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トラブル

この小説は「クレッシェンテ放浪記」のIF続編です。本来の続編とは全く関係ありませんのでご了承ください。

 

 何故だ。

 そう思わずにはいられない。


 


 私はようやくあの「犯罪王国」から戻ってきたのだ。

 なのに……。


「なんでお前達がここに……」

「来ちゃったものは仕方ない」

 アラストルは酷く冷静な様子で言う。迷惑だ。

「まったく、いい歳して何を派手に失敗しるんですか」

「仕方ないじゃない。失敗は成功のもとよ。失敗があってこそ新しい魔術が生まれるの。そう教えなかったかしら? それより、女性に年齢の話をしてはいけないとしつこく教えたはずだけど? 坊や」

 

 そう、元凶はこの女。時の魔女の仕業だ。

 元の世界に戻すための魔術だとか言って砂時計に魔力を込めて見事に失敗したらしい。

 

 確かにもとの世界には、私の家には戻れた。だけど、余計なおまけがぞろぞろと付いてきてしまったのだ。

 総勢11人。ふざけるなの世界だ。


「お前ら……ごく普通の、中流家庭の北海道住宅でどうやって過ごすつもりだ?」

 一軒家で寒さに強く、母と二人暮らしとは言え、11人も寝泊りする場所など無い。

 すぐに戻る方法をと魔女に言ったが、満月を三回待たなくては無理だと言うふざけた回答が返ってきた。


「スペード、何とかしてよ。この魔女役立たずだ」

「無理です。こちらでは魔術が一切使えません」

 そういうことらしい。元々魔力を込めていたものはそれなりに力を発揮できるらしいが魔術師とかそういった連中の魔力自体は全く使えないらしい。

「役立たず!」

 困った……どうしよう。

「ミカエラ、何か良い案はない?」

「何故私に言う?」

「一番輝いているから」

 素敵です。お姉さまと言うと彼女はいかにも不機嫌そうな顔をした。

「ふざけている場合か! だが、しばらくはここに世話になるしか無さそうだな……」

 そう、私が、私一人がクレッシェンテに行くのはさほど問題ではなかったのだ。

 だが、こやつらは集団でここに来た。行く当ても金もない。

「セシリオ……ウラーノ……あんたたち、こっちじゃただの役立たずだから」

「酷い言いようだね」

「でも、ウラーノは確かにそうですね。元々戦闘能力が無いに等しい上に経済力もなくなってしまうなんて」

 セシリオは笑う。

「でも、この美貌がある」

「さすがナルチーゾだ」

「ああ、ナルチーゾだ」

 呆れたようなアラストルと瑠璃の声。


「仕方ない……。クレッシェンテじゃ世話になったから、とりあえず母さんを説得してみる。けど」

「けど?」

「この家じゃ私に従ってもらう。ルールを破ったら追い出す」

 気迫を込めて言うととりあえずはみんな納得してくれたようだった。

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