第一話
成長にするつれて、段々と女の子らしい体付きになってきて顔も自分で言うのもあれだけど可愛らしい。髪も肩甲骨のしたまで伸ばし、首筋の所で一つに纏めている。院長さんが色々な髪形したいみたいだが僕は拒否した。しかし、問題があった身長が伸びない…160cmそれ以降伸びない、乾いた笑いしか出ず周りに心配かけた。
そんな平和な時代で過ごせるのかと思っていたのだが、僕が14歳となる時にそれが起こった。
連邦国家ディーグが突如帝国アルビオンに宣戦布告してきた。理由はよくわからないけど、連邦ディーグの国境付近のある村を砲撃してきたからと聞いた。帝国アルビオンは決して砲撃はしてないと言うが連邦ディーグは聞かず、そうして泥沼の戦争が始まった。
当時の僕はその連邦ディーグとの国境に近くはないがある程度の距離がある町での孤児院生活をしていた。
戦争が始まったのは知ってはいた。軍人がよく行き交いするのを見てわかった。そして院長さんが不安そうに外の景色を見ながら僕らを抱き締めてくれた。
戦争が始まり1年が経とうしていた。
戦況はラジオで流れてくるが、芳しくないと思っていた。圧倒的な物量で迫る連邦ディーグと防衛戦を仕切る帝国アルビオンで一進一退の攻防戦が続いていた。
そうして、15歳になった僕に物語が始まる。
その日、いつも通りに年下の子たちと遊んでる時に、軍人さんとスーツを着た役人が入ってきた。
僕は不安そうな子を後ろに隠しながら院長さんたちが対応していた。15歳までの子を集めて、悲しそうな院長さんを横に役人さんが声を上げた。この院では16歳になるまで、職業を見つけないといけない。
「この中で帝国軍人として入隊する者はいるか、いたらこの院には恩給がでる」
僕はこの院の実情をよく知っている。戦争が始まり孤児が増え院の財政的にひっ迫している。野菜を育てたり、少ない寄付で遣り繰りしている。この世界にもタンポポが合ったので、代理コーヒーを作って軍人たちに売っていたが限界が近い。
その中で軍人となるのは必然だったと思った。元FPSトップランカーなら戦争でも生きられるじゃないかなと。もし死んだとしても遺族年金で院に入るのは役人さんから聞いた。そうして、僕と院の男の子二人が軍人となった。
その日の事はよく覚えている。院長さんが泣きながら僕らを撫でくれ、そして僕を引き取った時持っていた紐を通した黒く小さいひし形のダイヤを渡してくれた。
多分、両親の形見でもあると思う。髪を纏めていた紐と交換したが、灰色の髪に揺れるダイヤが可愛い。
「生きていればそれでいい、生きて帰ってきて」
前世でもこれだけ親身になってくれて院長さんは初めてで、出発する時に院長さんを抱き締めると僕の背中に腕を回してくれた。
基礎訓練として訓練所で連れて行かれたが、訓練期間が2週間だけであった。その後はすぐ様配属との形となった。この先は先輩兵士に教えて貰えという形に僕は思ったね……前線の消耗率が高いのかと。
軍服は前世での旧ドイツ軍と似た物でソワソワしてが、支給されたライフルはイギリスのリー・エンヒィールド・ライフルNO.4 MkⅠ似たライフルだった。10発装填出来て、熟練者が5人といたらマシンガンの連射力となるライフル。同期の訓練兵は高揚として、射撃訓練では僕が好成績を上げてた。
2週間となる訓練も終了して、部隊への配属となった。その際孤児院仲間や仲良くなった子と肩を叩いたり、ハグをしてお別れをすませた。もしかしたら、これで最後になるかも知れないから。
運搬用自動車に揺られながら戦場へと向かって行く。
この先はゲームで知ってるより、酷く残酷で地獄である事はその時の僕は知るよしもなかった。