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カルナディアの勇者ガヤオのお見合いは続いていた。
「2人目のビージョさんッス」
「わ! す、すごい美人じゃん!」
ガヤオの顔が赤くなった。
セクシーなドレスにパーフェクトなプロポーションを包んだ金髪美女が、こちらに微笑みかける。
それは100万ドルの笑顔だった。
「勇者様。ビージョです、よろしく」
「あっ、あ! ガガガ、ガヤオです!」
「ガヤオさん、鼻の下、伸び過ぎッスよ!」
ガヤオが慌てて、顔をキリッとする。
「勇者様、少し歩きませんか?」
「え!? は、はい!」
「ガヤオさん! 手と足が同時に出てるッス!」
「ネココ! ついてきてくれ!」
「ダメッス! ここはガヤオさん1人で頑張るッスよ!」
「そそ、そんな!」
ガチガチに緊張しつつ、ガヤオは月明かりに照らされた庭園を、ビージョと共に歩いた。
「勇者様のお仕事、大変ですか?」
美女が訊いてくる。
「え!? は、はい! 魔物を倒したり、皆を守ったり…あと、別の世界にも」
「まあ! 別の世界まで!」
ビージョが感心する。
「素敵です! 別の世界には素晴らしいものが、たくさんあるのでしょ?」
「え!? えーっと、まあ、あったり無かったり」
「ぜひ、見たいです! 綺麗なものや、希少なもの!」
興奮で、ビージョの鼻の穴が広がる。
「私、ガヤオさんのお嫁さんになりたいです! 一生懸命、尽くしますわ!」
「ホ、ホントに!? ビージョさんが、俺の嫁に!」
ガヤオは絶世の美女と暮らす、バラ色の未来を想像した。
と、その時。
「こ、このタイミング!?」
ミョーン感覚が襲ってきた。
「ビージョさん、済みません! 俺、別の世界の助っ人に行かないと!」
「まあ! 今すぐですか?」
「はい!」
ガヤオの身体は、もう半透明になっている。
「それでは、お待ちしていますわ! 何か高価なお土産をお願いします!」
「ええ!? お土産!?」
戸惑ったところで、別の世界に転移していた。
狭いコックピットの中だ。
コンソールに、ぐったりと上体を倒した20代前半の大柄な男が居る。
ひどい衝撃を受けたのか、バイザー部分の割れた奇妙なヘルメットを被り、額から血を流していた。
「ううむ…」
男が唸った。
「おい! 大丈夫か!?」
後ろから、ガヤオは声をかける。
コックピットのスピーカーからも「応答しろ、大地!」「どうした!? 大地!」と2人の男の声がした。
「おう! 大丈夫だ! 何のこれしき!」
大地が上体を起こす。
下半身はシートに座っていた。
「ん?」
大地が、後ろのガヤオに気付く。
「誰じゃい!?」
「俺はガヤオ。カルナディアの勇者だ」
ガヤオは答えた。
「俺がここに来たってことは、助っ人が必要なはずなんだ!」
「助っ人? おう、なるほどのぅ!」
大地がニヤッと笑う。
「さっき食らった敵の攻撃で、右手に力が入らん! そこのレバーに、オレの手をこのロープで括り付けてくれ! あとヘルメットを被れ!」
「よ、よし!」
ガヤオは大地から受け取ったロープで、彼の右手をレバーに縛り付けた。
次に渡された、大地と同じヘルメットを被る。
「よっしゃー! これで戦えるぜ! 空也、海郎、合体するぞー!」
「「おー!」」
2人の返事がシンクロした。
「モード・スリー! ガッターアース、合体じゃー!」




