表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
劣等超能学級  作者: 冬城レイ
第六章「B組編」
51/66

第五十話「訪問」

【朝:校内放送】


校内放送「本日、男子生徒に対する特別家庭訪問調査が行われます。女子生徒の皆様は笑顔で送り出してあげてくださいね♡」


俺:「特別……家庭訪問調査……?」


友人男子A:「いやそれ、俺らだけ監視対象じゃね?女子は通常訪問って言ってたぞ……」


友人男子B:「うちなんか昨日“男子家庭評価アンケート”配られたし。“危険物所持の兆候がありますか”とか書かれてたし……」


俺:「なんだよその公安みたいな項目……」


【自宅前:午前】


咲:「あー、今日家庭訪問かー。咲ちゃん面倒だから出かけよーっと」


俺:「姉として最低限の責任とかないんですかね」


咲:「男子の家庭訪問でしょ?どうせ“指導対象”チェック入れられるんだから無駄でしょ」


澪奈:「お兄ちゃん、部屋片付けた?前に女子検閲で“男子っぽい匂いがした”って再訪問されてたじゃん」


俺:「なにそれ!?どんなフェロモン探知機だよ!?」


母・莉奈:「うちは男子を更生中ってことで補助金もらってるから、適当に“前向きに改善してます”って言えばOKよ」


俺:「更生中って言い方やめて!?俺、犯罪者なの!?」


【正午:訪問開始】


先生(女性):「こんにちは、特別指導課から派遣されてきました、男子家庭評価官の水城です」


俺:「なんか名前がすでに警察っぽい……」


水城:「今日は“男子生徒が家庭でどのように女子基準へ適応しているか”を確認させていただきます」


咲(帰ってきた):「おー水城先生!まだこの弟、男ですけど一応命令は聞くんで☆」


俺:「“まだ男”ってどういう意味!?」


水城:「あ、こちらが噂の男子専用機器……?」


(部屋の隅にあるスパコン《MOTHER·CORE/零式》が警告を鳴らす)


\アクセス検知:分類=権限外女子。自衛モード移行します/


咲:「やば、うちのAI、女子にも容赦なく撃つの?」


俺:「いやこれは仕様外だって!!おい止まれ!MOTHER!!」


MOTHER·CORE/零式:「男子オペレーターの命令優先順位:第一位。自動制御、再起動中……」


水城:「……ふむ。男子による自作超AI。これは監視対象追加ですね」


俺:「何その発言!?これが評価項目にマイナスなのかよ!?」


【リビング】


水城:「この家の男子(=あなた)は、明確に“女子の生活感覚”から外れていると評価されます」


母・莉奈:「でもこの子、最近学校の実技試験で女子3人倒して校内表彰されたんですよ?」


水城:「……女子が敗北したこと自体が、教育上望ましくありません。“空気を読んで負ける”のも男子教育の一環です」


俺:「えっ、じゃあ本気で勝つのって罪なの!?」


咲:「だ・か・ら言ったじゃん。男が本気出すと怒られるって」


水城:「“男子は周囲の女子が快適に過ごすために存在する”。これは文科省直轄の基本理念です」


俺:「思想が昭和の社畜以下なんだけど!!」


【突如:地下からアラート】


MOTHER·CORE/零式:「外部アクセス検出。“深層プロトコル:アダム”より侵入試行中。敵性認証、完了」


水城:「なんですかこれは?」


咲:「えー、なんか地下のスパコンが“男子差別撲滅連盟”ってとこからアクセスされてるっぽい」


水城:「え、なにそれ!?違法団体じゃないですか!?」


俺:「いや知らねーし!!こっちが被害者なのになんで俺が通報対象になるんだよ!」


MOTHER·CORE/零式:「通告:対男子差別プロトコル“イヴの檻”発動可。許可を求む」


俺:「名前やばすぎるって!!なんでお前そんな厨二病モード搭載してんの!!」


【夕方:家庭訪問終了後】


水城:「本日の評価:男子生徒は“要改善対象”に分類。早急な女子配慮型教育への転換が必要です」


母・莉奈:「まぁ予想通りよね」


咲:「でも男子の癖に努力してるのは偉いと思うよ?」


俺:「“男子の癖に”って枕詞がつく時点で尊敬ゼロなんよ……」


澪奈:「来週、男子だけ夜間巡回があるらしいよ。門限オーバーすると連行されるって」


俺:「それもう自由ってなんだっけ!?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ