アルコールと蒸留酒
不作の年でも飢饉にならないように数年分を備蓄しているヒエやアワなどの雑穀は、毎年収穫を迎えるごとに一番古いものを家畜の餌にしたりしています。
でもこのところ豊作が続いていてだぶつき気味で。粉に挽いてクッキーなどのお菓子やクレープのような薄焼きパンにしたりもしたのですが、やはり新穀や小麦粉で作る方が美味しいんです。
それでいっそ余剰分の雑穀をアルコールにしてしまおうかと。消毒用とかオーデコロンなどに使う為ですけど、
そして発売前にはお兄様が王宮に出向いて王様と王妃様にオード(オードトワレをこの名前にしました)とコロー(消炎と虫除け用の商品名)を献上。
献上したオードは王族専用に白檀に似た香木のエキスにバラや柑橘、薬草のエキスをいくつか組み合わせて男性向け女性向けにそれぞれ作ったものでした。
コローは一般向けと同じ、ミントとレモンエキスを配合したものです。
王族専用のオードのレシピは全て王にお渡しして、こちらには残しませんでした。ですから今後は王宮魔法師が製作を担当することになりました。アレンジもお任せで。
…魔法師の仕事を増やしてしまったかしら?…
そして発売してみると、貴族はもとより富裕層にまで大人気。いささか高価なのですがかえってそれが平民の富裕層には
「いかにも貴族風で豪華!」
なのだそうです。
アルコールの作り方やポットスチルの設計図を購入希望する商人や貴族も多く、またお兄様が多忙になってしまいました。
「書類やお金などが転送の魔法陣でやり取り出来るようになったからね。王宮でもアルコールを生産する方針だ。ここ一年ばかりはやたらと忙しくなりそうだよ…数年後には蒸留酒も出来るんだっけ…またひと騒動ありそうだな…」
お兄様の弱音?を初めて聞いた気がします。
あ。サザーズ領主にブランデー作りを勧めるべきかどうかをお兄様に相談しなければ。
…また溜め息をつかれてしまうかしら…




