交渉
ベルゼブブ戦に向け王都に戻ったルディアルは女神ファーラストに謁見していた。
「いやーーいやなのーー!!」
天蓋付きのお姫様ベッドの柱にしがみつく女神ファーラスト。
「ワガママ言わないで下さい!」
ファーラストの腰を掴み、ベッドから引き離そうとする俺。
なんとかファーラストにベルゼブブを説得してもらおうとしているのだが…
「ベルゼブブちゃんは怖いの!彼女、クレイジーサイコレズなのよ!!会いたくないの!」
「なんですか!それご褒美じゃないですか!!」
ヤンデレ魔神サイコーじゃないか。
俺のハーレムに加えたいぐらいだ。
ファーラストの両足首を掴み、ベッドから引っ張る。
「いやー!」
完全に宙に浮くファーラスト。
それでも柱を離さない。
「ゼーハーゼーハー」
ついに息切れをする俺。
なんて握力だ。まるで木にしがみついたナマケモノ並みだ。
「仕方ありません…」
俺は、以前にファーラストがアイテム売買スキル(コピー)で買ったテレビモニターとS◯NYのP◯4を持ち出す。
これは乙女ゲームやりたさに女神がこっそり買ったものだ。
しかし、この世界には魔力はあっても電気はなかった。
電気がないとゲームができないと知った女神は
動かないP◯4をモニターに接続し、映らないモニターに向かってコントローラーを持って、虚しくゲームをやってるふりをしていた。
「もしベルゼブブを説得してくれたら、このP◯4…私のスキルで魔力で動くようにしますよ」
器械天使liteパックは、ありとあらゆる機械を改良改造改変創造できる。
ぴくっと反応する女神。
少し葛藤しているようだ。
「せ、説得失敗しても改造してくれる?」
頷く俺。
「ベルゼブブにレ◯プされそうになったら助けてくれる?」
頷く俺。
「分かったわ…行く」
なんとか説得に成功したようだ。
これでプランA [ファーラストによる説得作戦]
が実行できる。
俺はノエルさんとファーラストとそのお付きの天使リリネルを連れ、遠征準備するランバード王に先に出発すると伝え、ナイトで一足先に神聖国ファーラストに戻った。
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