天使対聖女
復活した聖女は天使を追い求める
「ところで、天使さまをどうするつもりなんです?
聖女セリナ」
口元にう◯い棒のカスをつけたまま問いかけるアーデル。
「んふふ、もちろん天使さまにお近づきになってあんな事やこんな事を…」
くねくねと身体をくねらせ悶える聖女の姿に呆れた表情を見せるアーデル。
「ファーラスト神聖国もルディアルさまを天使とお認めになるのですね」
「あんなに素敵な神威を纏ったお方が天使じゃない訳ないわぁ…是非とも聖国に来ていただいて、国を導いて欲しい…」
うっとりとした表情を見せる聖女セリナ。
「と、こうしてはいられないわ!!天使さまの元にいかないと!!」
ダッと駆け出し、聖堂教会を飛び出す聖女。
「待ってください聖女さま!」
追いかけるガーランド。
「待ちなさい!!セリナ!!!」
アーデルも聖女を追って教会を飛び出した。
◇◇◇
「ええっ!!聖女が来る!?」
驚くマリアちゃん。
血相を変えた聖堂教会のシスターさんが俺の屋敷に駆け込んできたかと思えば開口1番に聖女の来訪を伝えてきたのだ。
「聖女って?」
俺はマリアちゃんに尋ねた。
「ファーラスト神聖国トップツーの人物です」
驚くアリシアさん達。
「ファーラスト神聖国って勇者エミリナの国じゃない!!」
いつぞやの宿屋で対決寸前までいっためっちゃ強いあの女勇者か!
俺は思い出した。
「はい、いま聖女をアーデル様が追いかけていますが、ここに来るのも時間の問題かと思います」
オロオロした表情を見せるシスターさん。
「いいわ、私がルディお姉様を守るわ!!」
胸に七つの傷がある男バリに首をコキコキ、指をバキバキ鳴らすマリアちゃん。
そこへ。
「て、天使さまーーーーー!!」
長いストレートヘアーの黒髪をボサボサに振り乱しながら屋敷の庭に駆け込んでくる少女。
「ま、待ちなさいって!!」
ヘトヘトになりながらアーデルさんもやってきた。
聖女と言われた少女が俺の天使の眼の反応速度を上回る勢いで抱きついてきた。
「わっ!」
押し倒される
な!?この子、会った事もないのに、いきなり俺の魅力75万にやられてないかい!?
「ハッ!!」
そんな聖女の背中に向けて踵落としを決めるマリアちゃん
「ぐっ!!」
背骨に一撃を喰らった聖女は俺から離れ、マリアと距離を取る。
「ルディお姉様から離れなさい!」
俺と聖女の間に割って入るマリアちゃん。
マリアちゃんの踵落としのダメージはないかのように
俺にジリジリと近づいてくる聖女。
「て、天使さまぁぁ!ぜひぜひ私の国にお越しくだサァイませぇぇ!」
こ、怖っ!
顔つきは美人だけど、長いボサボサの黒髪に病的までに白い肌。目の下にはクマがあって…な、なんか超ヤヴイ、ヤンデレぽい聖女だ…でもこういうヤンデレも嫌いじゃない。
「はぁはぁ…ルディアルさま、セリナは…聖女は、昨夜サキュバスと同衾してから…お、おかしく…いえ、もともとおかしな人でしたけど…サキュバスと寝てからますますおかしくなってしまいまして…」
息を切らせながらアーデルが説明してくれた。
サキュバスと同衾…
(思考:0.2秒)
まさか、俺とエッチな事したサキュバスとエッチな事をしたから感染した?
俺の唾でおかしくなったマリアちゃんのように、サキュバスから俺の唾なり体液なりを飲んで魅了されたのか!?
「んふふ…天使さまが抱かれたサキュバスの身体を舐め回して、天使さまのぉ体液を美味しく頂きましたぁぁ!!」
アリシアさん達やマリアちゃんの前で爆弾発言をかましやがる聖女!
「ルディ!!!サキュバスと寝たの!!!」
「ル、ルディが…サ、キュバスと…」
「ルディ…浮気しましたね…」
「お、お姉様…」
や、やばい…こ、殺される…
「天使さまが抱かれた8人のサキュバス全員を舐め回しましたぁぁ!!」
「「「「8人!!」」」」
驚くアリシアさん達!
はい、俺死にました!
「ルディお姉様…事情は大体分かりました。とりあえず聖女様にはお引き取りを願いましょう」
「いやよぉぉ…天使さまは私と聖国に来るのぉぉ」
両手をワキワキさせる聖女。
「仕方ありません。実力行使あるのみです」
左手を前に出し構えるマリアちゃん。
「マリアさま」
マリアちゃんにプロテクションとアンチマジックの呪文を付与する魔法騎士レイラさん。
「バフは不要です」
レイラさんの強化魔法を解除するマリアちゃん。
「んふふ…いいわぁぁ。貴方のその心意気に免じて魔法は使わないで相手してあげルゥ」
マリアちゃんを挑発する聖女。
「舐めないでください!!聖女が魔法を使わずにどうやって戦うつもりですか!!!」
激怒するマリアちゃん。
マリアちゃんはレベル40の格闘僧だ。
対して聖女は貧相な身体付きの少女だ。
天使の眼で聖女を見る…[計り知れない強さの相手だ]
と表情された。
強い!
俺が止める間もなく
「行きます!!」
鋭い踏み込みで、聖女の間合いに飛び込むマリアちゃん。
腰だめにした右正拳突きを放つ。
その正拳突きを紙一重でかわし、その正拳突きを左手で取り、マリアちゃんの背後に回る!
「ぐっ!!」
マリアちゃんの背中に回り、右腕を締め上げる聖女。
背後にいる聖女の脇腹に、マリアはエルボーを叩き込む。
脇腹に一撃を喰らいマリアちゃんから離れる聖女。
「この!!」
聖女の左足を狙ったローキックを放つマリアちゃん。
と見せかけ、マリアちゃんのローキックが聖女の側頭部を狙ったハイキックに変化する!!
ガツッ!!
見事聖女の頭部にヒットしたかのように見えたハイキックは聖女の左腕で防がれていた。
そして
ガシッ!!
そのままマリアちゃんの足を両手で押さえ込む聖女
「くっ!!」
足を取られたマリアちゃんは身動きが取れない!
「んふふ、終わりね…」
にちゃ…と笑うと聖女は飛び上がり、マリアちゃんの右足に両足を絡める。
そのまま空中で身体を捻り地面にマリアちゃんを倒す!!
「姫様!!」
「お嬢様!!!」
叫ぶレイラさんとノエルさん
「ぎゃっ…あ、あ、あっあああああ」
足4の字固め!!完全に決まっている!!
ま、まさか…聖女は関節技の使い手!?
「さぁ…降参するぅ?」
歯を食いしばり耐えるマリアちゃん。
「だ、誰が…あんたに…」
「そぉ?」
ギリリリッ
さらに足を締め上げる聖女。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
涙を流し耐えるマリアちゃん。
「折れても治してあげるから安心してねぇ」
ギリリリリリリリリッ
「ウギャァァァァァ!!!」
「ほらぁ、参ったって言いなさぁい」
「いや!!言わない!!絶対言わない!!!」
「しかないわねぇ…折るわ」
「うっ!」
「そこまでです!!!」
マリアちゃんの苦悶の表情と悲鳴はなかなかそそるモノがあったが、俺のせいで苦しむ姿は見たくない。
「私が相手になります」
俺は前に出る。
「て、天使様がお、お、お、お相手してくれるのぉぉぉ???」
「はい、嫌ですか?」
「よ、よ、よ、よ、喜んでぇっ!!」
聖女の力が計り知れない強さでも、見習い天使の鎧を着てれば勝てなくても負ける事はないだろう。
「も、も、も、も、も、もし私が勝ったら、せ、せ、せ、聖国にきていただだだけますか?」
「こうなったのも私のせい…その条件受けましょう」
「ててて天使様のお身体にさわさわ触ってもいいんですよね!?」
涎垂らしまくる聖女。ちょっと怖い。
「えぇ、15分間、私は一切抵抗しません。思う存分攻撃してください。そして15分以内に私を降参させたら貴方の勝ちと言う事で良いでしょうか?」
「喜んでぇぇぇっ!」
くくっ…計算通り!
ヤンデレとは言えこんな美少女に関節技をかけてもらえるなんてご褒美です!!
見習い天使の鎧のおかげでダメージを受ける事はない。
たっぷり15分間楽しまして貰おう。
いや、30分と言えば良かった。
「しつれいまぁぁぁぁす!!」
俺の左腕に飛びつき両足を絡ませる聖女。
腕四の字か?
聖女のほっそりとしたふくらはぎが俺の首にかかる。
いい匂いだ。
肘には聖女の股間のヴーナスの丘の感触がある。
やっぱ、1時間にすれば良かった。
ドサッ!
地面に倒され、俺の左腕の関節を決める聖女!
そして!!
「ぎょわぁぁぁぁぁぁぁ!!いでぇぇぇ!!!ごめん!!ごめんなさい!!!ギブっ!!ギブアップ!!!許してぇ!!参ったぁぁ!!!!」
あまりにも耐えられない激痛に俺はたった1秒で降参した。
「「「ルディ!!!!」」」
「お姉様!!!!!」
見習い天使の鎧は確かにダメージを防いだ。しかし逆方向に捻られた関節の痛みは鎧の効果とは無関係に貫通するようだった…
「勝ったどぉぉぉぉ!!!」
勝ち名乗りをあげる聖女!!
俺は、こうして聖女と共に聖国に向かう事になった…
いいねが、書く気力!




