悪運強し
お久しぶりです!ぜひお読みください!
-4.16.AM8:30-
廃ビル1階エントランス-
鎌田篤史曹長-
「・・・危なかった・・・」
5分ほど前、俺は遠回りをしてやっと当初の目的の廃ビルにたどり着いた。
正面玄関は閉まっているみたいでおまけに「奴ら」が数十体以上群がっていて正面から入れそうになく調査を断念しようとはしたが直感的に中で何かが起こっていると感じ取った。
俺はビルを一周し内部に入れる入口を探し小型の運搬口を見つけ、そこから侵入することに成功した。
四つん這いで這い出た先の部屋には陳列棚が一定の空間を置いて並んでおり、大型の冷蔵庫が2つ設置されていた。
どうやら食糧庫らしき部屋に侵入したようだ。少々生ゴミのような腐った匂いがして俺の嗅覚を刺激する。
索敵をしてみたが異常なく一安心したと思いきや、
オオォォォ-オオオオオゥ!
俺の不注意でもともと中に潜んでいた奴らが襲いかかってきたのだ。
気配に気づき小銃のトリガーに指をかけたときには4m近くまで迫られており俺は『しまった』と思った。すでに奴は口をクパァと大きく開き、飛びかかって噛み付こうとしてきた。
・・・ピッ、バァン!
『何だ?!』
突然、目の前に迫っていた奴が体中穴だらけになって爆散した。
爆散した肉片がそこらじゅうに飛び散った。
爆風で少し吹き飛ばされ軽く視界がぐらついたが、怪我は・・・ボディーアーマーに鉄の破片が突き刺さっていて貫通はしているが皮膚にまで到達してなかった。そのほかは軽くスっただけ。とりあえず襲われずにすんだ。
そして、今に至る。
爆散して飛び散った肉片の一部がが俺の装備に引っかかって取れなくなり気持ち悪いが何とか助かったことを感謝しよう・・・。昔から運は強かった。
だが、一息つく暇はないように感じた。
奴を殺ったのはおそらく指向性爆弾だろう。
指向性爆弾の代表的な兵器として米軍の使用している「クレイモア地雷」が挙げられる。湾曲した箱状で起爆すると爆発により、内部の鉄球が扇状の範囲に発射されるという恐ろしい兵器である。
しかしながら、クレイモアであればショットガンのように鉄球が飛び散り、確実に奴だけでなく俺にも鉄球が飛んできて死んでいたはずだが、奴だけが爆散したところを見ると個別に目標を殺傷するタイプと推測する。
・・・トラップが仕掛けてあるってことは・・・
タッタッタッタッタッ
『!』
微かではあるが確かな迫ってくる複数の足音を聞き取った俺は咄嗟に近くの大きいロッカーに身を潜めた。
タッタッタッタッタッタン
「...It seems like, It's this trap.(おそらく、このトラップだ。)」
「But it has only just "VIMDer".(感染者の死体だけしかないな。)」
「Be careful. No get careless.(気をつけろ。他にいるかもしれん。)」
『・・・・・・?』
隠れて正解だった。ロッカーの隙間から様子を覗ってみると全身黒の重武装の兵士が3人、英語で会話していた。装備を見るからに防衛隊や討伐隊のものではない。話しているのは英語・・・。武器は・・・M4。ああ・・・。
『・・・あーなんでこうも俺は厄介事ばかりに顔突っ込んじまうのか運がなさすぎる・・・。』
おそらく元米軍だ。装備が統一されて行動が整っている。異変後は米軍は敵対関係、敵だ。在日米軍が本国に撤退する際、向後の憂いとして米海軍は十数隻の護衛艦にありったけの対艦ミサイルと魚雷を撃ち込んで戦力を削ろうとした。そのせいで7隻が撃沈、2隻が被弾で1400名の自衛官が戦死したと聞いている。
4対1で俺の残り弾倉は心もとない。逃げようにも逃げられるか?不意打ちで襲ってもこのままかち合っても勝ち目が確証できない・・・。どうするか・・・?
すると、連中の近くから妙に聞き慣れた音が聞こえたような気がした。
カサササササササッ!
紆余曲折ありまして、この度、自衛隊の航空学生を目指すことになりました!
小説をお読みいただきありがとうございます。