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ダンジョンで地道に努力する  作者: クスノキ


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6/15

イレギュラー

今日も和真は初心者ダンジョンへやって来た。

まだ朝日が昇ったばかりの時間帯だ。

昨日よりももっと奥に進むために早くに来ていた。


(そろそろ新しい装備が欲しいよな……)


探索者になったからには、かっこいい武器や防具を揃えたい。今はまだなりたてで仕方ない、地道にやっていくしかない。


ダンジョン入口のキューブに手を触れると、身体が光に包まれ、次の瞬間には2階層へと転移していた。


「よし、今日も頑張るか」


軽く気合を入れて歩き出す。

進んでいくと、さっそくゴブリンが2体が姿を現した。和真は、ショートソードを構える。


「はっ!」


身体強化を使い、ゴブリンの振り下ろす棍棒を軽く受け流し、切り返す。2体のゴブリンはあっという間に霧と化した。


落ちた極小魔石を拾いつつ先に進んでいると、通路の先が急に開け、大きな部屋のような空間に出た。


その中央に――木製の宝箱がぼつんと置かれている。


「宝箱だ!! 」


思わず声が出た。初心者ダンジョンでは低階層にトラップがないと攻略サイトに書いてあったので、和真は安心して宝箱に近づく。


蓋を開くと、中には鉄のダガーが入っていた

ごく稀にスキルオーブが入っていることもあるらしいが、さすがにそんな幸運は訪れなかった。


(まあ、そんなに甘くないよな)


ダガーをしまって先へ進むとその先でワーウルフを発見。倒した瞬間――ピコン、とレベルアップ音が響いた。ステータスウィンドを開く


-----------------------------

名前 : 東堂 和真

年齢 :18 性別:男

Lv: 4 → 5

称号: なし

HP:165 → 190

MP:35 → 50

攻撃力: 15 → 20

防御力: 13 →18

魔力: 3 → 6

俊敏: 12 → 16

知力: 5 → 8


スキル: 【剣術Lv2】 【身体強化Lv1】


-----------------------------


「おお、思ったより伸びてる!」


ステータスが全体的に伸び、特にHPが大きく上昇している。攻略サイトによると、レベル5ごとに伸び率が上がる仕組みらしい。


ステータスを確認し終え、次の階層を目指して進むとセーブポイントと階段を発見。

キューブ登録を済ませ、3階層へ向かう。


3階層は出てくるモンスターは2階層と同じだが、2階層より強くなっていると攻略サイトで載っていた。


ワーウルフが2体、通路の先に現れた。

和真はショートソードを構えて迎え撃つ。


ガキンッ!


ワーウルフが鋭い爪が剣にぶつかり、腕に衝撃が伝わってきた。


(確かに強くなってるな)


とはいえ問題なく撃破できた。落ちていた毛皮と牙を拾っていると――

ドスッ、ドスッ、と重い足音が近づいてきた。

顔を上げた瞬間、和真は固まった。

そこにいたのは、この階層にいるはずのない怪物。翠色の皮膚。170cmほどの体格と明らかにゴブリンより大きい。分厚い筋肉。

――ボブゴブリン。


「なんで5階層に出るはずのボブゴブリンが

ここに居るんだよッ!!」


声が裏返る程動揺する。

これは、完全にイレギュラーだ。

下層のモンスターが上層に上がってくることは稀にある。過去、それで大量の死者が出た事件を思い出し、背中に冷汗が流れる。逃げるか?

――いや、背を向けたら追いつかれて終わりだ。


「…戦うしかないか」


覚悟を固め、ショートソードを構えた瞬間、


「グォォォォオ!!」


耳が痛くなるほどの雄叫びとともに、ボブゴブリンが突進してきた。


「うおっ!?くっ……!」


剣で拳を受け止めたが、衝撃に耐えきれず吹き飛ばされる。転がる床が痛い。肺から息が抜ける。


「ぐっ..!【身体強化】」


立ち上がるより早く、追撃の拳が迫る。

横転してギリギリ回避。

立て直して斬りつけるが――硬い肌に、ほとんど効いていない。拳を避け、斬って、また避ける。だが体力が削られ、息が荒くなっていく。


(やばい、このままじゃジリ貧だ……!)


そんな時、宝箱から手に入れた鉄のダガーを思い出す。 和真は、あることを思いつく。

覚悟を決め、身体強化をかけ直し、一気に踏み込む。


ドンッ!


振り下ろされた拳をギリギリで屈んでかわす。

そのまま地面を蹴り、敵の懐へ潜り込み――


「っらああああッ!!」


全力で鉄のダガーをボブゴブリンの足に突き立てた。


「グッ..!!」


巨体がわずかによろける。

足に刺さったダガーで動きが鈍り、そこから和真は必死のヒット&アウェイ。


そして――5分後。

巨体が崩れ落ち、煙となって消滅した。


「はぁ…はぁ…やった!!勝った!」


ドサッ。


安心と疲労で力が抜け、その場に倒れ込む。

生きてる…本当に危なかった。

その時、「ピコン」とレベルアップ音が響いた

ボブゴブリン1体の経験値が凄かったのかレベルが上がってしまった。

が、先にドロップ品を見ることにした。

そこには木の宝箱と、魔石(小)が落ちていた。

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