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Fight for Survivor!  作者: 元海鷲
第1章 感知
8/22

帰還

ー4.10.PM1:30ー

ー秋雨市北東防壁小門ー

 大勢で押し寄せてくる奴らの襲撃をその都度なんとか無事に切り抜けることができ、俺たち正面班と保護対象の少女は門前にたどり着いた。

 壁上の他の班に105mm壁上砲の火力支援を要請し、壁内に入って左右翼の班の到着を待つことにした。


 保護対象の少女を屯所の小隊長に預け、壁上の監視所で装備の点検を行う。



ー4.10.PM2:10ー

壁内第1連隊防衛屯所-


 壁上の105mm砲の放つ105mm多目的弾により、壁外に集まってきていた奴らは着弾のたびに、ポップコーンがはじけるようにして爆裂していた。


 そんな苛烈な地面を耕す砲撃の中、半丸焦げ状態になって奥田軍曹の左翼班が戻ってきた。




「お前ら無事だったか!救援は必要なかったか?負傷はないか?」


見る限り服は焦げているが傷はなさそうだ。


「はい!全く問題ありませんでした!」


 そう答える奥田は何やらニヤついて輝いていたが、後ろの2人は目が死んでへとへとになっていた・・・。


「…いや問題ありだ!あの砲撃の中にそのまま突っ込むバカはいるか?!下手したらお前らの塵ひとつ残らず吹っ飛んでるところだったぞ!」




 俺は壁への撤退の途中、大声を上げながら敵中を突破していく奥田たちを目撃していた。目の前に立ちはだかる敵を銃剣で串刺し乱射して戦場を駆ける奥田の姿はまるで昔習った戦国武将の本多忠勝のようだった。馬にまたがっていたならもはやそれだ。



「すみません!」


 奥田は謝る。奥田軍曹たち3名は黒こげになりつつも奇跡的に装備が焦げているだけのようだ。



「・・・問題はありましたよ…。奥田軍曹がいきなり奴らに突撃を仕掛けたことっすよ」

「そうっす!何回奴らに噛まれるかと思いましたよ…!ただのライフルだけだったら今ここに立ってなかったっすよ!おまけにそこらで榴弾の飛び交う中に奥田軍曹が闇雲に突っ込んだんですよ?!」



 奥田軍曹が嬉しそうに報告するのとは反対に部下2人が激怒している。・・・敵中突破っておい。それでか全身まっくろくろすけなのは…。


「奥田軍曹……お前はあとで懲罰房行きだ」

「そ、そんな!?曹長、イジメですかっ?!無事に帰ってきたカワイイカワイイ部下に対して・・・!」



 奥田が逆にブーブー言ってくる。いや…でも…こうしておかないと…後ろの2人(福田&仁科)の視線がなんかヤバいし…。


「とにかく、1日だ、1日だけ我慢しろ!仲間の危険を冒して敵中突破やったり、極め付きは砲撃の中を無理やり突破した罰だ!」



(と、言いつつも、俺もあの女の子救助のために装備不充分で出動命令出しちゃったしな………まぁいいか)


「鬼~!勝山鬼曹長!仕方ないですね!懲罰房から出たらたくさん●●●やXXXXしに行きますからね!」


 おい。ヤメロ。人前でもうヤっちゃた関係のように思われるから大声で喚くな!


 奥田軍曹はその後、なんかプンすかプンすか怒りながら1人で行けますと言い、懲罰房のある方へ歩いて行った。残された俺に対する周りの視線が痛かった・・・。



 




 それから3時間待ったが、いっこうに田中伍長の右翼班が戻ってくる気配すらなかった。俺は上に田中班の捜索隊派遣を要請し、今回の作戦の損害は大きかったと反省した。



 それにしても、昔よくやった某ゾンビゲームに出てくるような生物兵器のようなアレは何だったのだろうか?

 もしかしてあの大男の残骸にあったコード名の『made in outside』って・・・。



 それはそれとしてとりあえず、深く考えるのはあとにして少女の元に赴いたのだった。

ー作戦目標ー

少女の保護

ー作戦結果ー

成功

ー損害ー

第7監視分隊隊員2名死亡、2名行方不明


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