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【20】ベアトリーチェの駆け引き

「押して駄目なら引いてみろ。こういう駆け引きも時には必要なのよ」

 従兄妹のヘレンの恋の手管の話は、なかなかに面白い。

 チサトとミサキの恋の進展にうまく使えるかと言われると、またそれは別問題なのだけれど。

 騎士学校にも少しずつ慣れてきて。

 現在私はルカナン本家に嫁いできたヘレンに、行儀作法一式を教わっている。


 まずこの底の高い靴で歩くのが難しい。

 なんで女性はこれを普通に履くんだろう。

 歩き辛いし、どうやってこれで走ったらいいのかと尋ねたら、そもそも走るなと言われてしまった。

 ドレスとアクセサリーの組み合わせ方から、優雅な仕草。マナーなどを習いながら過ごすのだけれどかなり悪戦苦闘していた。

 しかしようやく一通り及第点をもらえるようになり、ヴィルトの前に姿を現す運びとなった。

 

 鏡の前で自分の格好をチェックする。

 普段は首の後ろで縛っている髪は下ろして、元の金髪にして。

 控えめながらも可愛らしい服をチョイスしてみた。

 今日ヴィルトは図書館で勉強して帰ると言っていたから、そろそろ出てくる頃合だ。

 

 門のところで待っていたら、苦手な奴が出てきてしまって一瞬焦る。

 同じクラスのルーク。

 この騎士学校では貴族も庶民も皆平等にというポリシーがあるので、基本的に苗字は皆名乗らない。

 苗字は領土の名前と一緒なので、貴族かどうかがすぐわかってしまうからだ。


 なのでルークがどこの出身なのか、私は知らない。

 でも、従者を引き連れて、いつも態度がでかく、浮世離れしている事からすると位は高い貴族なんだろう。

 ちなみにこの苗字を隠す制度。

 「ベネ」である私と「クライス兄様」であるチサトは目立つ黒髪黒目で、なおかつ自分の領土なので全く機能していない。


「姫、誰を待っているんだ?」

 そしらぬ顔をしてルークが通り過ぎるのを待つ。

 喋りかけるなと念じていたのに、丁寧な物腰で喋りかけてきた。

 姫っていうのは私の事なんだろうか。

 なかなかに恥ずかしいヤツだ。

 早くあっちに行ってくれないかなと思っていたら、いきなり手を握られた。


「姫を待たせるなんて馬鹿な男だ。こんな美しい夕暮れ時に、美しく着飾った姫と過ごせる時間を無駄にするなんて。そんな男は置いて俺とこれから食事にでも行こうではないか」

 よくもまぁ、これだけペラペラといえるものだと、内心感心する。


 ルークは金髪に華美な見た目をした美青年で、自らの美しさに自信があるタイプだ。

 それでいて、所構わず口説きはじめる。

 ちなみにルークとの出会いは入学式。

 いきなり「運命の人に出会えた!」などと言われて手を握られた。

 どうやら私を女だと勘違いしたらしい。


 いや間違ってはないのだけれど、その時の私はもちろん男の『ベネ』として入学式に参加していた。

 ルークはチサトによってすぐ引き剥がされ、誤解(?)も解けたのだけれど、未だになんだか苦手だったりする。

 

「すいません人を待っているので」

「なら従者に伝言を頼んでおく。さぁ姫」

 できるだけおしとやかに穏便に断ろうとしたのに、ルークときたら強引だ。

 面倒だな、腕ひねって足ひっかけてやりたいなと思いながら、ぐっと耐える。


「それくらいにしとけルーク。困ってるだろ」

「ヴィルト!」

 助かったと思い、名前を呼んだらヴィルトがぎょっとした顔になる。

 そこでそういえば、今はベアトリーチェの姿だったと思い出した。

 とりあえずルークから離れてヴィルトの元へ行こうとしたら、自分の足につまづいてこけそうになる。


「っと! 大丈夫か?」

「あ、ありがとうございます……」

 ヴィルトに支えてもらって、その後ろに隠れる。

 ルークはまだ食い下がろうとしていたけれど、従者に促されて行ってしまったので、ほっと胸を撫で下ろした。


「助けてくれてありがとうございます。ワタクシは、ベアトリーチェ・ファン・ルカナン。クライス兄様と、ベネの妹ですわ」

 にっこりと微笑んでちょっと小首を傾げつつ、しとやかな調子で自己紹介する。

 自分で口にしといてなんだけど、ワタクシと言う自分にとても違和感があった。


「あぁそう言えば遠くで療養してる病弱な妹がいて、もうすぐこっちに帰ってくるって言ってたな。それで俺の名前知ってたのか」

 事前に情報を吹き込んであったので、ヴィルトは『ベアトリーチェ』に親しげに話しかけてくる。

 親友である私の妹というだけで、ガードが緩くなっている様子だった。


「しかし、ベネに顔がかなり似てるな」

「えぇ双子ですから。よく似てるって言われますのよ」

 まじまじと顔を見て、ヴィルトが感心した声を出す。

 そりゃ本人だからそっくりに決まっているんだけど。


「もしかしてクライスを迎えにきたのか。あいつ方向音痴だからな……」

 ヴィルトはベネではなく、チサトの方を迎えに来たと思ったようだった。

 ルカナンの家から騎士学校までは結構近い。

 三年通った上一本道なので、さすがのチサトでも時々しか迷わないのだけれど、都合がいいので乗っかっておくことにする。


「そうなんですか? 困りました……ワタクシここまで来たのはいいものの、まだ帰り道を覚えてなくて。できれば送ってもらえませんか?」

「まぁクライスの妹っていうなら心配だしな」

 その心配っていうのは、方向音痴の心配をしてくれてるんだろうか。ちょっと釈然としない気分になる私を、ヴィルトはちゃんと家まで送り届けてくれた。



●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


 ベアトリーチェとしてのヴィルトとの初接触は、なかなかいい感じで終わった。

 『ベネ』と『クライス』という共通の話題があるから、話は尽きない。

 ただうっかりベネしか知らないような情報を口にしないように、それでいておしとやかにと気を張らないといけないので、それが少し大変だった。


 ヴィルトが図書館へ行く日は、ベアトリーチェとしてスタンバイして、校門で待つ。

「あれベアトリーチェ。今日もお迎えか?」

「はいクライス兄様は、まだ校内にいましたか?」

 出てきたヴィルトに駆け寄って尋ねるのが、すでにパターンとなっていた。


 ベアトリーチェに着替えるとき、今日はチサトも家にいた。

 なので、校内にいないことは知っていたのだけれど、口実というやつだ。

 チサトの方向音痴のお陰で、私が迎えに来ても不自然ではないとヴィルトが思っている事がありがたい。

 「クライス兄様」が先に帰っているなら、仕方ないので一緒に帰りましょう。

 そう誘うのが、毎度のパターンだ。


 騎士学校は定期的に、剣の練習風景や剣舞等を一般公開している。

 この公開練習を見て、騎士団が卒業前に生徒をスカウトしたりすることもあるのだ。

 それと同時にこの公開練習、女の子たちが見に来る事も多く、人によっては固定ファンもついていた。


 最年少で入学したヴィルトには、早々に固定ファンがついて。

 女の子たちからかなりのアプローチがあった。

 けどかなりそっけなくて、差し入れすらうけとらない。


 そんなヴィルトだったけれど、『ベアトリーチェ』にはかなり親切だった。

 これは友達の『ベネ』の妹というのが、かなり大きい。

 ヴィルトは誰にでも優しいわけじゃないけれど、友人や知り合いにはかなり甘い。

 遠慮なく、そこに付け込ませてもらおうとした時、ヴィルトの後ろから誰かがやってきた。


「あぁ迎えにきてくれたんだね、ベアトリーチェ」

 現れたのはチサトだった。

 家着だったはずなのに、なぜか制服にまた着替えている。

 何でここにいるのと聞きたかったけど、今ベアトリーチェが迎えに来たという設定なのでぐっと堪えた。


「よかったなクライスがいて。じゃあな」

 ヴィルトは軽く手を振って去っていく。

 こんなはずじゃなかったのにとチサトを睨めば、どうしたのというように首を傾げられてしまった。


「ちょっと兄様。何で邪魔するの」

「あれ? 僕を迎えに来たって言ってなかったっけ」

 チサトはとぼけた顔をしているが、絶対に私の意図はわかっているはずだ。

「……なんでまた学校に来てるの? さっきまで家にいたのに」

「本が読みたくなったから図書館へ行ってたんだ。さぁ暗くなるし帰ろうか」

 咎めるような私の声に気づかないふりをして。

 チサトは私の手を引いていく。


「だから兄様! そっち家じゃないってば!」

「あれそうだっけ? 暗くなると道って難しくなるよね」

 相変わらずのチサトに呆れながらも、まぁいいかと一緒に家に帰った。



●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


 騎士学校に入って一年が過ぎて。

「今日もクライスのお迎えか。本当仲がいいな、お前ら兄妹」

「いえ、今日はヴィルト様と一緒に」

 図書館から出てきたヴィルトと、今日こそは一緒に帰ろうと思ったのに。

「迎えにきてくれてありがとうベアトリーチェ。行こうか」

 遮るようにすぐ後ろから出てきたチサトが私の手を引いていく。


 じゃあなと軽く去っていくヴィルトに、今日もまた邪魔されてしまったと思いながら、しかたなくチサトの側を歩いた。

「兄様。いい加減に、ヴィルトと帰る邪魔をしないでよ」

「邪魔してるつもりはないよ。僕がベアトリーチェと帰りたい気分だっただけ。それともベアトリーチェは、僕と一緒は嫌なの?」


 抗議すれば、チサトはさらりとそう言って、ちょっと寂しそうで潤んだ眼差しを私に向けてくる。

 まるで捨てられた子犬みたいな、そんな雰囲気の目を向けられると、嫌だなんて言えるわけもない。

 チサトとこうやって歩くこと自体は嬉しいから、私も何もいえないし、チサトもそれをわかってやっている。


「別に……嫌じゃないよ」

「そう、よかった」

 はぐれないようにとチサトは手を握ってくる。

 チサトが方向音痴だから、ついてしまった手を繋いで歩く癖。

 当たり前のようにそうしているけれど、私はもう十六だし、兄妹で手を繋いで歩くのは変だ。


 ヴィルトと帰りに接触してベアトリーチェとしての親交を深めていく作戦は、毎度チサトに妨害されてうまく行ってなかった。

 お互いの恋の応援をしようという話になっていたのに、チサトは私がヴィルトに惹かれているのが気に食わないらしかった。

 義妹のミサキもヴィルトに惹かれていて、もう一人の妹である私までヴィルトにと考えると面白くないんだろう。


 それはわかっているのだけど。

 このチサトの行動は、私とヴィルトがくっつくことで、チサトにミサキをという計画の妨げになる。

 でもやっぱり私はチサトが好きだから、こうやって妨害してくれることが……まるで私に対して嫉妬してくれてるようで嬉しい。

 

 ……こんなんじゃ、駄目なのに。

 今ではヴィルトが、チサトであるクライスの事を「シスコン」だと思っている節があった。というか、周りからもそう思われてしまっている。

 図書館の日ばかりを狙うから、チサトにパターンを読まれて妨害されてるんだと気づいて、他の日にもベアトリーチェの姿でヴィルトを待っていたこともあった。

 その時にクラスメイトたちの前で、チサトが今と同じような事をしたため、完璧に「クライス」はシスコンキャラだと皆の中で定着してしまっていたのだ。


「ベアトリーチェは、大分その格好が板についてきたね」

「本当? 歩き方の特訓とか、指の運びとかかなり大変だったんだよ。最近ではヘレンが得意な裁縫も習ってて、兄様のための被り物作ってるんだ!」

 褒められて嬉しくなる。

 最近では見た目の基礎から、内面的なものに授業内容が移っていた。

 お花とか、芸術作品の鑑賞とか。

 自分では上手くできてるつもりなのだけれど、いつもヘレンには独特のセンスねと苦笑いされてしまう。



 現在、私は騎士学校の二年生。

 ヴィルトもチサトも一緒に進級して同じクラスになった。

 男子に紛れての生活ということで、チサトは気をもんでいたようだったけれど、そもそも街では男の子としか遊んでなかった私。

 全く何の違和感もなく溶け込んでいた。


 着替えの時間は個室を使う。

 生徒は色んなところから集まってきているため、肌を見せてはいけないという風習がある民族もいたから、自由に使える個室が存在していた。

 ただし、ルカナン姓であることが知られている私はその限りじゃない。

 めったなことがない限り、怪しまれてしまうかもしれないから、本来個室は使わないほうがいい。

 けど、チサトも使っていたので、毎回一緒の個室に入って着替えをしていた。

 

 チサトが着替えをする時に個室を使うのは、魔物に襲われて行方不明になったと「クライス」が思われているからだ。

 肌に魔物の爪跡も噛み跡もなく。

 綺麗なことがわかれば、怪しまれてしまう。

 それもあって着替えるときは個室だった。

 

 二人くらいは余裕で入れる大きさの個室なので、着替えるときは背を向けて着替えあう。

 別に一緒の個室に入る必要はないんじゃないかと、私は思うのだけど。

 個室には鍵が付いてないので、チサトは私を一人で着替えさせることが心配のようだった。

 チサトは細く見えて意外と筋肉がついている。ちらりと窺い見ると、鍛練で引き締まった上半身が目に入るから、心臓に悪かった。


 着替えだけは未だに慣れなかったけれど、男子ばかりに混じってのこの生活はとても楽だ。

 気負わなくてもいいし、遠慮がいらない。

 時折下ネタなんかを言ってくるあのノリはちょっとどうかと思うけど、まぁそれはそれで、チサトが私に聞かせないようあたふたとするのが見ていて面白かったりする。


 一方で気づいたのが、私は女の子がちょっと苦手だということ。

 騎士学校では、学年ごとに月に一度公開練習があるのだけど。

 ルカナン領の騎士学校の生徒と言えば、将来は出世が約束されたようなものという所があるからか、女の子たちがよく見に来る。

 あわよくばお近づきになりたいというような、ギラギラした高いテンションがなんだか苦手だった。


 うちの学年では、ヴィルトとチサト、それと私とルークが女の子たちの注目を集めてしまっていた。

 公開練習では模擬戦部門と、剣舞部門に分かれて練習風景を見せる。

 模擬戦部門の締めは、いつだってチサトとヴィルトの二人だ。他にも実力者はいるのだけれど、注目度的にこうなっているんだろう。

 刀なら圧倒的にチサトが有利なのだけれど、チサトはヴィルトに合わせて剣を使う。

 何かと競い合っている二人の戦いは、かなり迫力があって、それでいて華があった。


 一方で私はルークと剣舞部門に振り分けられていた。

 剣の授業にも色々あるけれど、儀礼用の剣舞というものがあり、私とルークはその科目のトップのペアなのだ。

 神聖な儀式の際や、式典で舞われる剣舞。

 柄までも銀色で打ち鳴らすと綺麗な音の鳴る剣には、鈴やリボンが付いていて、音を刻み戦いながら舞う。

 元々ルカナン家に伝わる刀の流派が、舞いを元にしているためか、私はこの科目が得意でいつも代表に選ばれていた。


「生誕祭まで後二週間だけど、演舞は大丈夫そう?」

「うん一応一通り型は覚えたから、あとはルークと合わせるだけ。明日から毎日ルークと練習だって」

 チサトがいうように、もうすぐ生誕祭があった。

 この国の誕生を祝うお祭り。その祝いの剣舞を舞う代表に、私とルークは選ばれてしまっていて、皆の前で舞うことになっていた。



●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


 演目は生誕祭だけあって、国のはじまりの物語を模したもの。

 悪い王様をうちのめす、男装のお姫様のお話を剣舞にしたものだ。

 この国は昔悪い王様によって支配されていて。身内も全部殺していった中、唯一生き残ったお姫様が、王様を討ち取って新しい国を作り上げたのだ。


 私より体格がいいルークが王様役で、私が男装のお姫様の役。

 男装の私が男装のお姫様の役なんて、ちょっと変な感じだ。

 生誕祭当日の今日は、王様もお姫様も金髪に金の目なので、魔術でその色に染められる。

「金髪にすると、ベアトリーチェそのものだな」

 控え室で緊張しながらルークと二人で待機していたら、まじまじと顔を覗き込まれて、そんなことを言われた。


「まぁ双子だからね。ルーク、金の瞳が似合ってるよ」

「この色が似合うと言われても、嬉しくはないな」

 話を誤魔化すように褒めれば、ルークは嫌な顔になった。

「悪王と同じなのは嫌なんだ?」

「金髪に金の瞳の王なんて、この国では災厄の象徴でしかない。だが、お前のような姫が側にいれば、悪王も賢王になれる気がする」

 尋ねた私にそう言って、うやうやしくルークは私の髪をとって口付けしてくる。


 入学時はルークの事を苦手としていた私だけれど。

 剣舞のお陰で必然的にペアとなることが多く、悪い奴じゃないということはわかっていた。

 自分なりの美意識があり、美しいモノが大好き。いいと思ったら道路にいる猫でも口説き始める口説き魔であることを除けば、わりと付き合いやすいヤツだ。

 かなりマイペースで変人だけれど、それなりに慣れてきた。

 ただ、やっぱり「男」という事になっている私を口説くのは、どうかと思うのだ。

 

「男も口説くその癖、どうにかした方がいいと思うよ?」

「男を口説く趣味はない。だが、女性を見る目はあるつもりだ。初めて見た時に俺が望んでやまない、強くて凛々しい姫君だと一目で気づいた」

 呆れた口調でそういえば、私を見つめてルークがそんな事をいう。

 うっとりとしたその口調は、確信を持っているというより、それを事実だという前提であたりまえのように口にしている。


「僕は男だよ」

 ……女だとばれてる!?

 内心焦る私に、「お前がそういうならそういう事にしておく」とあっさりルークは口にする。

「別に誰にも言うつもりはない。男の中に一人紛れて奮闘するお前の姿は、より輝いて見える。それに俺と美しく舞えるのはお前だけだ、ベアトリーチェ」

 しっかりとした口調でそう宣言したルークは、『ベネ』が『ベアトリーチェ』であるということも気づいているようで。


 時間ですと、係りの人がドアを叩く。

 ルークが返事をして、私の前で剣を縦に構える。

 剣舞を舞う前の、誓いのポーズ。

「さぁこれからは俺とお前、二人だけの世界だ。俺たちの美しさを見せ付けてこようではないか!」

 仰々しくそう言って、ルークは笑って。

 慌てて同じようにポーズを取れば、私の持つ儀式用の剣にルークは剣を軽く打ちつけ、気合をいれるかのようにしゃらんと鳴らした

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「育てた騎士に求婚されています」シリーズ第1弾。今作の主人公二人が脇役。こちらから読むのがオススメです。
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