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天衣無縫なお嬢様  作者: 眠熊猫
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お買い物

衛士のエセルには荷物持ちになってもらいました。

彼は今夜は学校近くの宿屋に泊まって明日の朝、領地に戻ります。どうぞ気をつけて。

予約していた宿屋に皆で行き、宿泊人数の変更をお願いします。

その後、宿屋の食堂で昼食をいただきました。鶏肉と野菜のスープはトマトがたっぷり入っていて美味しいものでした。


侍女のエイダと相談しながらお買い物です。

制服?については出発前から用意していたそうで、臙脂色のくるぶし丈のフレアスカートが二枚、パンツが二枚と上着が二枚。

灰色の服はくるぶし丈のプリーツスカートが二枚、パンツは臙脂と紺のチェックが入っているのが一枚、灰色の無地のが一枚。上着は無地が一枚とチェックのものが一枚、持って来た荷物の中に入っているそうです。

シャツをもう少し買いましょう、夏用の軽い上着も。

ということで入ったお店で、白いレースがついた灰色の素敵なワンピースを見つけてしまいました。思わずじっと見ていると

「魔法学校に入学されましたか?このワンピースでも制服と認められますよ。」

と店の方に声をかけられて。長袖と半袖のワンピースを一枚ずつ購入しました。シャツやブラウスも何枚か。

軽い上着は臙脂と灰色のいずれも無地を一枚ずつ。

エイダはローブを選んでくれました。濃い灰色のケープのように胸元までの短かいものと、膝丈まである長いものを一枚ずつ。

裾についているフクロウとヒイラギの刺繍は本当に可愛い!


靴に決まりは無いそうですが、服を買ったお向かいの靴屋で臙脂と灰色のショートブーツと編み上げのロングブーツを二足ずつ購入しました。

これにもフクロウの刺繍のワッペンがついていて嬉しかったです。

教科書(これは学校から借りるものです。課程を修了したら返却しなければいけません。後輩に受け継がれますから大切に扱わないと叱られます。)や教材を運ぶ為のリュックは焦茶のものを選びました。

すぐその場で「レティシア・アキテーヌン」の名と、寄り添う二羽のフクロウの刺繍をリュックの蓋の部分にしてくださいました。


靴屋さんのお隣の雑貨店では羊皮紙とペンとインクを。紙のノートと鉛筆は少し多目に買いました。

羊皮紙は生産量が少なくて高価ですが、正式な書類は羊皮紙に書かなければ受理されません。

ペンとインクは羊皮紙に書く為の必需品ですが、紙に書いて提出する略式書類にも使われます。

今回受験の為に持って来たペンとインクは旅行用のコンパクトなもので、普段使うには書きにくいもの。

それで持ち運びしやすくて使い勝手の良いものと、寮の私の部屋の机(作りつけ)に常時置いて使うものとを買いました。

また裁縫道具や編み針、毛糸玉や糸玉もありましたのでそれも少し。刺繍もパッチワークも編み物も気晴らしになりますから。


結局エセルもエイダも私も分担して荷物を持って学校の寮へ行き。あらかじめ教頭から渡された鍵で指定された部屋の扉を開けて。

荷物を下ろしてエイダと私が片付けている間にエセルが領地から持って来た荷物を部屋に運んでくれました。

それの整理もほどなく終わると、今日の夕食はエセルの泊まる宿屋の食堂で取ることになりました。

三人一緒に食事をするのも今夜が最後です。

明日の明け方、エセルは宿を立って帰途につきますし、明日の朝食から私は寮の食堂で食事、エイダは寮にある使用人たちの食堂で食事を取ることが決まっていますから。

…そう思ったら何だか急に寂しくなりました。

お料理は鳥のグリルと温野菜のチーズがけ、根菜のスープで、とても美味しいものでしたのに。

きっと顔に出ていたのでしょう。エセルは笑いながら

「レティシア様のことです。優秀な成績を修めてすぐ館にお戻りになるのではありませんか?ご学友が出来るのも楽しみですね。」

と話しかけてくれました。友達…作れるかしら?

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