規格外の娘
「ラミアス、今日はわざわざすまない。」
「いえ、領主様…すまん。ぶっちゃけても良いか?従兄弟殿。」
「ああ。ウィルで良い。」
「私のこともアルテでお願い。」
「レティシアのスキル、魔力共に規格外だ。
スキルは三つ。
意思疎通(人外を含む)
融通無碍
天衣無縫
以上全てユニークスキルだ。少なくとも俺は今まで聞いたことがない。
そして魔力は測定不能…というか
本人が望むだけ なんだそうだ。
魔法の適性も特に無し。
本人が願えばそれにふさわしい魔法が出現する。
死んだものの生き返りと時の巻き戻しだけが不可能。
な、規格外だろう?」
「全てのものと会話が出来て、自由な発想をして、その望みが叶えられ、本人は何にも捉われない。しかも魔力も魔法もレティの思うままになる、か。」
「あのね、善に向かえば良いのよ。もしも悪い方へ転んだら…」
「アルテ、ウィル。多分心配はいらない。レティの職業は聖女だから。」
「それって結婚出来ないってこと?」
「いや。ただレティに強制的に結婚させたり独身を強いたりすると天罰が下る。何しろ称号が「神が守るもの」だからな。
どんな天罰かは知らないけれど。教会に属しても属さなくてもレティは聖女だ。結婚してもしなくても。とにかくレティに関してはしたいことをさせて見守るしかない。」
「…俺たちは親としてどうしたらいいんだ?」
「今まで通りでいい。ただ必要なことやものをレティが言い出したら与えることだ。でもあんなに愛らしい子の願いを放っておけないだろう?」
「レティは笑顔が素敵なのよ。美人というなら姉のキャシーの方が綺麗だと思うんだけど…」
「確かにレティの黒髪は癖が無くまっすぐで目立つけど。俺のばあさまが黒髪だったそうだが、覚えてる限りでは白髪だったからな。」
「レティのすみれ色の瞳は私の父様譲りだけれど、父様よりも色が濃いような気がするの。まつ毛が黒くて長いせいかしらとも思うのだけど。」
「はいはい。親バカの子ども自慢は聞いてられないね。では俺はこれで失礼するけど、ちょくちょく顔を出すようにするよ。レティの相談相手は必要だと思うから。」
「よろしく頼む。」
「お願いね。」
「従兄弟夫婦にはああ言ったけれど。確かに間違いではないと思うけれど。…周りの大人にとってはレティシアをどう導いたら良いのかは難題だよな。頭が痛いぜ全く。」
この世界には生まれた時に神から貰うスキルの中の一つに鑑定があります。レベルは人それぞれ。
またスキルは全員が貰えるわけでもありません。
スキルを持って生まれた人は珍しくはないけれど
「親か祖父母に信仰の篤い人がいたのだろう」
くらいには周囲に認識されます。
またスキルは使っているうちにレベルアップしたりします。使っても使ってもレベルアップしない人もいるので一概に言えませんが。
また鑑定の魔法もあります。
そこそこ魔力も必要ですし、習得するには努力が必要です。努力しても皆が皆使えるわけでもありません。
適性や知識も必要な魔法です。
という設定です。お見知りおきください。