第三十四話
前回の作戦が成功して敵前線は大きくはないが下げる事が出来た。しかし、第二陣の部隊があれは更に押せた筈だとホーバス中隊長は語った。それはそうとして作戦成功の報酬として参加していた部隊に一週間くらいの休暇が貰えた。
アルベルさん、ホーバス中隊長と一緒に食事を取っていた。まぁ、アルベルさんに構え時のコツを聞きながら食べているとホーバス中隊長が加わった。
そしてアルベルさんとホーバス中隊長が休暇の話をしている所、蒸かしたジャガイモをフォークで刺しながら僕は明日からの休暇をどうする考えていた。
「レーナ、どうしたんだ…」
アルベルさんが食事が進んでいない僕を心配そうに声を掛けてきた。
「休暇を貰ったのはいいですが……どうしたモノかと」
「かぞ…故郷に帰ったらどうだ」
「南部の所なんで時間掛かるですよね」
あーと言う感じしてるアルベルさんに苦笑してしまう。
「確かシュトラ二等兵は南部の前線近くの町出身だったな」
ホーバス中隊長も話に加わる。と言うかホーバス中隊長は僕の出身知ってるんだ。
「シュトラ二等兵の故郷に戻っても1日しか過ごせないな」
「そうなんですよね…それならこのまま後方にいようかなと」
「「それはダメだ!」」
頬を掻きながら言う僕にアルベルさんとホーバス中隊長からダメと言われた。
首都で過ごそうにも給料貰っているが、三分の二は孤児院に送っているので貯金は少ない。首都の宿を取ろうにも金額は分からないし高かったらイヤだし。
「それなら俺様の家に来るか。妻や娘も喜ぶぞ」
提案してくれるホーバス中隊長に悪いだけど、休暇で近くに上司がいたら気が休まらない。
「ありがたいですが…遠慮します」
「なら俺の故郷…村に来るか。首都からそんなに離れてないから休暇は満喫出来るだろう」
今度はアルベルさんが誘ってくれた。アルベルさんの故郷は村なんだ…若干興味深い。前世でも田舎は電気ガスが使えたが、今世の田舎は薪とか使うだろうか?
次いでに狩人の仕事などを教えて貰おうかな。そうだ、戦争が終わったら兵士を辞めて、どこかの田舎に移り住んで狩人として生きて行こう。
「なら、アルベルさん…休暇中は狩人の事を教えて下さい」
「ならミッチリと仕込んでやる」
楽しそうに笑うアルベルさんにドキッとした。それはトキメキではなく…鬼教官如く仕込まれそう。ちょっと早計だったかも。
「あれ、レーナちゃん…もしかして俺たちよ故郷に来るの?」
今度はクラサさんが料理を持ってやって来る。そっかクラサさんはアルベルさんと同郷だったね。
「そうですね。お世話になるつもりです」
「なーんもない村だけど、長閑なのが売りだよ……あっ、国一の銃器職人がいるからレーナちゃんのライフルの調整して貰ったら」
「そんな人がいるんですね……どんな人なんだろう」
ワクワクしてきたらクラサさんが楽しそうにアルベルさんを指を差している。もしかしてその職人さんはアルベルさん!?
「こいつの兄貴だよ。国の狩人たちがこぞってライフルの調整を求めているんだよな」
ガクッと肩を落とした…そんなオチか。アルベルさんの家族は凄いな。ライフルの腕のいいアルベルさんに銃器に詳しいお兄さん……どうゆう家族?
「まぁ、調整と言う点では兄さんが上手い。俺のライフル調整もやってくれたからな」
家族を褒められたから嬉しそうに笑うアルベルさんや小声で「家族を紹介したかったが」と呟くホーバス中隊長……なんで紹介したいの?
前世や孤児院時代では体験出来なかった事がやってみたいよね。
「後は余り知られてないけど温泉もあるな…村人だけ知っている温泉な」
「温泉!?」
温泉と言葉を聞いて勢いよく立ち上がった。今までは布で体を拭くくらいだったのだ。それが温泉に入れるなんて…日本人の性が高まる。




