鑑定
鑑定スキルを試すために、まず手元のアイアンソードに視線を向けた。
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名称:アイアンソード
ランク:E
攻撃力:+12
初心者の為の基本的な剣
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「おお…思ったより細かく見えるな」
スキルオーブに興奮しすぎて他のドロップを確認していなかったことを思い出す。
変異種の血兎を倒した位置を見ると、赤黒い結晶の欠片が落ちていた。
「なんだこれ…?」
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・血晶の欠片
赤黒い結晶の欠片
血晶兎から取れる素材。
加工するアクセサリー素材になる
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「さっきのやつ、血晶兎っていうのか」
気になってスマホで調べてみるが、出てくるのは通常の血兎の情報ばかり。血晶兎については、何度検索してもヒットしなかった。
(新種……? レアモンスターとか?)
考えても答えは出ないので、とりあえず探索を続けることにした。
ザシュッ!
血兎2体倒し、銅蟻を3体目倒したタイミングでレベルが上がった。
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名前 : 東堂 和真
年齢 :18 性別:男
Lv: 6 → 7
称号: 《逆境超えし者》
HP:220 → 250
MP:80 → 100
攻撃力: 25 → 29 + 12
防御力: 23 → 28
魔力: 8 → 10
俊敏: 21 → 25
知力: 11 → 13
スキル:
《識術》
【鑑定】
《常在術》
【剣術Lv2】 New【気配察知Lv1】
《戦技》
【身体強化Lv2】
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ステータスが色々変わってるな。
まず全ステータスが二桁を超えたこと。
そしてついに MP が三桁になったことが大きい。攻撃力の+12は、鑑定スキルのおかげで武器補正が表示されるようになったのだろう。
それからスキル欄。パッシブとアクティブが自動でカテゴリ分けされているのも鑑定スキルの影響らしい。追加されていた新スキルを開く。
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【気配察知Lv1】
半径数メートルの気配がうっすら感じ取れる
正確な位置までは、わからない
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レベルがまだ1なので効果は薄いものの割と便利なスキルなので嬉しい。
そこから探索を続け道中銅蟻と戦闘したが
レベル上がったおかげか関節部分などの脆い位置を狙えば身体強化使わずに倒すことが出来た。
やがて第4階層のセーフゾーンに到着。
キューブで登録を、済ませ今日はもう帰ることにした。
「今日はこれくらいでいいかな。」
レベルは三つも上がり、新しいスキルも二種類覚えた。
第4層まで到達できたことを考えても、十分すぎる成果だ。
転移でダンジョン入口まで戻り、素材の買取と報告のために探索協会へ向かう。
まず受付にイレギュラーが、あったことを報告。
だが、そこから大騒ぎだった。
まず、イレギュラー個体──ボブゴブリンが出現したことを伝えると、受付が一気に慌ただしくなる。
「ダンジョンを封鎖しないと――」
初心者層の階層にボブゴブリンが出れば、大事故になりかねない。
そこから倒したことを報告すると最初信じて貰えなかったが倒した証拠として魔石(小)を出すと、ようやく信じてもらえた。
危険行為へのお叱りと感謝を同時に受ける。
そして血晶兎の話をすると、今度は「何言ってんだこいつ」みたいな視線で見られた。
協会の鑑定スキル持ちの人に、血晶兎の素材を
鑑定してもらうと本当だった事が判明し、また大騒ぎになった。
やはりまだ誰にも発見された事のないモンスターだったらしく特徴やどんな見た目か強さなど詳細な情報が欲しいと言われた。
他言無用と前置きされ実はダンジョンには、ごく稀にレアモンスターが出現するを、教えられる
「他言無用でお願いしますが…ダンジョンには、ごく稀にレアモンスターが出現することがあります」
受付の人は声を小さくし続ける。
「報告はまだ四件だけです。そして、レアモンスターを倒すと"必ず"何かしらのスキルオーブと、貴重な素材を落とすと言われています」
つまり、鑑定スキルを手に入れた俺は、とんでもなく運が良かったということだ。
報告を終え、レア素材以外を買い取ってもらい、協会を後にした。
今日は本当に、濃い一日だった




