第十五話
あの後衝撃的な事があったけど一睡は出来た。それでもアルベルさんと顔を合わせるのは気まずい。それは不注意な僕とアルベルさんの責任な訳である。
アルベルさんは指令部から指示か報告を伝えに来たのに対して僕は体を拭いていた。それはお互いの不注意な訳であるから。
その後はアルベルさんはホーバス中隊長に指令部からの指示を聞き命令を出された。
「とそこまで聞きましたが、なんでホーバス中隊長がいるんですか?」
「ハハハ、俺様ものんびりしたかったが酒を飲んでなく動けるのはお前らと俺様だからさ」
後方の後方へと続く道を僕、アルベルさん、ミクーさん、ホーバス中隊長が歩いている。
なんでも本来来る筈の志願兵約一個中隊が来ないと言う事だ。どうなっているのかを確認に僕らの中隊に指令が来た訳だ。
ヘトヘトな上でこんな確認する為なら。
「こんな捜索なら、航空機を出せばいいですのに」
思わず愚痴を吐くと前を歩いていたホーバス中隊長たちが驚いた表情で見てきた。僕は別に変な事を言った事はないだけど。
「シュトラ二等兵、どこでそれを聞いた?」
「聞いてないですが、僕の予想…考え……そんな感じです」
どうやって考えてに至ったのかを話す事になった。
塹壕に入った初日はこそまで考えたなく、三日目あたりで偵察を出してないのに敵の攻勢を予測していたのかを考えた。最初は偵察部隊かな~と思っていたけど敵塹壕があるから後方まで偵察は出来ない。となればスパイと思ったがこれも現実的じゃない。どうやって後方の情報を渡せるのか分からない。なら、第三国による情報の受け渡しだけど、前線まで情報が行くのに時間が掛かる。最終的には上から偵察をする……飛行機となると考えに至った経緯を話すとみんな呆れていた……あれ?
FPSでは偵察は当たり前だし、UABやレーダーとかゲームで使っていたし。
「レーナさんの思考には驚きですね」
「まだ新兵なのにどこから思い付くだ」
「では、シュトラ二等兵。その航空機はどこから来たと思う」
感心しているミクーさんや頭を抱えるアルベルさんの他所にホーバス中隊長が面白そうに聞いてくる。人差し指を顎についてちょっとだけ考える。
「僕たちの国なら部隊に噂とか合ってもいいですが…ないので、友好国……ナイツからですか?」
「全く貴様はどこまで読めているんだが、俺様がお前をスパイとか思ってしまうぞ」
あれ、僕の考えを言っただけなのにどうしてミクーさん以外天を見てるんだろうか?
「捜索まで出せないとなると燃料が高いか航空機が少ないとかあるですかね?」
「シュトラ二等兵、黙れ。なんでこそまで読めてしまうだ。そこまでいくと参謀とかに推薦してみたくなるぞ」
「でも小娘だからと落とされるか」とか失礼な事を言ってくる。前世でのFPS知識なのに酷い。
航空機を偵察だけ使うとか持ったないとか話すと、ホーバス中隊長が呆れながら有効性を聞いてくるので……楽しくて話していた。機関銃を装備したり、爆弾を積んで塹壕を爆撃してもいいとか話すと深いため息と共に「上に報告する」とだけ言った。




