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銃眼のレーナ  作者: シノシノ
再び戦場へ
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第四十七話

撃たれた後に意識がハッキリしてきた。

ゆっくりと目を開けいくと戦場の空ではなく緑色の布地が見えて、周囲から呻き声が聞こえてる。ここは衛生テントなんだ。

最後の記憶で撃たれたのを思い出して、頭を上げて確認した。おへそが見えるくらいボタンを外されていて、包帯が巻かれているのが見えた。

左腹にはガーゼっぽい生地が少し包帯からはみ出てる。撃たれたのは腰と思ったけどもう少し上だったのか。

ゆっくりと上半身を上げると近くにいた衛生兵が近付いてきた。


「目を覚めたか…何があったか覚えているか?」


撃たれた衝撃は忘れるハズもなく頷いた。


「そうか。えっとシュトラ二等兵、運がいいな」

「生きてる事ですか?」

「まぁ、戦場にいたら生きてるのは運いいが、これを見ろ」


衛生兵が足元にあったカゴから両手で掴み上げた。それは僕が使っていたサスペンダーだ。左腹の小銃弾用パウチに二つある内の一つに穴が空いていた。


「使用してなかった弾薬に当たって威力が落ちたおかげで弾は深く刺さらなかったみたいだ……まぁ、衝撃は強かったみたいだが」


それは運が良かったと言われるね。実際に反対のパウチには弾は入っていない。あの時の戦闘で撃ち尽くしたのだから。しかも、塹壕に移動する前に右側の最後の弾を入れた後だ。


「しばらくは塹壕行きは出来ないがテントには戻れるぞ」


そう言って他のタンカに寝ている兵士の様子を見に行った。

僕も(まだこの中では)軽傷でここを占拠するのは心苦しいので、服装を正してテントに戻った。負傷した所は血で赤黒く染みとなってしまった…あとで洗うなり支給して貰う。

テント内ではホーバス中隊長が書類とにらめっこしている。


「レーナ・シュトラ、ただいま戻りました」

「おっ、シュトラ二等兵戻ったか。傷は大丈夫なんだろうな」

「あのテント内では一番の軽傷です」

「そのようだな」


笑うホーバス中隊長を見て帰ってきたんだと思えた。ここ最近ホーバス中隊長が父親みたいに思えてきたのだ。実際にはホーバス中隊長は娘がいるし……こんな変人と結婚した奥さんも見てみたい。

撃たれた服を予備のと着替え直してきら、傷も治った訳もないのでズキズキと痛みが戻って来てる。痛み止めの効果が切れてきたな。

簡易ベッドで寝ようにも痛みで寝れるかな。ベッドに視線を向けると泥だらけのライフルが立て掛けられていた。整備してたら痛みも忘れるね。こまめに手入れをしていた……戦闘中にジャムったりしたら死の一直線だ。

桶にお湯を貰い要らない布で濡らしてライフルの泥を落としていく。お湯を掛けたらいいだが、ライフルを痛めるだけだ。木の劣化や動作の不良になってしまう。なので丁寧に泥を落としていく。それが終わるとボルトから外していく。部品は横に長い布に置かれている。部品も布で拭いていき、ガンオイルを塗っていく。銃身内部はクリーニングロッドで火薬のカスなど落とす。そして最後に部品を付けていく。ボルトがスムーズにコッキング出来るか試して終わる。

手間が凄く掛かるがどこかにこのライフルへと愛着が湧いてくる。


「手入れをしているな。感心感心」


かなり集中していたみたいで書類が終わっていたホーバス中隊長が見ていた。


「新兵が整備不足でアホさせるんだが、シュトラ二等兵は感心するぞ。そのご褒美をやろう」


そうやって手の中に何かが置かれた。なんだと思いながら見るとそこには襟章だった。それも二等兵を表すのではなく一等兵用の襟章だ。

因みに旧ドイツ軍だと階級を左側の襟、右側には所属部隊を着けている。


「先の戦闘で偵察兵の救出の際、地図を持って来ただろ。重要なモノでな、次の作戦が立てれたのだ。その褒美だ」


固まっている僕を余所にホーバス中隊長はテントを出ていく。その際にこれぐらいなら俺様の裁量で上げれると言っていた。それは聞こえていなかったけど、それほど衝撃的過ぎて。

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