第三十六話
調子に乗ってギターを弾いたりアドバイスしてたら周りには人が集まっていて、これ以上曲はないので何か期待している人たちだけど戦略的撤退を選んでアルベルさんたちを探しに早足で去った。
こちらに向かっていたアルベルさんと合流出来た。出来たと言っても合流しようとするアルベルさんに合流した訳だが。その顔に何かしただろという表情が見えた。口笛を吹きながら誤魔化した。疑いの目を向けられたけど、アルベルさんの後を追う。その途中でクラサさんと会い共に向かった。
そこは首都から出てちょっと出た当たりで止まり二人して何かを待っているように過ごしている。そこで待っていると古臭いトラックが首都から出てきた。それを待っていたようで二人してヒッチハイクの行動に出た。
トラックは僕たちの手前で止まり、運転席からおじさんが興味深そうなに僕たちの顔を見るなり嬉しそうな顔になった。
「おう、アル坊にクラ坊じゃえねか」
「大人になったのに坊は止してくれ」
「そうそう、こんなイケになったのに坊で台無しだ」
トラックのおじさん、アルベルさん、クラサさんとしゃべり。アルベルさんたちも嬉しそうにトラックのおじさんに話し掛けた。予測じゃないけど推測?……あー、村の知り合いなんだね。だから通る時間も知っているし顔見知りだから止まってくれるのを可能性が高いのね。
「そして、そこの嬢ちゃんは知らねな」
「あぁ、俺の客人さ」
アルベルさんが紹介するように僕の頭に手を置いてくる。気恥ずかしさとどこかモヤとするけど、まぁ休暇の間だけ客人となる訳だ。間違ってない……ないが……言葉では出てこない感情がある。その表現出来ない感情であるが、多分戦友と言われなかったせいだよね。
そしてトラックの助手席には僕がアルベルさんやクラサさんは荷台となった。おじさん曰く女の子の荷台に乗せるのかと言われてアルベルさんたちが黙って荷台へと乗った。まぁ、この時代だとトラックの荷台の乗り心地は最悪である。頻繁に起こる上下の反動にたまにの悪路の悪さ……僕は素直に助手席に乗らしてもらった。
後部を見る窓口から見ると荷台へと乗るアルベルさんたちは荷台の塀を掴みながら時折上下に跳ねて乗っている。
「キツかったら変わりますよ」
「さすがにプライドと言うモノがある」
「レーナちゃん、替わると横のおっちゃんに後で拳骨を貰うから遠慮するよ」
おう、と言わんばかりに右腕を挙げるおじさん。それを大変そうと思いながら軽く笑う事で流した。
1~2時間走っていたら石垣に囲まれた建物…村が見えてきた。あそこがアルベルさんやクラサさんの生まれて故郷。村に入って降ろして貰った。そこで解散みたいでおじさんや生家に戻るクラサさんが離れていく。
「俺の家はこっちだ」
アルベルさんの案内の元一つの家へと向かった。それはアメリカの山でありそうな木で出来た家……近所も木で出来てるけど。木で出来た数段の階段に入り口まで入る外の廊下。ぶっちゃけロジックと思えてしまった。………例えるなら映画で犬の転生であった…ワンダフル……なんとかの第一期の最後の家に似てる。
「ここがアルベルさんの家なんですね」
「俺の家と言うより兄さんの家だな。俺は軍隊暮らしだけど兄さんの嫁と妹が住んでいる」
「お兄さんの嫁と妹さん」
どうゆう家庭事情か気になったがすぐさま考えが放棄……衝撃的で止めていた。
「アル兄、帰ってきた!」
背後から聞こえた声と共にアルベルさんが僕の前へと倒れてくる。それは背後から飛び付いた子の反動によって転けてたかだ。
僕驚きがあるが…なんだろう…予想というか…なるほどと納得する僕がいた。




