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14-3 代駆さん家のクロエちゃん

代駆さん家の家庭事情シリーズは次回で一応の区切りです。

続きを書くかどうかは決めてません。



新作「モン娘ハーレムライフ」もよろしくお願いします。


 自分の気持ちが大きければ大きいほど、相手の価値は重くなる。

 そうして重くなった相手と釣り合うように自分を変えればいい。

 彼我の価値が釣り合っている方が、取引は成立しやすくなる。


 つまり、恋愛はバランスだ。


 シンプルだけど清楚な服装は女からみればダサいけど、男にはこちらの方が好まれる。

 短気は損気、包容力と母性を感じさせるおっとりした動作と喋り方も身につけた。

 彼の好みは把握して、栄養バランスが良くて彼が好む料理のレパートリーは数え切れない。

 体型の維持もやっているし、家計のやりくりだって練習している。


 私はここまでやってもまだ足りない。

 まだ自分の価値が足りないのだ。

 スタートラインにすら立てていない。


 私の好きな彼は、アオイ姉が好きだから。

 今から彼を振り向かせるのは相当私がいい女にならないと難しい。

 私は諦めない。

 シロナちゃんは今のアオイちゃんに勝っても嬉しくないとかで諦めていた。

 アカネちゃんは自分を偽って苦しんでる。

 二人は莫迦だ。


 勝ち取ればそれでいい。

 恋は戦争。

 そう思えば、楽なのに。




「来たよ」


 玄関が開いて彼が入ってくる。

 ケンタウロスに合わせた玄関は広く、彼が細く見えた。


「いらっしゃい」


 私は高鳴る胸を手のひらで押さえながらそう言った。


 いつ好きだと気がついたのか分からない。

 けれど、以来ずっと心地よい胸の高鳴りを私は味わっている。


「アオイは、いる?」


 引き籠もりに遠慮は要らないと私は思うのに、彼はわざわざ私に聞いた。羨ましい。


「アオイおねえちゃんはお部屋にいるよー」


 私は節度のある女。

 おねえちゃんには悪いけど、こうやって釣り合うように頑張るのだ。


「ありがとう。

 お邪魔するね」


 彼は靴を脱いで上がると、後を向いて靴を揃える。

 自然にやることに改めて素敵だなと思うと同時に、こういう行動を普通にしているのを見ると、私達は本当に不便だなと思う。

 後を振り向くのがまず大変だし、屈みにくい。

 服も高いし。


「いまおねえちゃん、機嫌悪いからー。

 少しお茶飲んでく?」


 まだ釣り合ってはいない。

 とは言え今の内からアピールしていくのは充分効果的だと思う。

 私に惚れさせれば言うことはないけれど、やはり私から好きだと言わないと。

 それまでにおねえちゃんには悪いけど駄目なところを見て貰って私の方がいい女だと思って貰わないといけない。


「うーん……」


 彼は少しだけ口元に手を当てて考えた。


「いや、止めておくよ。

 アオイの傍に居たいから」


 彼は私に優しく微笑んだ。

 心臓がきゅんきゅんする。

 でもその笑顔が一番向けられるのはあの女だ。

 羨ましい。

 もっといい女になって、釣り合わなきゃ。

 速く、釣り合うようにならなきゃ。


 彼はぼう、と立ち尽くす私の脇を通り抜けて、アオイおねえちゃんの部屋の前に立った。

 ノックをして少し待つ。


 私が振り返った辺りで彼はアオイおねえちゃんの部屋に入る。

 返事はなかった。

 返事ぐらいすれば良いのに。

 あなたが好きで好きで堪らない、私の好きな彼に。


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