第四十一話
サーシャに1~2着の服を貰ってその日は眠りに就いた。後方にいえも砲弾の落ちてくる音や爆発音は聞こえてきたが、ここでは静かで眠りにつけた。……心なしにあの砲撃の音が恋しく思うのは少しあった。
翌朝は前日に少し寝たせいか早くに目を覚ました。窓を見るとまだ薄暗い……もうすぐ陽が昇るだろう。
喉が乾いたので部屋から出てキッチンに行こうと出たら玄関からアルベルさんが出て行こうとしていた。いつもの軍服ではなくポケットや飾りが一切ない服…腰には弾薬ポーチに灰色のフードマント被っていた。手にはいつものライフルではなく前世日本で「マタギ」に愛されたライフル銃。十三年式村田銃。全長1,294mm。口径11mm×60弾。装弾数はなんと1発。外したら狩りなら失敗…戦場なら死。というかなんでこんな銃がここにあるのかは口を閉じた。まぁ、それにしてもこの姿のアルベルさん(マタギスタイル)は新鮮だ。
「もう起きたのか?」
「ちょっと喉が乾いたから水をと思って……アルベルさんは…狩りですか?」
「あぁ…戦場で戦ってから勘が鈍ってないといいがな」
この言葉の意味は分かった。
かつて過去二度の大戦でもマタギが兵士となり戦った事がある。だが、無事に生き残って帰って、マタギに戻っても中々腕が戻らない事があった。戦場で人を撃つのに慣れて人を狩る事に慣れてしまったせいだ。
この理由が知ってる僕は悲しく思ったが何も言わず見送った。アルベルさんからしたら見送りをしてくれただけだろう。
喉を潤しベットに戻っても眠る事も出来ずにゴロゴロとしていた。
陽も出て来てエトナさんが朝食の準備音が聞こえた当たりから部屋を出てエトナに会いに行った。
「あら、レーナちゃん。もう起きてきたの?」
「孤児院時代からの癖が抜けなくて、朝食なら手伝いますよ」
「あら、ならお言葉に与えて手伝ってくれるかしら?」
「はい!」
エトナさんのお手伝いしながら朝食の準備に手伝った。その際エトナさんの口からサーシャちゃんは~などサーシャの家事能力の無さを言ってくる。姑からの嫁への愚痴を聞いてる気分で気まずかった。
空気を読む中で水汲みの為井戸へと避難した。
井戸に行くと主婦の方がいた。
「あら、あなたはアンダーソン家のお客さんね」「あぁ、戦場の歌姫と言われてる」
井戸と言ってもポンプがついてるだけありがたい。そして現実逃避としてさっきのおばさんたちの会話を流した。
「休暇の間アンダーソンたちにお世話になる…レーナ・シュトラです」
お辞儀をしてアルベルさんたちへの悪印象を避けれてた。穏やか交流が出来た。
エトナさんの朝食手伝いが終わり食べた後は村の中を散策した。もちろん、軍服ではなく白いワンピースで。スカート慣れないのかツッコミあるかも知れないけど、今世で女の子として過ごせば嫌でも慣れるよ!
井戸に行けば村の子供たちが集まっていた。朝の時に仲良くなった。
「レーナ姉ちゃんだ!」「遊ぼ遊ぼ!」「レーナ姉ちゃんは僕たちと遊ぶの!」
なんやかんやで仲良くなってしまった子供からの取り合いになってしまう。まぁ、孤児院でもこんな感じだったので簡単に誘導できる。これも前世の経験で孤児院でも誘導出来た。それは鬼ゴッコだ。
ルールはシンプルだし子供でも覚え易い。ルールも色々と出来たので色々出来た。
※地方によって鬼ゴッコや色鬼など様々なルールが存在しますが、それは読者の理解にお任せします。
ぶっちゃけ村の子供たちら兵士たち体力あるよ。ある程度手加減しても全員使える事出来ない。体力無限なの!?
疲れた体にアルベルさんたちの家へと帰った。汗だくで気持ち悪い…見逃していた温泉た案内して貰う。




