14-2 代駆さん家のアカネちゃん
何時の頃からだったか。
あの人の顔をマトモに見れなくなったのは。
それが恋と気付くのにずいぶんかかって、手遅れになっていた。
逃げるように大会にも出れない部活に打ち込んでも忘れられない。
告白されたから、あの人を忘れるために付き合ってみても、三日で自分が嫌になって別れた。
この恋は私を焦がし続けている。
私の身を燃やす炎は恋だけではない。
嫉妬だ。
嫉妬は怖い。
大好きだったアオ姉さんを、今ではきっと憎んでいる。
よく分からない。
アオ姉さんを見ると、やり場のない怒りがふつふつと沸いてきて胸が痛いのだ。
二つの炎は、いつかきっと私を灰にするだろう。
そうならないために、私は炎を振り払うために何かに熱中するのだ。
炎以上の熱で、私自身を満たせば、きっと私は戦い続けられる。
嫉妬と、恋に耐える戦いを、続けられる。
だから。
「僕に優しくしないで」
私は彼に背を向けて言う。
私が自分のことを僕と言うのは、彼に似合うのがとても女性らしく美しかった姉だと思ったからだ。
自分を彼が思う女からかけ離れた所に置けば、その内あきらめられると思った。
けど、私は未だ、あきらめられていない。
彼の答えはもう分かってる。
「そう……」
落ち込んだ声が後から聞こえた。
廊下を歩いて行く声が聞こえてから私は後に振り返る。
玄関脇の台にはタオルが二枚とスポーツドリンクのボトルが一本置いてあった。
タオルは片方が濡れていて、蹄を拭くためのもの。
もう片方は汗を拭くようにと置いていったものだ。
どちらも彼が置いた。
玄関には水道とタオル置き場があって、いつでも塗れタオルを作って蹄を洗えるようにしてあるのに、彼は私のために用意してくれた。
私のために。
私だけのために!
そのことに胸が高鳴る。
高鳴ってしまう。
炎が強くなってしまう。血が熱くなって、ますます好きになる。
私は台に置かれた塗れタオルを引っ掴んで顔に押し当てた。顔を冷やせ私。
熱を冷ませ。耐えられない熱になる前に、冷やして平常に生きるんだ。
恋など知らなければよかったのに。
こんなにも辛いなら、いっそ。
慌ててタオルから顔を上げる。
私は何を考えた?
いけない。
抑えなくては。
炎に負けてはいけない。
赤い子ですお。次は黒い子。今日の夜には投稿しようかな。
あ、新作「モン娘ハーレムライフ」もよろしくお願いします




