スピードの向こう側へ
憧れの車ナイト2◯00を手に入れたルディはさっそく試運転に行く事にした。
「カッコいい…カッコいいよぉ〜」
ナイト2◯00のすべすべのボディに頬ずりをする俺。
鏡のような鏡面仕上げ。それでいて特殊セラミック合金でできたボディは戦車以上の頑丈さを持つ。
「凄いね~。ドラゴンブレスすら弾きそうだ」
実際、火竜の炎ぐらいなら問題ない。
[お褒めに預かり光栄です]
「「「「「「「喋った!!」」」」」」
驚くみんな。俺も驚いた。
[ルディ、私です。天使の眼のサポートAIです]
一瞬、K◯TTが喋ったのかと思った。
どうやら器械天使のサポートAIが移植されたようだ。
「ずいぶん速そう…」
ラン◯ル大好きアリシアさんが呟く。
[最高速度520kmまで出せます]
絶句するアリシアさん!
ラン◯ルで時速100キロ出して信じられない速さだと感嘆していたからな。その5倍のスピードは俺も想像できない。
「の、の、乗っていい!?」
「運転席はダメです!」
スピード狂のクラリスさんが両手をワキワキさせながら運転席に近づく。
俺は全力で阻止する!
「面白そうだね。ボクも乗らせて貰っていい?」
ナイト2◯00に興味を持つデビアス。
「もちろん!」
金を出したのはデビアスだ。
ガチャ
自動で開くドア。
ナイトは4人乗りだ。
「あと二人乗れますよ」
パッと手をあげるクラリスさんとリリアさんと聖女セリナ、マリアちゃん。そしてなんとデビアスママのルシファさん。
なんでも大きくて黒光りするボディに惹かれたらしい。
じゃんけんした結果。ルシファさんとリリアさんが後部座席。助手席にデビアス。
「シートベルト付けてください」
自動車初体験のデビアスとルシファさんにシートベルトのつけ方をを説明する。
「ラン◯ルで一緒に走っていい?」
「もちのろん!あ、ナイトの性能を試すので無理に追いかけないでくださいね」
エンジンをかけるとシートが変形する。
「あ!」
背もたれの一部が沈み、俺の背中の翼がフィットする
「おおお!」
長年の俺の悩み。椅子に座ると背もたれに翼が当たる問題が解決された!
「ありがとうサポートAI!」
[アイとお呼びください]
「アイ!ありがとう!!」
軽く神聖国の外を走る。
悪路ではないが、舗装路と言えるほどでもない道を全く揺れずに走るナイト。ラン◯ルでもここまで揺れずに走る事は出来ない。
「凄い…」
驚くみんな
静かな室内。それでいてこのスピード。
「スピードあげます…」
緩やかな直線に差し掛かったとこでアクセルを踏み込む。
デジパネのメーターが240キロを指す。
ラン◯ルはバックミラーから1秒で消えた。
「は、速い!!!」
流れる外の景色に興奮するデビアス。
デビアスママはブツブツ言いながら何か考えている。
ナイトの仕組みを考えているのだろうか?
リリアさんは運転席側に身を乗り出しスピードに酔いしれている。
300kmに達する。
「ムリィィィ!!怖っ!怖っ!」
ビビリミッターが作動する俺。
80キロまでスピードを落とす。
「えー!」
不満気味なリリアさん。
路肩に停め、アリシアさん達のラン◯ルを待つ。
…3分後。
ラン◯ルが到着した。
「な、何…あの加速…」
アリシアさん達は一瞬で小さくなっていくナイトの加速に唖然としたらしい
とりあえず、軽く休憩。
みんなで缶ジュースを飲みながら、車を眺める。
デビアスとルシファさんはナイトに興味を持ったのかアイに色々質問をしていた。
う〜ん、こうしてみんなとラン◯ルと2台で色々な所にドライブに行くのも良いな~
帰り道、助手席に座ったクラリスさんに時速500キロ
の世界を魅せて!魅せて!とせがまれまくった。
「アイなら出せる?」
[問題ありません]
との事だったのでオートドライブに切り替えて、アイに操縦を任せ、俺は目を閉じスピードの恐怖に耐えた
「うわぁぁぁぁ!!凄い!!これが時速500キロの世界!!回りの色が溶けて、トンネルみたいになってる!!」
クラリスさんのこんな興奮した声は聞いた事なかった。
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