自ら飛び込んでいくスタイル
-4.16.AM9:00-
-廃ビル1階エントランス-
-鎌田篤史曹長-
『ヒ、ヒデェ……』
咄嗟に近くにあったロッカーに身を隠していた鎌田は惨劇の一部始終を目撃していた。
様子を探りにきたアメリカ兵たちに群がるゴキブリの大群。その連携した動きからは明らかにただのゴキブリの動きでは無かった。アメリカ兵たちは必死になってその怪物たちにM4カービンの連射で抵抗しようとした。青白く輝くマズルフラッシュの発射炎と排出される薬莢が床に落ちて響く音にその場が支配される。次々と奴らに銃弾が吸い込まれ潰されたゴキブリの体液がそこら中に飛び散る。
しかし、奴らは万単位。1人1人と肉を削ぐような音を奏でながら次々と悲鳴を挙げるアメリカ兵を飲み込んでいった。
ゴキブリどもは食事を終え満腹になった仕草をするかのように動きが急に鈍くなった。床にははらわたを食いちぎられて無残な姿になったアメリカ兵の死体がゴロゴロと転がっている。
『…こっちには来るなよ…』
奴らの矛先がこっちに向かないように鎌田は祈る。しかし、彼の目の前にじりじりと奴らが迫ってきた。奴ら、ロッカーをこじ開けようとしている。彼は冷や汗を大いにかく。
『ここで死ぬのか…?』
そう思われたそのとき階段から1人のアメリカ兵が降りてきた。
「Hary?Kain?Where are you...What's ?!!!(ハリー?ケイン?いないのか?って何だ?!!!」
仲間を探しに来たアメリカ兵が手持ちのショットガンでゴキブリの大群に発砲した。ダメージを受けたゴキブリどもは怒り心頭になって階段上へ逃げるアメリカ兵を追いかけていった。
運良く鎌田は助かったようだ。
「…行ったか…ハァ死ぬかと思った…」
危機を脱した鎌田はあの組織化されたゴキブリは何だったのかと疑問に思う。
そんな彼はさっき襲われかけたにもかかわらず好奇心半分でアメリカ兵を追っていったゴキブリを追跡してみることにした。いくら酷い目にあっても彼の性分は変わらないようだ。




