表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/17

第4話 我、決意する



「魔法って、なんですか?」



 クリスの質問に、思わずポカン、と呆けてしまう。



「ん……? いや、魔法は魔法だろう?」


「え、いや、あの……魔法っていうものが何かわからなくて……」



 んんん? 魔法がなにか、わからない……?



「いやいや、これだけの都市に住んでいるんだ、魔法の一つや二つ見たことがあるだろう? ほら、さっきのライネスとかいう輩のやつとか」


「ライネスの……? ライネスの【個能(ユニーク)】ことですか? それなら……」


「待て待て待て」



 個能(ユニーク)? 聞いたことない言葉だ。



「それはなんだ? 魔法の一種か?」


「え? あ〜……もしかして、千年前と、なにか違うんですかね……?」





         *




 なるほど、クリスの情報と、俺の憶測を混ぜると、こうか。



 千年前。我と勇者の戦いが終わった後、神の介入により、世界の改変が行われた。


 そこで、世界から『魔法』が奪われ、代わりとして『個能(ユニーク)』と呼ばれるものが配布された。


 才能や努力によって違いはあれど、誰もが覚えることができる可能性がある『魔法』と違い。

 『個能(ユニーク)』とやらは、1人につき1つ、生まれた時に備わっている、唯一無二の自分専用の能力。


 魔法が強さによって取得難易度が変わるのに対して、個能(ユニーク)は、1人につき一つまでしか持てない代わりに、破格の能力をもつものも多い……。






「なるほど、ぶっ壊れチート、というやつか」


「まあ……平たく言えば、そうなりますかね」



 どうりで、若造にしか見えないケイネスが、あんな無茶な技を使えるわけだ。



「まさか、魔法が、存在ごと消えているとはな……」


「ボクも、千年前は、みんなが好きな能力を得れた、ってことに驚きました……」


「そうか、現代人からすれば、そっちの方が普通になるのか」



 ……我が魔法を使えるのは、おそらく、封印の影響だろうな。

 封印されている間は、この世界にいるという判定をされず、我からは魔法が奪われなかった……と、思うことにしよう。

 でなければ、説明ができない。



「……この世界には、あんな能力を使う者が、ごまんといるのか……?」


「はい……ケイネスは強い方ですけど、中にはもっと理不尽な能力を持っている人たちもいます……」



 そうか、アレ以上もいる……のか……。



「……魔王さん、気を落とさないでください。魔王さんが弱いわけではな――」


「フフ、フフフ、フハハハハハハハッ!!」


「――ま、魔王さん?」



 面白い! 面白いぞっ!!

 我のまだ見ぬ力が、溢れているだと!? かつて世界を統べる手前までいった、この我だぞ!?



「フッハッハッ!! クリスよ! 世界は広いなぁ!!」


「ま、魔王さんが、おかしくなっちゃった……」


「決めたぞ! 我は、この世界に挑もう!!」



 千年前、頂点にいた我が、また1から世界に挑む……フフフ、面白いではないか。



「せ、世界に挑む……ですか? ど、どうやって?」


「それは!! ……ふむ、どうすればいいのだ?」


「って、無計画だったんですね……」



 クリスに言われて気づいたが、我はこの世界について知らなさすぎる……。

 なにか、この世界について学べるものがあれば――



「――そうだ! クリスよ、お前は学生と言っていたな!」


「え? あ、はい」


「そこでは、この世界について学ぶことは可能か?」



 我の質問に、クリスは少し悩んだ様子で答える。



「んー、ボク的には、世界について学ぶ、っていう意識は持ってなかったですけど……魔王さんからすれば、世界を学ぶっていうことになるとは思いますよ」


「よし! ならば、我は学院に通うぞ!!」


「えぇぇぇ!?」



 闇雲に独学で調べるよりも、学生たちと共に、教師に教わる方が早いだろう。



「が、学院に入るって言っても、受験期間は終わっているどころか、もう新しい学年が始まってから半年近く経ってますよ!?」


「む、途中から入る手立てはないのか?」


「そんなの…………いや、なくはないですね」



 話してる途中で何かを思い出したのか、ハッとした様子で考え込むクリス。



「でもあれは……いや、魔王さんならいけるのか……?」


「なんだ、なにかあるなら言ってみよ」


「……一つだけ、手段があります。それは――」




         *





 王立ラスエント学院。


 国からの認可を受け、個能の取り扱い方を学び、個能をより良く社会へ活かすことを教育し、善良なる意志を育てる学院。


 その門戸(もんこ)は広く開かれており、貴族や庶民、そして種族は問わず、誰でも受験することが可能である。



――ただし、それは入試に受かれば、の話である。



 筆記、実技の難易度は、この国でもトップレベルであり、誰でも受けられる入試だが、入学できる人間はほんの一握りの人間だけである。


 そして事情を抱えた人間に対しては、『編入試験』をクリアすることでも、学院生になることは可能である、が――





 その試験難易度は、入試の際の2倍以上と言われている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ