決別
見てはいけないものを見てしまったルディアルは言葉を失う…
「な…」
聖女ともに結界内に飛び込んだ俺は言葉を失った…
俺は思わず呟いてしまった…
「まずいわ…これは色々まずいわ…」
堕天使が女神を外に出す事を拒んだ理由も分かる。
リリィフラワー…特に神官のクラリスさんには見せられない。
そこには床に寝そべる純白の美しいドレスを纏った女神がいた。
その女神はボリボリどポテチを齧りながら、BL本を読んでいる…
時折、1.5リットル入りの黒い炭酸をラッパ飲み、そしてまた時折ゲップしていた。
床には、絹のような金を溶かしたような美しいストレートロングヘアーがだらしなく広がっている…
「あ、あの…女神…さま?」
ピクッと反応する女神。
恐る恐るこちらを振り向くと碧眼の美しい瞳を見開く女神。
「ル、ルディアルさん!?」
あれ?この女神。俺を知っているのか?
女神はすくっと立ち上がると、パパッとドレスについたポテチの食べカスを払う。
「お、お恥ずかしいところをお見せしました!」
口のまわりに青ノリが付いている。
「私は女神ファーラスト。この世界を創造し神」
今さら威厳を出そうとする女神さまだが…
「あ、はい。」
としか答えられない俺。
「して、何ようでここに参った?」
あー何しに来たんだけっけ?
(思考:1.5秒)
「あ!アイテム購入スキルのお礼を言いに来たんでした!」
「礼を言う必要はありません」
いつのまにか俺の背後に現れた堕天使!
と勇者とリリィフラワーのみんな!!
「リ、リリネル!」
狼狽える女神さま。
「この駄女神は、ルディアル…貴女に与えたアイテム購入スキルを複製して、日本のBL本とお菓子を買いまくって遊び呆けていたのですから!!」
え、そうなの?俺のアイテム購入スキルと同じ物を持ってるの?
と言うかBL本!?女神様がBL!?
「ちょっ、ちょちょっ!それ!言わないで!!!」
慌てる女神ファーラスト。
ため息をつく堕天使リリネル。
「た、たまたま、よ、読んでただけよ!それにアイテム購入スキルは、火竜から人を守ってくれたお礼なのよ!」
「それならなぜ複製を作ったのです?」
腕組みをして女神様を見下ろす堕天使リリネル。
「そ、それは…ルディアルさんのアイテム購入スキルの商品があまりにも魅力的で…美味しそうで…色々見ていたら…男の子同士の恋愛本が目に入って…つい…」
つい腐ったと…
「そんな訳です。ですので女神様をここから出す訳にはいきません!」
「はぁ…そうですか」
呆れる俺…
まぁ、もし腐った女神を解放して、世界がホモだらけになったら大変な事になる…可哀想だけど女神さまはここに永久封印だな…
と言うか!!!!
いつのまにか、女神のBL本をリリィフラワーのみんなや、勇者、聖女達が読んでる!!!
まずい!!彼女達が腐女子になったら大変だ!!!
女神のBL本を読むみんな目がランランと妖しく輝いてる!
腐った!?腐ったのか!!??手遅れか!?
BL本を読んでいる女性軍を見てニヤリと笑う女神。
「ねぇ!聞いて!!私考えたの!!!」
突然、立ち上がる女神。
「世界の人口が増えすぎて破滅するなら、BLを推奨すれば良いのよ!!」
何か言い出したぞ!?この駄女神!!!
「男の人同士が好きになれば、人は増えないし戦争も無くなるし、女も生BL見れて幸せーみたいな!」
自分の考えに陶酔しきっている駄女神。
「賛同します!!」
速攻で聖女が腐った!!
「私も」
リリィフラワーの面々も腐った…
「わ、悪くない…かも…」
勇者も腐った…
俺はBLなんて絶対ゴメンだ!!見たくない!
そんな世界はゴメンだ!!!!
「「そうはさせません!!」」
ハモる。
俺が叫ぶと同時に堕天使リリネルも同じように叫ぶ。
「みなさん!私と一緒に世界にBLを布教しましょう!!」
叫ぶ女神。
「はい!!」
あーーーーみんなBL教に入信してしまった!!
「ルディもBLを読みましょう!」
アリシアさんに誘われるが…
「お断りです!!」
俺の拒否に驚くアリシアさん。
「そう…でもルディ。貴女も女ならBLの良さがいずれ分かるハズよ」
俺や堕天使から、女神様を守るように立ち塞がるリリィフラワーと勇者連合。
くそ…俺はBLから世界を守る為に彼女達と戦わなければならないのか!?
「一時休戦しましょう…」
堕天使リリネルが俺にそう提案してきた。
「分かりました…手を組みましょう」
俺はさっきまでの敵。
堕天使リリネルと世界を守るため手を組んだ…
俺たちが負けたら…世界はホモだらけになる…それだけは絶対避けねばならない。
この戦い…絶対負けられない!!
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