探索
レベルが上がったおかげで、ダンジョン探索は
昨日より楽になった。角兎を2匹、ゴブリンを1体倒しつつ、次の階層へ続く階段を探していく。
初心者ダンジョンは全5階層、その奥のボス部屋があるというシンプルな構造だ。
ゴブリンを2体目倒したところで、また「ピコン!」とレベルアップ音が響いた。
「よしっ!レベル上がった」
早速、スキルウィンドを確認する。
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名前 : 東堂 和真
年齢 :18 性別:男
Lv: 3 → 4
称号: なし
HP:150 → 165
MP:35
攻撃力: 11 → 15
防御力: 10 → 13
魔力: 3
俊敏: 10 → 12
知力: 4 → 5
スキル: 【剣術Lv2】New【身体強化Lv1】
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なんと!新しいスキルが増えていた。
思わず右手でガッツポーズする。
身体強化スキルは上級者によく使われる便利スキルだ。使い勝手がいい事で知られている。スキルウィンドを押して効果を確認する。
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【身体強化Lv1】
攻撃力&俊敏を3分間1.1倍アップする。
MPを10消費する
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レベル1のため効果は控えめだが、育てれば強力になる。何より――MPを消費するスキルがあれば、レベルアップ時にMPが伸ばせる早めに欲しかったスキルだった。魔法をゲットした時にMP必須なので伸ばせるのは嬉しい。
「よし、これからガンガン使ってMP伸ばすぞ!」
身体強化を試しつつ探索していると、
やがて広い空間の真ん中にセーブポイントの淡い青色のキューブを発見。キューブは、登録すると次回もここへ転移できる。
奥には、次の階層へ続く階段もある。
(次の階層に行くべきか…それともレベル5まで上げてからにするか…)
ステータスウィンドを確認する
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HP 165/130
MP 35/25
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HPもMPも十分。いけると判断し、階段を降りた。
2階層も見た目は1階層と同じだ。だがここからは、ゴブリンは複数で発生するようになり、
ワーウルフが出現するようになる。当然危険度が一気に上がる。
少し歩いた所で、ゴブリン2体を発見した。
こちらに背を見せている、完全に無警戒でまだ気づかれていない。奇襲をかけるチャンスだ。
「身体強化!」
スキルを発動すると体が軽くなり、一気に駆け出す。
ゴブリンは、こちらに足音で気づき振り向き棍棒を構えたが――
「遅い」
振り下ろす前に、和真のショートソードがその首を刎ね飛ばしていた。
残った一体は怒り狂って突撃してきたが、
「はぁっ!」
その勢いを利用して和真は剣先を突き出し、おでこに突き刺す。2体が煙となって消えたのを確認し、ひと息ついた。
「ふぅ…気づかれなきゃ余裕だったな。二体同時は、正面からじゃキツい」
ゴブリンの落とした汚い布と魔石を袋にしまい、探索を続ける。すると、
ガルルルルルルル!
灰色の体毛に覆われた二足歩行の狼――ワーウルフが姿を現した。
武器は使わず、鋭い爪で攻撃してくるタイプだ。
「ガァーー!」
高速で突っ込んできた右爪を、ギリギリのところでかわす。
「身体強化!」
攻撃してきた腕を切り落とす。怯んだ所に、容赦なくショートソードを胸へ突き刺す。ワーウルフは煙となって消え、残ったのは毛皮だった。
「これは運がいい。ワーウルフの毛皮って初心者ダンジョンにしては高く売れるんだよな」
ワーウルフの毛皮は、需要がある。
初級ダンジョンに来る人が少ないため、出回る量も少なく価値がある。
「流石に疲れたな」
目標にしていたレベル5は次回に回し、今日はここで撤退することにした。
ダンジョンから出ると、外の空気が驚くほど美味かった。協会へ向かい、買取カウンターへ成果を提出する。
「査定致しますね」
職員の人がワーウルフの毛皮、ゴブリンコイン、魔石(極小)5つ、ゴブリンの汚布を1つ1つ仕分けていく。
「ワーウルフの毛皮が5000円、ゴブリンコイン800円、魔石250円、汚布は10円で…合計6060円です」
「ありがとうございます」
(まあ、こんなもんか)
そう思いつつ報酬を受け取り、和真は協会を後にした。




