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Fight for Survivor!  作者: 元海鷲
第2章 詮索無用
21/22

黒く艶やかな

-4.16.AM8:55-

廃ビル1階エントランス-

Corporal. John Rase(ジョン・レース伍長)-




 トラップの作動原因を探るためレイ中尉の指示を受けて上官のケイン一等軍曹と同僚のハリー伍長と俺の3名で一階に向かう。



 この施設は見たところ最近まで誰かに使用されていた形跡が見られ急ごしらえで作られたであろうバリケードや障害物が障害となっていて死角が出来ていて慎重に進む必要があった。階段もかつて生存者が建物に抵抗していた痕として銃痕が所々残っている。日当たりが悪かったせいかカビ臭いがして鼻につく。



『I want to go back to the early base...(早く基地に戻りたい・・・)』



実験体が「施設」を脱走しこの区画に逃げ込んだと報告が入りレイ中尉指揮下の部隊はこの建物で実験体を発見、殺害に成功し第一任務は達成され第二任務に移ると思われたが、実験体は俺たちの到着前何者かと交戦していたようであった。その交戦した奴らに実験体と俺たちの存在を他に漏らさせないためにもまずはそいつらを捜索、抹殺しなければならない。



 正直、俺としては先日婚約した愛しいカレンの元に何事もなく帰りたい。

俺は2人の生活のためにこうして兵隊をやってはいるが最近やっていることは良心が痛む。


基地に何も知らずに近づいた生存者2名を狙撃にて処理。


戦車1両を伴って進む部隊が市街に入ってきたため姿を隠し重火器で処理。


これならまだいい、だが。

反逆思想をもった潜在的反乱分子を家族ごと抹殺。


施設内で外との交流を図った夫婦と生まれたばかりの子供を尋問の上、処理。


 子供まで殺す必要があったのか未だに心に残る。

 上官連中は「施設」の「尊師さま」にご執心で平気で無抵抗の人間を笑って殺せる。おかしい。それに対して声を上げることはできない。反逆思想者として愛するカレン共々処理されるだろう。それだけは絶対に嫌だ。




 考えごとをしているうちに1階の爆発音のした所に到着した。1時間前にそこに念のため指向性爆弾を仕掛けていたがトラップに引っかかっていたのはどうやらただの感染者だったようだ。



「...It seems like, It's this trap.(おそらく、このトラップだ。)」


 ケイン一等軍曹がトラップを見てつぶやいた。


「But it has only just "VIMDer".(感染者の死体だけしかないな。)」


 ハリー伍長は敵対者がトラップにひっかかってないため残念そうに言った。


「Be careful. No get careless.(気をつけろ。他にいるかもしれん。)」




 ケイン一等軍曹が俺たちに注意を促したとき俺はふと近くにあった大型のロッカーが気になった。


『人の気配がするような・・・』


 俺は銃を構えそのロッカーに向かおうとした、が。






カサササササササッ!



 

 俺たち咄嗟には妙に聞き慣れた音の方に注目した。







 その音を出しているものは、2億年前から生息しており非常に深い歴史を持つ黒くて硬くててらてら光ってて暗くて狭くて湿ったところが好きな速い奴、「ゴキブリ(Roch)」だった。何も一匹だけなら良かった・・・が。





 俺たちの目の前に現れたそいつはゴキブリが万単位で固まったの集合体だった。すると、いきなり小さい奴らが集合体をなしてまるでダムが決壊したかのようにジュジュジュジュっと気持ち悪い音をたて俺たちに迫ってきた。




「What What on earth? !(何なんだ一体)」

「What the Fuckkkkkkkkkkk??!!(ふざけんな?!)」

ダダダダダダダっ



 俺たちは悲鳴をあげ即座にそいつらに向けてトリガーを引き銃弾をばらまいた。銃弾がそいつらに着弾するたび奴らの紫色の体液が飛び散り強烈な臭いを撒き散らした。しかし、いくらそいつらに銃撃を与えても怯えずずいずい迫ってきた。



キィキィキィキィ!


ゴキブリが喜びの声を上げる。



 奴から一番近かったハリーがゴキブリの濁流に飲み込まれた。悲鳴と助けを呼ぶハリーだったがゴキブリの集団に肉を食い散らかされすぐさま息だえた。



 ケイン1等軍曹と俺も抵抗も虚しくすぐに飲み込まれゴキブリに自分のカラダと内蔵食われていく感覚を味わいながら視界がゴキブリに覆われた黒く艶やかな映像を最後に俺の意識が途絶えた・・・。 

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