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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あるバッタの一生

作者: ピュシス

むかしむかし、すなばかりのだいちに1ぴきのバッタがおりました。


そのバッタはみどりいろのからだをひっしにうごかしてたべものをさがしていました。


しかしそこはさばくというたべものがあまりないばしょだったので、そのひのごはんをさがすのもたいへんでした。


くろうしつつも、なんとかがんばってそのバッタはいきのびていました。




やがてバッタには、たくさんのこどもができました。


しかし、いままでじぶんのたべものさえもなかったのに、こどもたちのごはんなどこのさばくにはありませんでした。


ごはんがたりなくなり、バッタやそのこどもたちはおなかがすいてたおれてしまいました。


どうしようもなくなり、バッタはかみさまににおねがいをしました。


かみさま、わたしはしんでもかまいません。しかし、こどもたちがおなかをすかせているのをみているのはたえられません。


どうかこのこたちに、とおくまでたべものをさがしにいけるちからをください。


するとあらふしぎ、そらからあめがザーザーといきおいよくふりだし、そのあめにふれたこどもたちのからだがくろくかわっていくではありませんか。


いろがかわったこどもたちはつよいからだとなり、よりとおくまでたべものをさがしにいくことができるようになりました。


それをみてあんしんしたバッタは、そのままうごかなくなりました。








その瞳に、空を埋め尽くすほどの子孫を写しながら。

えー、という具合にですね。バッタに群生相と呼ばれる身体変化が起こり、大量発生することで、蝗害という災害が生まれます。いつも乾燥している砂漠ですが、雨季に雨が降ると、バッタのエサとなる草が生えてきます。バッタは、その先に雨が降っていることの多い季節風に乗って移動し、エサにありつきます。そして、お腹いっぱいになると卵を産み始め、孵化した幼虫はその場では生活できず、新しいエサ場を求めて旅に出ます。ところが、珍しく大雨が降ると草が枯れるのが遅くなるため、バッタは旅に出ずに数世代連続して繁殖します。バッタの繁殖力は高く、あっという間に仲間の数が増えます。草が枯れ始めると、草が残っている狭い範囲にたくさんのバッタが集まってきて、ますます数が多くなります。群生相になると1日に100km以上も飛び、途中で小さい群れ同士が合流し、群れはますます巨大になっていきます。大量発生したバッタが、農作物等を食べ尽くしながら現在地を移動させ、地域住民たちの食糧難といった事態を引き起こします。対策としては、小規模な発生が起こった次の世代の発生を防ぐことが重要です。バッタが卵の時期には殺虫剤の効果が薄く、一方、成虫となって飛翔できるようになってからの駆除は困難なので、幼虫の内の駆除が必要なのです。


このお話を読んでバッタを可哀想と思うのはいいですが、現実はこんなもんです。害虫が「害」と呼ばれるにはそれなりの理由があるということです。

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