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銃剣士英雄伝  作者: オオウミガラス
第一章 旅立ちの準備
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1話 奇抜な発想

「『貴方は、剣と銃の才能があります……どうなされますか?』なんて言われてもなぁ……」




 アイメルク王国の勇者討伐隊の適正検査を受けた俺は、王城前で思い迷っていた。──剣は、かっこいいし銃は自分でも自覚あるんだよな……








「お〜い! どうだった?試験」








 俺の幼馴染のセムだ、あいつ王国兵士になりたがってたもんな。








「よっ、セム、実はな……」




「えっ、ほんと?剣と銃⁉ 2つも適正があるなんて、すごいじゃないか!」








 て、言ってもなぁ。これまで2つの適性がある人はいたらしいけど、両方した奴なんて聞いたことないんだよな。う〜ん……








「それよりも、セムはどうだったんだ?」








俺は、話を変えることにした。








「えっとね、僕は、ま、魔導師の資格ありだったよ」




「は?……魔導師?」








 予想外の答えが帰ってきたぞ。




 確か、俺の記憶だと魔族マゾクとか魔獣マジュウとか、マナの制御とかが得意な種族が、魔導師とかに向いてるはずだが……








「とりあえず、ボルガのおっちゃんに俺の件とセムの事、聞きに行くか」




「そうだね、ボルガ師匠に話を聞いてみよう」








 ボルガのおっちゃんとは俺とセム、あと喋り方に癖のある──








「師匠のとこ行くんやったら、ウチもまぜて〜な」




「「!?」」








 そう、こいつ。名前はマリーナ。




 マリーナは、北西にある亜人の国アイドから四年前に来た半猫ハンミョウ獣人ジュウジンだ。四年前の"銃魔戦争ジュウマセンソウ"終戦のときにアイメルクに来たはずだ。猫耳に尻尾、あとヒゲが特徴的なのを除けば、人族の可愛い女の子って感じだ。








「マリーナが、急に出てきたからびっくりしたけど、気お取り直してみんなでおっちゃんのとこ行くかー!」




「オーー‼」 「お、おー」


ボルガのおっちゃんは、第四地区の宿にいるらしい。このアイメルク王城は、城の周りを四分かつして、東側を貴族外の第一地区、西側に商人街の第二地区、北に一般住宅街の第三地区、南を第四地区としているらしい。現在地の王城前から大きな通りを通って少し行ったところに第地区の入り口がある。と言っても距離があるのでケストに乗っていく。




「俺とセムはケスト連れてきてるけど、マリーナわ?」


「おらんよ、セム〜ウチも乗せて〜なぁ〜」


「う、うわぁぁぁ」




 セムのケストに二人で乗るらしい。


 セムが助けを呼ぶようにこちらを見てるが知らんな。




「セムとマリーナは、仲いいな‼」


「ち、違うよ!」「ウチとセムは仲良しさんや」

───

──

 ドンドン


「おーい。ボルガのおっちゃーん。」


「──ヤヅキか、鍵は空いてるから入るといいぞ」




 ここの、宿屋の扉は木製だが最新の魔法ロックがかけてある。やっぱり王都は違うな。




「おっちゃん、いろいろ報告があるから、聞いてくれ!」


「お、お邪魔します」「師匠ー!」


「なんじゃ、セムたちもおったか、立ち話も何だそこの椅子に座るといい」




 部屋の真ん中に、丸い机を囲むように椅子がおいてある。他には、ベッドが一つとシンプルな部屋だ。まぁ、普段は冒険者が寝るだけのとこだもんな。俺はおっちゃんの隣の席に座ることにした。




「じゃ、俺ここで」


「なら僕は、こっちで」


「ウチはここに座るわ」




 セムが俺の右で、マリーナはセムの隣だ。何やかんだ仲良しだな。




「で、報告はなんだ。明日は、模擬戦だからあんまりチンタラしてる暇はないはずだがな」


「そのことについてだよ、聞いてくれ──」


───

──


「フムフム、つまりお前は、銃にするか剣にするか迷ってるのだな」


「流石!飲み込みが早いな」


「で、セムは魔道士の資格がありだったが人族なのに大丈夫なのか?ということだな」


「そうだよ」「はい」


「セム、お前は自身を持ってやるんだ!! さいわい、お前は頭もいいからなんとかなるだろ」


「は、はい!頑張ります‼」


「魔道士か………」




 セムがあんなに自身を持つなんて、やっぱりおっちゃんはすげーな。けど、最後にあさっての方向を見てつぶやいていたときの横顔を俺は忘れないだろう。




「で、ヤヅキお前のことだがな、こんなこともあろうかと思ってこれを作っておいたんだ」




 なんでこんなことあると思ったんだよ! と、心の中で突っ込みながら、俺はおっちゃんが出した"武器"を見た。これは──




「銃剣ですか?」


「そうじゃ、流石だな、セム」


「えへへ〜」




 や、やるな。セムは、知識の化身か!さっき褒められたから脳細胞が活発化したか!




「で、その銃剣?は、どうやって戦うんだ、銃の先に剣付けただけに見えるんだが……」


「? 遠、中距離は銃で戦いながら近距離戦になったら先にある剣を使って槍のように戦うんだ」


「ちょ、ちょっと待ってくれー!」




 とっさに俺は叫んでしまった。なんでかって?それは……俺が槍、使えねぇからだー!




「俺、槍はワースト1位だったのだが……試験官に、『こんなに剣の才能があるのに槍ができない奴は、初めて見たぞ』って言われたからなぁ‼」


「⁉ 誠か?ヤヅキお前、めんどくせぇやつだなぁ………」


「誰がめんどくせぇーやつだ! 俺が一番凹んでんだよ」


「あの〜、ちょっとええか?」




 マリーナが手を上げた。マリーナの型破りな発想がなにか生むかもしれない。俺は、期待のこもった目でマリーナを見た。




「ヤヅキ〜、そんなにみんといてえなぁ〜」


「そ、そんなに見てないよ!」


「いいわけが、必死だな。年頃の男の子だな!」


「うるせぇーそれよりも、何を思いついたんだよ、マリーナ」


「ヤヅキが、槍使えんから困ってるんやろ〜?ほな、発想変えて、近距離戦は槍やなくて、剣で戦えばええんや」




 んん??理解できんぞ、どういうことだ?隣のおっちゃんも頭に疑問視浮かべてるぞ。セムは──




「セム、今のでわかったのか?正直俺にはなんにもわかんなかったぞ」


「簡単だよ、新しいタイプの銃剣を作るんだよ」




 つまりこういうことらしい。おっちゃんが作ったてきた銃剣は銃に剣がついているが、そうではなく大きな剣に銃をつければいい、ということだ。




「つまり、見た目は、ただの剣だが実は、遠距離も行けますみたいな」


「そのとおりだよ!じゃぁ、師匠お願いしてもいいですか?」




 こう見えて、おっちゃんは鍛治もできるし魔法鍛治もできる。俺もお願いしておこう




「おっちゃん、頼むぜ!」


「ふぅ、わかったわ。だが、ヤヅキお前は、ここで待っとくんだな。お前に合わせて作るから」


「はーい、わかったよ」


「あの、僕たちは?」


「お前らは、二人で明日の模擬戦の練習でもしとけ」


「はい!」「了解〜」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ポイント




ケスト


馬のような動物で、魔獣ではない。比較的おとなしい。アイメルク王国やエバロルク帝国で主に使用されている。




エアバロルク  


北東にある国。魔法や魔導、精霊術を司る種族が多い。世界が闇に飲まれる前までエルフ側とドワーフ側に分かれて数々の種族が争っていたが今ではエルフとドワーフは、同盟関係にある。

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