作家さんも増えました
お話を書く人も随分増えました。
神話や昔話(土地の伝説とか言い伝えとか)を書く人の方が多いですし、一冊か二冊ほど書いて筆を置く人もいますけれども。
子ども向けの職業を紹介する絵本は好評でシリーズに
なりましたし、絵だけの絵本(花とか虫とかの写実的な絵で、描いた物の名前だけ絵の隅に書いてある)も好評です。
これは私とアキテーヌン領の魔法師が考えた「転写」の魔法陣で量産出来るようになった物です。
この魔法陣はアキテーヌン領だけで生産されていて個人に販売、譲渡はしません(王宮と子爵以上の貴族、印刷業者に限って販売しています)。
この魔法陣は書き写しただけでは発動しないようになっていますし(書き終えた後で更にもう一度ある部分をなぞらないといけないんです)、魔法陣自体のコピーも出来ないようにしてあります。
けれどこの魔法陣の上に乗せた紙の分だけ(といっても千枚くらいが上限)一度にコピーが出来るので便利ではあるので人気商品になっています。
後で聞いてみると、こういう絵本は肖像画を描く絵描きさんやその見習いさんたちの大事な副収入になっているとのこと。
今では普通の絵本やお話の挿絵、表紙などもそういう方たちにお願いするようになったそうです。
そういえば私の家族も以前に何回か画家をひと月ほど館に招いて家族の肖像画を描いてもらったことがありました。家族写真の代わりのような感じですね。
肖像画は大抵壁に飾る為、大きな板に油絵具で描きます。けれど複数のもっと小さ目の板に肖像画を描いてもらった物を他の家へ送ってお見合い写真のような使われ方をされることもあります。
(今は紙に描いてもらった肖像画を貴族が転写を依頼してお見合い写真代わりに…ということが増えているそうです。)
それから歌詞集も大人気です。
オペレッタの台本や教会の賛美歌集などももちろんですが、
「何々の曲に合わせて歌える別の歌詞」
…いわゆる替え歌の歌詞集がとても好評なのです。
この世界の貴族は幼い頃から竪琴や笛を習います。
音楽は王宮や教会の式典にもつきものです。王宮が何かにつけ曲を演奏するので、家臣の貴族もそれに倣います。貴族と付き合いのある商家や町や村の有力者もまた…。ですから平民でも楽器が堪能な人が結構います。
竪琴の値段もピンからキリまでありますから、材質とか飾り彫りとかの贅沢を言わなければ平民でも購入出来ます。
そして楽譜は一曲分ずつ売られていまして、紙でも羊皮紙でも大体二、三枚くらい。なので紙ならば比較的安価で売られています。羊皮紙の楽譜は高価ですので教会や富裕貴族向けのものです。
替え歌の歌詞集は著者が一人のものとか何人かの連名のもの、「なんとかの作詞の会(サークル名のようなものらしいです)」名義のものなど何冊もあるので、私も一冊購入して読んでみました。
それには教会で歌われてよく知られている賛美歌の曲に合わせる歌詞が多く載っていました。
中でも結婚式向けの歌詞とか、子守歌の歌詞とかが意外に楽しいです。
前世には遊戯歌、なんてものもありましたね。そういえば。
「せっせっせ」とか、手を繋いで輪になって踊るフォークダンスとか。
「ロンドン橋」みたいな遊戯歌も。
「かごめかごめ」「通りゃんせ」に縄跳び歌…あぁ懐かしい!
前世の日本には盆踊りとか河内音頭とか、庶民が輪になって踊ることがありました。こちらでは聞いたことがないです。こういうことは誰に尋ねたら良いかしら?
いっそ、オペレッタとかお芝居に取り入れるかたちで紹介してみても良さそうです。
今度リリオフさんとキアさんに相談してみましょう。
アキテーヌン領のジーク兄様からは
「魔女の助言シリーズが終わってからは一冊か二冊で終わる話が続いている。出来ればまたシリーズものか長く続く話を書いて欲しい。」
と言われています。長編…八犬伝の焼き直しとかではダメかしら。あの話大好きだったんです。細かいところまでは覚えていませんけれど。少し考えてみます。
そうそう、四年ほど前から王都で出版されている「ユリアン」名義の本があります。一冊の中に一話一話が五十ページほどで終わる短編小説が四つか五つ入っていて。
内容は町や村(特定されないように書いてあることもありますし、特産品の紹介をしていて分かることもあります) で見たこと、著者が食べたもののこと、感じたことなどを淡々と書いていることが多いです。
その文章から優しい視線を感じられて私は大好きな作家さんです。
こんな風に私の好きな作家さんが何人か出てくれると嬉しいですね。
さ、私も頑張りましょう!




