腐りゆく世界
世界を破滅に導く女神を止めるため、ルディアルは堕天使とともに女神とかつての仲間達に戦いを挑む!
「ギャーー!!ごめんなさい!!負けました!!!許してー許してえぇ!!!」
セリナに足4の字固めを決められ、右腕はマリアちゃんの腕逆ひしぎ。
左腕はリリアさんの逆十字固めを決められた俺は、大絶叫を上げ、速攻でギブアップした。
物理、魔法攻撃を完全に無効化する無敵の鎧と思われた見習い天使の鎧の弱点を突く攻撃に俺は完敗した。
「な!?」
これに驚いたのは、俺とタッグを組んだ堕天使リリネル。
キンッ!キンッ!キンッ!
勇者エミリナと激しく打ち合うリリネル。
ノエルさんをワンパンで沈めた堕天使でも勇者相手に苦戦し防戦一方になる。
「はっ!」
エミリナの渾身の一撃!
弾かれ、バランスを崩す堕天使!
そこにノエルさんの鎖が堕天使の両足に絡みつく。
ドサッ!!
倒れる堕天使
「とりゃ〜!」
堕天使の右腕に飛びつき、関節技を仕掛ける聖女。
「くっ!」
聖女ごと右腕を持ち上げ抵抗する堕天使。
「たぁっ!」
タックルで地面に堕天使を倒す勇者。
「うりゃぁぁ!!!」
ギリリリッ
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
あ、堕天使にもセリナの関節技が通用するようだ。
痛みに絶叫をあげる堕天使リリネル。
「ぐうううっ!」
痛みに耐えなが、立ち上がろうとする堕天使。
スゲっ!
堕天使とは言え、モノホンの天使は根性が違う!
俺は0.5秒でギブアップしたのに!
勇者も聖女の真似をして堕天使の左腕に両足をかける
「や、やめろ!!」
再び地面に倒れる堕天使。
「こ、こうか?」
聖女の技を見よう見まねで堕天使の腕を曲げる勇者
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
悶え苦しむ堕天使。
痛みを身をもって知る俺は蒼ざめる…
さらにリリアさんとマリアちゃんが堕天使の右足と左足に絡みつき、それぞれ足4の字固めを決める。
「ギヒィィィ!!」
苦しむ堕天使を熱い眼差しで見つめるクラリスさん。
こ、興奮している…
ま、不味い!!
ここで堕天使リリネルが負けたら、世界はBLで腐る!!
だが…俺には助けに入る勇気はない。
クラリスさんの鞭打ち、みんなからされる木馬責めの痛みはまだ快感につながる痛みだ。
しかし…関節技は性的快感に全く繋がらない、ただひたすらな激痛なんだもん。
だから俺は関節技を決められた堕天使をガタガタ震えながら見守るしかなかった…
「ま…参った…」
5分ほど必死に関節技を外そうと身をくねらせていた堕天使だが…ついにギブアップした…
この瞬間、世界の命運は決まった。決まってしまった…
「しゃ!!」
ガッツポーズを決める駄女神。
堕天使を介抱する俺。
「あぁ…これで…天界の威光は…地に堕ちる…」
落ち込む堕天使。
「さぁ…ルディ。一緒にBL読もう?」
アリシアさんが手を差し伸べてくれる…
俺はその手を握り返した…
◇◇◇◇
ヴァルキリーの村。
「はわわ…」「ほわぁ…」「あふぅ」
女神秘蔵のBL本が大量に放出される。
それらを一心不乱に…いや一心腐乱に読むヴァルキリー達。
娯楽の少ないこの異世界に突如放たれた日本のBL文化は瞬く間に村を腐らせた…
「せ、世界…滅びないよね?」
隣に立つ堕天使リリネルに問いかける俺。
「え!?あ、あぁ…ま、まぁ…いいんじゃありません?」
堕天使の手には女神のBL本があった。
あぁ…堕天使も腐ったか…
あとで魔王デビアスに相談しよう…俺はそう決めた。
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