魔王と飲み会
教皇の口から知らされた衝撃の真実。
「くぁぁぁっ…効くぅぅぅぅ!!!」
黒い炭酸水を一気飲みする教皇(魔王)デビアス。
「美味しいぃぃ!!」
勇者エミリナはイチゴのケーキをものすごい勢いで食べている。
はぐはぐはぐ!
「これ、ビールと合う!!すごく合う!!!」
ユウヒのビール片手にフライドポテトをかっこむ聖女セリナ。
俺はアイテム購入スキルで片っ端からお菓子やジュース、酒類、お惣菜、目に付いた物を買ってはテーブルに広げる。
リリィフラワーのメンバーもお気に入りの料理を食べ、チューハイで喉を潤す。
マヨラーの魔法騎士のレイラさんは色々なお菓子にマヨネーズをかけて試していた。
ノエルさんはアルコールに弱かったらしく、酔い潰れている。
そのノエルさんの右手にはスト◯ング◯ロが握られていた。
あーストゼロは飲みやすい癖にテキーラ4ショット分の威力があるからな…劣化ヒールだけど気休めにノエルさんにかけておく。
教皇との晩餐会とは思えない、友達と宅飲みしたような楽しいひと時だった。
翌朝…俺はベットの上で目を覚ました。
体にセリナとマリアが絡みついていた。
床の上には教皇が寝ている。
他のメンバーはテーブルに突っ伏して、またはソファーで寝ていた。
天使になり酔わない体になった俺は、こういう時、少し寂しさを感じる。
「おぉぉ…頭痛いぃ」
教皇が目を覚ます。
「おはようございます。教皇さま」
「いやぁ、昨夜は久々に楽しい夜だったよ!」
子供だと言ってた割には、ワインやビールを飲みまくった魔王。
エリアヒールを唱える教皇。
これでみんなのアルコールは完全に抜けるだろう。
「さて天使ルディアル様はこれからどうするんでしょう?」
「そうですねぇ…女神…いえ、封印されている「魔王」に会いに行ってみたいと思います」
この返答、場合によってはこの教皇…いや魔王デビアスと敵対関係になる。
「そっかぁ…やっぱり、「魔王」に会いに行くのかぁ」
「それにこのアイテム購入スキルを授けてくれたお礼も言いたいし」
多分、このアイテム購入スキルは封印された女神様が授けてくれたものだろう。
「うん、そうだね。ならセリナを連れて行くといいよ!」
にっこり笑顔を見せるデビアス。
「セリナなら顔パスで聖域に入れるしね」
俺が女神に会う事を止める気はないようだ。
「あと…これはボクからの贈り物」
俺の体が一瞬光る。
「な、なにを!?」
「君のアイテム購入スキルに買い取り機能を追加したよ」
「買い取り!?」
「一応、あの女神も購入制限みたいなモノは付けたみたいだけど、際限なくこちらの貨幣を購入スキルで消されたら、いずれ経済が破綻するからね。」
アイテム購入スキルを開いてみる
アイテム売買スキルに変更になっていた。
俺は試しに、過去に盗賊から奪い取った宝石を買い取ってもらう。
宝石 金貨20枚で買い取ります
YES/NO
YESを選ぶ。
ちゃりんと音がして、アイテム売買スキルに金貨20枚かチャージされた
おぉぉ…これで色々買えるじゃん!!
「あ、ありがとうございます」
俺は素直にお礼を言った。
「お礼の代わりにって言うとアレだけど、ボクの秘密はここにいるメンバー以外には内緒にして欲しいな」
「えぇ、もちろんそれはここにいるメンバーだけの秘密という事で」
教皇が魔王で、封印されている魔王は実は女神だなんて国がひっくり返るわ!
でも神官のクラリスさんや半神半人のエミリナさんは、この真実を知って大丈夫だろうか…
とりあえず、仕事に行くと言い残し、去って行く教皇。
俺は、起き出したみんなに経緯を話す。
神官のクラリスさんと勇者エミリナさんは後ろに倒れた。
聖女セリナは「やっぱりなぁ…」と薄々感づいていたらしい。
ともあれ、俺は魔王として封印された女神様に逢いに行く事にした。
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