼鏡を迷うことなくさっと取ると素早く眼鏡を掛け直した。

眼鏡をかけなくても普通に視えているかのように。


「寝る時に邪魔かと思って眼鏡外したんだ」

「俺の顔……見たのか?」

ロマは言葉に一瞬詰まり掛けたが気になっている事を聞いた。

「うん……少しだけだよ。ルキ君ってとてもきれいで……シキ君にそっくりで驚いたよ。ルキ君って眼が悪いわけじゃないのに眼鏡掛けてるよね?どうして顔を隠してるの?」

ルキは辛そうに場所を変えて話そうと言った。

学園の裏にひっそりとある美しい泉の庭園へ。

お読みくださってありがとうございます!

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