称号
木の宝箱を開けてみると、中には光沢を帯びた
アイアンソードが入っていた。
今のショートソードは刃こぼれがひどく、そろそろ限界だったところだ
「ちょうど良すぎない?いや、助かるけど」
苦笑しながら剣を取り出し、重量を確かめる。手にしっくり馴染む感触に、小さく頷いた
ドロップ品の確認し終え、和真はその場で自分のステータスを開いた。
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名前 : 東堂 和真
年齢 :18 性別:男
Lv: 5 → 6
称号: 《逆境超えし者》
HP:190 → 220
MP:50 → 80
攻撃力: 20 → 25
防御力: 18 → 23
魔力: 6 → 8
俊敏: 16 → 21
知力: 8 → 11
スキル: 【剣術Lv2】 New【身体強化Lv2】
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格上だったボブゴブリン相手に、死に物狂いで勝った。その影響か、全体的にステータスが大きく跳ね上がっている。そして何より――
「身体強化のスキルレベルが上がってる!!」
思わず声が大きくなる。
スキル欄をタップすると、詳細が表示される
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【身体強化Lv2】
攻撃力&俊敏を3分間1.2倍アップする。
MPを15消費する
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消費MPは増えたが、そのぶん効果も大きい。
それにレベルアップでMPも増えているため、使い勝手はむしろ上がっている。
ステータス画面を眺めていた和真は、ある項目に気づいた。
「なんだ…この称号」
不思議に思い、称号をタップする。
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《逆境超えし者》
効果:
・格上との戦闘時、与ダメ+3%
・格上との戦闘後レベルアップ時、成長補正(小)
入手条件:
・格上を1人で倒す事で入手出来る。
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「…いや、これ普通に強くない?」
効果が"格上限定"とはいえ、与ダメアップに加えて成長補正まで付いてくる称号など見たことがない。破格といえるだろう。
和真は苦笑を漏らす。
「まぁ…そう何度も、さっきみたいな事は勘弁してほしいけどね」
ステータス確認も終わり、ショートソードをアイアンソードに持ち替える。
レベルアップでステータスが伸びたおかげか、
道中は特に苦戦することもなく、セーフエリアに到着した。
和真は、キューブに登録を済ませると、4階層へと向かった。
「確か4階層から新しく銅蟻と
血兎が出るんだよな」
銅蟻は、金属光沢の様な体をしている蟻だ。
硬いらしく初心者はここで苦戦する人が多いらしい。
血兎は、赤い目と赤黒い毛で角兎と比べて速く角兎は真っ直ぐ突っ込んで来るしか出来なかったが、曲がりながら突撃してくるらしい。
和真が4階層へ足を踏み入れて少し進んだ時だった。
「ん...?」
ザリ...ザリ...重く、甲殻を引きずるような音が響く。音の方に視線を向けると――
「デカッ..!!」
そこにいたのは身長50cmほど、子どもの腰くらいまである巨大な蟻。
体表は金属光沢を帯び、まるで全身が銅の鎧で覆われているようだ。
銅蟻
"初心者殺し"とも呼ばれる、硬さ特化のモンスター
蟻はカチカチと顎を鳴らしながら、ゆっくりと和真へ向き直る。その顎は普通の蟻の比ではなく、まるで巨大ニッパーのようだった。
そんな事を考えていると銅蟻が一気に突進してくる。
和真は迎え撃つようにアイアンソードを振り下ろす――
ガンッ!!
金属同士がぶつかったような衝撃。
剣が押し返され、腕が痺れる。
「うわ、硬っ....!」
ブロンズアントはさらに、巨大な顎をカチカチ鳴らしながら距離を詰めてきた。
「くっ…なら、こっちも本気でいく!」
息を整え、【身体強化】を使う。
体が軽くなり、力が湧き上がる。
再び踏み込み、横薙ぎに斬りつける――今度は甲殻に深い傷が入った。
「通った!」
ブロンズアントが金属音のような悲鳴を上げ、後ずさる。その隙を逃さず、和真は一気に距離を詰め、硬い背中ではなく関節部分を狙って剣を叩き込む。
ガキィン!!
甲殻が砕け、ブロンズアントは横倒しに転がる。
そして煙となり消滅した。
「ふぅ…何とかなったな」
落ちたアイテムは、金属片のようなブロンズ片
和真はそれを拾いながら、確かな手応えを胸に奥へ進んでいった。




