戦争準備
ベルゼブブの宣戦布告に驚くほどルディアル。
破壊の神に対し、果たして勝ち目はあるのか?
「とは言え、今日はお客様としてお迎えして貰ったからね」
スッと席を離れるベルゼブブ。
「1週間後…また来るわ。その時は、デビアス…貴女の街を破壊するわ」
そう言うと、一瞬にして数万の蝿になり消えるベルゼブブ。
その夜、ランバード王に魔王ルシファ、教皇デビアスに俺でベルゼブブの宣戦布告にどうするか協議した。
「取り急ぎ、我が国から2万の軍を出そう」
「私の国からも3万ほどの軍を出すわ」
「ありがとうございます。私の方からは神官騎士7万と勇者の全戦力を出します」
つとみんなの視線が俺に集まる。
え!?俺もなんか出すの?
クラスター爆弾でいいかな?
いや、その前に
「ベルゼブブの戦力はどのぐらいなのですか?」
相手が魔神ならば、神の軍勢を率いてくるのだろう。
「多分、一人」
頷くみんな。
「ベルゼブブちゃんは破壊を司る神。まともに戦えるのはファーラスト様のみよ」
「しかし…そのファーラスト様は…長き封印の中で力を失い…今は…その…普通の人以下…だ」
ランバードさんが両手で顔を塞ぎながら答える。
色々、ファーラストに苦労をかけられているのだろう…
力を失い、ポテチを齧りBL本に読みふけるファーラストの姿が思い浮かぶ。
「当方の神がご迷惑をおかけして申し訳ありません」
デビアスが深々と頭を下げる。
あまりに落ちぶれた御本尊ファーラストの姿を神聖国ファーラストの神官達に見せる訳には行かず、ランドール王国に預けたのだ。
「クラスター爆弾で倒せそうですか?」
「うーん、さっきみたいに数万の蝿になった時にクラスター爆弾で纏めて灰にできれば可能性はあるかな」
「なら一応、全ハーピー部隊を連れてくるわね。あの子達、クラスター爆弾で敵を吹き飛ばす快感が忘れられないみたいなのよ」
うん、魔王国の内乱の時はヒャハーしながらクラスター爆弾を持って嬉々として飛んで行ったからな…
「しかし、1週間後か…ルディアル様、至急ナイトで私を王国に送り届けてくれぬか?大急ぎで出兵の準備をさせればギリギリ間に合うだろう」
頷く俺。
「そうですね。ファーラスト様もお連れしたいと思いますし、私も行きます」
俺以外の人間にファーラストを無理矢理引っ張ってくるのは不可能だろう。
「そうだね、開戦前になんとかファーラスト様にベルゼブブを説得して貰えたら助かるしね」
ファーラストの本性を知るリリィフラワーの面々からは、あの人役に立つの?
と言った疑問の表情が出ている。
俺もそう思うけど、ベルゼブブの友人らしいし…
とりあえず、夜明けと共にナイトで俺とノエルさんとランバード王の三人で一度、王国に戻る事にした。
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