第三話 ミル
ついに第三話です。優実の凶暴さが出ています。
「ラインカンスロープって?」
それ以上何も答えなかった。
結局、何も知らないままミルと同棲する事になった。
別に。ニヤけてないよ?
その時。
ピーンポーン…。
忘れてた!優実だ!
マジで来たよ…。
ピーンポンピンポンピンポンピンポン…
うるさい!
「今、出るよ!」
ガチャと玄関のドアを開ける。
1番最初に目にしたのは優実ではなく…。
「Welcome♪(ウェルカム)」
僕に向かって振り落とされる木刀だった。
一ドガッ、ボゴッ、グサッ…
〜殴られること10分〜
痛い…。痛いじゃ済まない…。麻痺してきたよ…。所々にタンコブやら血がでてる。
「優実様、痛いです…」
その言葉を無視してリビングへ入って行った。
僕を踏んで、血だらけの木刀を僕の上へ落として。
痛いんだよ?死ぬほど。
「あれ?女の子」
優実がミルに気付いた。
どうしよう…。
「こ…これが、妹だよ」
ミルはジィーっと優実を見た。
優実もミルを見つめた。
そして、優実の第一声。
「似てないわね」
そんなの百も承知。
だって、妹じゃないもん。
と言えずに笑ってごまかす。
「髪の毛、白だし。可愛いし。ん?猫耳?」
ミルの耳を引っ張ろうとしたて耳に手を伸ばした時…
一一パシッ…!
優実の手を叩いた。
優実はミル見つめるから睨むに変えた。
僕には見える…二人の間に火花が散っている。
「勝手に触らないで」
「子供みたいな猫耳付けてるから取ってあげようとしただけよ?」
そしてまた、睨み合い。
どうしよう…。
ミルに妹のフリしてって言っとけば良かった…。
「本当に妹?亘より性格悪いじゃん」
優実が馬鹿にしたように鼻で笑う。
ムカつく…!
「あなたこそ、幼なじみじゃなきゃお兄ちゃんの側にいれなかったじゃない」
ミルも負けじと馬鹿にする(?)
…ん?今、お兄ちゃんって言った?言ったよね!
良かったァ〜。
「あのさ、そのくらいにしてさッ…」
キッと両者に睨まれた。
怖いよ…。
「そろそろ学校に戻ったら?」
「あなたこそ、学校は?学校は義務教育なのよ?」
「一日ぐらい大丈夫よ」
優実が黙ってしまった。
「あのォ…」
ブツブツと何か呟いている。
呪い??
「覚えときなさいよ…」
殺意が込められていた。
そう言うと家から出てった。
大丈夫かな?外で僕の過去が暴露されているんだけど…。
「ミル??」
「何?」
今度は普通だ。
良かった…。
「ラインカンスロープって、何?」
「そこで聞く?」
なんで怒られたんだろう…??
え?聞くとこ違う?
これは、実は作者が仕組んでるんだ!僕のせいじゃない。
「いいわ。話してあげる。ここに来た理由も」
ミルは真剣に話し始めた。
「私がいたのはこの星と違う星。皆は『コロホーン』そう呼んでいるわ。そこでは私のような獣耳があるのが当たり前なの。力が強い者は獣だったり、尻尾があるのが当たり前。私の母様と父様も力が強かったわ」
「ミルは耳だけだから力が弱いのか?」
「違うわ」
何が違うのか分からない。
後ろに少しだけまとめた長い白い髪をなびかせて話し出す。
「私はこれでも力が強いの」
そんな、バナナ(笑)
「だけど、力が強すぎて制御が出来ないの。そして、私はランファドールの王女。だから、試験わ受けてクリアすると王の地位が貰えるの。その試験会場がここ、地球」
「待てよ。つまり、コロホーンでは、王を決めるのに試験が必要で、試験はこの地球でクリアしなきゃいけないって事?」
「そうゆう事」
なんだ。簡単じゃないか。
「だけど、私に王の地位を継がせたくない人は私の命を狙って来るの。だから、難しいのよ」
おぉ…デンジャラス!
って事はミルはいつ命を狙われてもおかしくないって事。=いつ死んでもおかしくない。
「危ないよ!そんなこと」
「でも、それが母様と父様の願いだから」
「自分の命は自分のだろ!自分の体は自分の!自分の願いは自分の。母様と父様の願いは母様と父様の!」
「分かってるけど…」
それでも決意は揺らがない。
だったら…。
「だったら…」
「それでも!…それでも私達はそうしなきゃいけないの!」
悲しいのか、哀しいのか。
一一なんでこんなに運命は残酷なのかねぇ…。
小さな体で何を背負っているのか…。
そんなの本人でも分からないよな…。
「だったらせめて生きろよな」
「聞こえないよ…。そんな寝言」
会ったばかりの少女。
一緒に住む事になった少女
偶然…。偶然の出来事。
だけど、こんな会ったばかりの少女に何故こんな気にかけているんだろう…。
一一もう誰も死んで欲しくない…。
小さな願い。
だけど、大きな願い。
周りで誰かがいないのは悲しいから。
たとえ、会ったばかりの少女でも。
だから…。
「僕が…ミルを護るから」
聞こえたのか、聞こえてないのか…。だけど、僕は決意する。
誰も死なせないから。
大きな決意と小さな約束。
僕は強く願う…。
ありがとうございました。木刀で殴られると痛いです…(ノ_・。) 次回もお楽しみに