第一話「15歳」
数ヶ月前。
ここまでは普通の家庭だったはずなのに…
『15歳の誕生日』までは。
俺は15歳の誕生日の日に超能力を授かった。
ホント急に。
体に何かがみなぎったのだ。
だが俺は知っていた、男の超能力者は稀だと。
しかも外れ能力しかないと。
俺の家族は皆能力者だ。
父は死んだが、能力者だった。
母は世界トップクラスの能力者。
母の能力『超再生』
この力偉大で、いくらでも若くできるし、どんな怪我もすぐ直せる。
姉も能力者だ。
姉もまた世界トップクラスの能力、『絶対反射』を授かった。
妹は明日誕生日だから明日わかる。
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話に戻るが俺は能力をもらってしまった。
男からして能力は『呪い』と同じ。
まだ能力なしのほうがマシだ。
そして能力を母、姉、妹に教えたら、態度が変わった。
姉からは「こんなカスを弟と思ってた私が馬鹿だったわ」と言われ、母からは「出来損ないの能力者は家にいる価値はないわね。あそこのコンテナハウスを使いなさいよ」と。
妹からは慰めの言葉をもらった。
嬉しかった。
そして次の日。
今日は妹の誕生日。
今日は特別に呼ばれた。
嫌な視線を喰らいながら、お祝いした。
そして妹の能力がわかった。
これもまた世界トップクラスの『人間操作』だった。
そして俺が声をかけようとしたとき。
「無能が話しかけてくんな」
態度が急変した。
いや今までが演技だったのだとすぐわかった。
『こんなのありかよ…』と内心思った。
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誕生日から一週間が経ち、能力者だけが通える高校に進学。
まあ能力者は確定この高校だ。
今年は女子が358人に対して男子が35人。
そしてこの高校はランク制。
クラスはA~D組まであり、D組には男子しかいない。
もちろん俺もD組だ。
そして妹はA組。
これぞ差別。
そして昼。
購買は差別とかはなかった。
飯はフードコートの席だ。
初日で友だちもできた。
俺は友達と飯を食う…はずだった。
「お前らどけや!」
女子組だ。
しかもA組。
妹もいる。
うぜぇ。
だが勝てるわけない。
能力の差でね。
俺達が買った飯は奪われ、蹴り飛ばされた。
俺等は飯抜き状態になった。
俺の友達はかなりキレているが、殴れない。
怖いからだ。
拳を強く握り過ぎて手から血が出ている。
そんだけキレている。
よく分かる。
こんな世界があって言い訳がない。
そうして妹達が退くと違う奴らがまた座る。
能力者の男子たちには居場所がない事がよくわかった。