お菓子のレシピ
テンサイから砂糖が作れるようになって。
王宮からの依頼もありましたから、砂糖を使った料理(というかお菓子)のレシピ本の用意を始めました(庶民向け)。
クッキーとかカスタードクリームとか。保存食としてジャムはどうでしょう?砂糖を沢山使うから敬遠されてしまうかしら?まだ調味料としては高価ですから…
ミートパイやチーズパイなどの食事用のパイは既に家庭料理にあります。だからデザートになるカスタードクリームパイ、フルーツパイのレシピも入れることにしました。
菓子パンなんかもいくつか書いた方が良いかしら?メロンパンとかドーナツとか。フレンチトーストとかプリンとかも。揚げパンはどうかしら?きなこと砂糖を混ぜてまぶしたものが私は好きでした。シナモンはこちらにもありますからシナモンシュガーをまぶしても良いかも知れません。
貴族向けには(というか王様が所望されたので)スポンジケーキやマシマロ、マカロン、メレンゲの焼菓子などを。こちらは一品ずつレシピとして売ることに。
卵白や全卵を泡立てるのは大変です。だから卵を泡立てて作るお菓子は料理人がいない家では難しいでしょう。泡立て器を作ってもらおうかな…
そう思っていましたら以前転送魔法陣でお世話になりました王宮魔法師のテトナさんと魔法師長のコルテオさんが卵白を泡立てる為の魔法陣を考案なさいました。
それでも一度で使い切ってしまう魔法陣を買ってまで卵を泡立てる庶民はいないような気がします…うーん。
こちらには重曹とかベーキングパウダーがまだ無いんです。
色々考えた末に。
砂糖を使った庶民向けのお菓子のレシピ本には泡立て器を付録としてつけることにしました。
ふわふわのパンケーキとか、パウンドケーキ、カップケーキくらいなら何とかこれで作れるかしら?
こちらの世界では、町にならパン屋がありますけれど小さな村にはパン屋はありません。そういう所ではパンを自宅で焼くのが当たり前です。だからオーブンがあります。またオーブンを使う家庭料理も多いので
「何度で何分」はわからなくても
「パンを焼くくらいの温度で何分」とか
「鶏肉を焼くくらいの温度で何分」とかいう表現は町の人にも村の人にも通じるのです。
またフライパンには蓋が付いているのが普通なので(鍋ほどではありませんが割に深くて蒸し焼きをするのにも使われるのです)ふわふわのパンケーキとか、プリンを作るのにも向いていると思います。
えーとお菓子のレシピであとは…
あ、二年ほど前にマルブルフ領都に近いスールの港町から少し離れたレフという漁村で見つけたテングサ(煮ると固まる海藻で、わざわざ寒干ししなくてもきちんと固まってくれるし、フルーツやレモン汁を加えても固まります。名前がなかったのでテングサと名付けました)で作るゼリーや羊羹(芋羊羹とかカボチャ羊羹とか)のレシピも加えてみましょう。
前世の私は淡雪羮が大好きだったんです。
まだテングサはあまり知られていませんから、その宣伝も兼ねて。
レフ村では魚の煮凝りにこれを使うようになりました。気温が上がっても溶けないのが嬉しいそうです。
魚の骨から出るゼラチンだけよりしっかり固まるので煮凝りが一年を通して出回るようになりました。
この世界には純粋な、というか臭みの無いゼラチンがありません。なのでデザートにゼリーはありませんでした。
よく煮出した骨から骨髄を取り出してスープの実にはしますけれど。
貴族向けに砂糖細工のレシピも書いておこうかしら?
マジパンやアイシングや…そうなると精製して白砂糖を作る必要がありますね。粉糖も作らないと。
…飴を作る方が簡単かしら?
キャンディーやキャラメル、食べたくなりました…
そういえばどちらも作ってません。ジーク兄様と相談して試作してみましょう!




