秘密
「ここに来てもらったのはお願いがあるからなの。あ、リラックスして。」
(あの、こんな女子だらけのところに居てリラックスはできません。)
生徒会副会長、葵が言った。
「モンスター討伐してほしいの。」
「はあ。詳しく説明してくれませんか?」
ボケじゃないことがわかるだけに反応に困る。とりあえず詳細を聞いた。
「詳しくも何も、そのまんまよ。」
魅麗が言う。
「学校に忍び寄る分だけでいいのよ。」
朱音が言った。
(朱音さん、ナイス。そーいうのが聞きたかったんだよ。)
「そうですか。」
「あと、生徒会に入りなさい!」
遥希がハル○オーラを出しつつ言った。
「このタイミングですか!?」
あまりの突拍子のないタイミングにツッコまざるを得なかった。
「遥希ちゃん…。少し考えよう…。」
魅麗が言った。
「だって、そこから話さないと通じないでしょ!」
遥希と魅麗の喧嘩が始まった。この人たちの喧嘩がそうなのか魔弾が飛び交って銃撃戦さながらだった。
「ちょっと二人ともそれは…。」
彼が止めに入ろうとすると、葵が言った。
「いつものことだから気にしないで。さて、場所かえましょ。」
「いつもって…。」
彼が戸惑っていると、
「会計のことでいつもああなるの。危ないから行きましょ。」
と、朱音が言った。
「危ないってどんな…。」
「ん?死ぬかもよ?」
葵が何気なく言った。
「笑顔で言うな!…あ。」
彼の声が廊下に響く。
自習室に来た三人は自習室の紅茶を飲みながら話した。紅茶のおかげか、彼の緊張も少し解けた。
「それでまず、遥希ちゃんが言ってたことだけど、」
葵は話を始めた。
「生徒会の特別な人は授業をほとんど受けなくていいの。」
(は?ああ、そういうことか。周りを警戒しなくちゃいけないからか?)
自分なりに理由を解釈した。
「ちなみに、評定は+1ね。だから、留年はしないの。」
「あなたは普通にオール5なんじゃないですか?」
彼は付け加えた朱音に言った。
「うん。そうだけど…、」
と言って朱音が右手の指で手招きする。彼はためらいながら顔を近づけた。
「遥希ちゃんは普通ならオール1よ。これのおかげで今3年なの。」
「そうなんですか…。」
(授業を受けなくていいとか言ってたけど、むしろ行けないし評定+1とはいってもなあ…。)
彼は迷っていた。そこに喧嘩していた二人がぼろぼろになって自習室に帰ってきた。その様子は何処か慌てている風もあった。
「大変。また来た。」
魅麗が言った。
「ちょうどいいわ。淳司、倒してきなさい。」
葵が言った。
「えー…。」
「あのね、淳司君。副会長は絶対よ♪」
(朱音さん、嬉しそうですね…。しかもさりげなく副のところ強調してるし…。)
彼はしぶしぶモンスターの前に立ちはだかった。
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