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天衣無縫なお嬢様  作者: 眠熊猫
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王都へ行くことになりました

「レティ、明後日私と王都へ行かないか?」

朝、館へ挨拶に行きましたらそうお父様に尋ねられました。

「行きたいです!でもお母様は?」

「アルテはサーラの手伝いをしたいそうだ。クルートも三歳を過ぎて走り回るようになったからな。目が離せない。」

そういえば甥のクルートは走ったり歩いたりするのが大好きみたいで、最近は館と私の家の中間くらいの芝生の辺りでよく寝転んでいます。距離としては大体一キロメートル。きっと体力がそこで尽きてしまうのでしよう。

もちろん側には誰か一人は侍女がいますし、新しくつけられた教育係のジョナーがすぐに館から乳母車を持って来てクルートを乗せて館へ戻って行きますけれど。

晴れている日には二日か三日に一度くらいそんな光景を見ます。もちろん、元気に歩いているクルートに会えることも。そんな時のクルートは楽しそうでとても可愛らしいです。

サーラお義姉様はクルートを産んだ後、体調を崩してしまわれました。産後三年が過ぎた今でも疲れ過ぎると発熱することがあります。神殿の治癒魔法があまり効かないようで…活発なクルートについていける状態ではありません。お母様は助けて差しあげたいのでしょう。


「 今回、レティの侍女は二人。王宮に挨拶をしに行くからね。支度も相応にしないと。それから王都にはうちの家があるから泊まる場所はある。私とアルテは近いうちにそちらに引っ越すつもりだ。」

「そうなんですか?寂しくなりますね…」

「国王陛下から少し手伝って欲しい仕事があると言われている。ジークがしっかりしているから領地の心配はなさそうだし、断りにくいんだよ。」

「あの、私も王宮へ行くのですか?」

「ジークたちは王都の学校へ進んだから、入学卒業の時に陛下に挨拶している。でもレティはエラリナの魔法学校に進んだのでお目にかかる機会が無かっただろう?陛下はレティの作った歌のファンなのだそうだ。

『自分の為には歌を作ってもらえないのだろうか』とこの前お会いした時に言われたのでね。」

「え!明後日までに歌を?」

「いや?お会いした後で贈れば良いんじゃないか?」

「そんなわけにはまいりません!ああ、でもちょうど良かったかも。『神よ王を守りたまえ』という歌が出来たばかりです。司教のラミアス叔父さまにお渡ししようと思っていましたが、それを陛下に差し上げましょう。」

「そんな歌なら陛下に差し上げるのにふさわしい!…

だが、陛下に披露する前に一応家族皆の前で披露してくれるかい?」

「では、今日のお茶の時間に。館のサロンで。」

「わかった。皆に伝えておくよ。」

「ランバート兄様にもね!」

「ああもちろん。」


午後の昼下がり。

私は叔父であるラミアス司教様を通して教会(神様)に差し上げるつもりだった三曲と、新しく作った子守唄を二曲、サロンでお披露目いたしました。

そうしてやはり最初に弾いて歌った、「神よ王を守りたまえ」を王に献上することに全員一致で決まりました。

竪琴を弾きながら歌詞を間違えないように歌うのはなかなか大変でしたが、皆に喜んでいただけて嬉しかったです。

マイエルト領に嫁がれたキャシー姉様にもお聞かせしたかったので、王に献上する一曲だけを除いて楽譜を送ることにしました。


私と一緒に行く侍女は今回はラーナとハヤ。ハヤは私と共に領地の館に戻りますがラーナは王都の家のメイド長になるのだそうです。

また館の執事長のセゼーやお父様の補佐官リナールもひと月ほど前に館から退いたので、てっきり辞めたのかと思ったら王都の家にすでに着任しているとか。そういうことでしたの。

また衛士も今回は十二人と大勢でした。その内の二人は私と一緒に領地に戻りますが、あとの十人は王都に残ってそちらの衛士になるのだそうです。


結局、馬車六台の大所帯での移動となりました。

…何ごともなく、安全な旅になりますように!

館から王都までは半月ほどの旅程となります。

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