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う◯い棒と聖女

ファーラスト神聖王国から新たな刺客…聖女がやってきた。

「て、天使様…やっと…やっと…お会いできましたわぁ」


街の空を舞うルディアルを恍惚とした笑みを浮かべ微笑む黒髪の少女がいた。


「聖女さま、お口元に涎が…」

そっと懐からハンカチを取り出し、聖女と呼ばれた少女の口元を優しく拭う虎顔の男。


この虎顔の男はファーラスト神聖王国の異端審問最高司祭のガーランドである。


以前、宿屋でリリィフラワーと対峙した勇者と共にいた男だ。


「ガーランドさぁん、早く早く天使さまのいる宿に参りましょうぉ…」


「ははっ!」

ガーランドは宿屋に向かい馬車を進めた。



宿屋[冒険者達の宿]にて

「そ、そんなぁぁぁ…」

受付カウンターの床にへたり込む聖女さま。


「俺もがっかりだよ。」

宿屋の主人もため息をつく。


リリィフラワーが引っ越ししてしまったため、この宿屋の目玉商品であるルディアル達の夜の歌声がなくなり売上が落ちてしまったのだ。


(とは言え、リリィフラワーのお陰で一生分の稼ぎはできたので宿屋の主人は半分趣味で営業を続けているような状態だ)


「あ、でも天使さまの住んでいた部屋はそのままだよ」

宿屋の主人の一声にパッと表情を明るくする聖女。


「拝観料銀貨5枚ね」


宿屋の主人に案内され、以前ルディアル達が生活していた部屋に案内される聖女さま。


「このシーツからわずかに…神威を感じるぅ…」

はぁはぁはぁと息が荒くなる聖女。


ルディアルが使っていたベットの匂いを嗅ぐ聖女。


「あ、あの…涎は垂らさないでくれよ」

宿屋の主人がその聖女の様子をハラハラしながら見守る。


「こ、このシーツ…100金貨で売ってぇ…」



「すぅぅぅぅぅぅぅぅ…はぁぁぁぁぁ…」

100金貨(約100万円)で買い取ったシーツの匂いを嗅ぎながら宿屋を出る聖女。


「これでぇ…私のぉ下着を作りましょぉ…」

ルディアルの匂いでヘブン状態になった聖女は

いきなり魔法を使う。


「空間停止ィィ」

シーツの周りの時間の流れを止める聖女。

一定の空間の時間を止める魔法…それは超高位の魔法だ。


しかも詠唱なしでそれを発動させる実力はもはや人外の域に達する。


聖女のその実力にゾッとするガーランド。


「ふひひっ…これで天使さまの匂いはいつまでも新鮮なままぁ…」


馬車の中に置かれた大きな黒檀の宝箱に大切にシーツをしまう聖女。



「天使さまがチンピラを追いかけてるぞ!!」

「お前ら天使さまのお手伝いをするんだ!」


その声を聞き、ダッシュする聖女。

だが足が遅かった。

チンピラは捕まり、天使は去った後だった。


「ゼヒィ…ゼヒィ…」

わずか10メートル走っただけで息切れし、へたり込んでしまう聖女。


「やった!!天使さまの菓子を頂いた!!」

チンピラを捕まえた男達の手にはルディから貰ったう◯い棒が握られていた。


「お、おぉ…お願いします…それを500金貨で売ってくださぁぁぁい」


聖女の血走った目に、男は悲鳴をあげた。




「ふひひひひ…これが天使の菓子…」

聖女の手には男達から買い取った3本のう◯い棒があった


コンポタ、明太子、納豆と書かれているがもちろん聖女には読めない。


「なんと美しい紙ぃぃ…スベスベするぅぅ」


う◯い棒を指でなぞる聖女。


「おぉぉ…中身も美しいぃぃぃぃ」

パッケージを破かずに中身を取り出した聖女。

超高位の空間転移の魔法を無詠唱で発動させたのだ。


コンポタージュの黄金色をしたう◯い棒。


はっはっはっ…

鼻息を荒たげ、う◯い棒をそっと口に含む聖女。


「うぐっ!!」

目をカッと見開く聖女!


「せ、聖女さま!?」

その表情に驚くガーランド。


「うまっ!!!!檄うま!!!なにこれ!!!!」

カリカリカリカリごっくん!!!

まるでヒマワリの種を齧るハムスターのような勢いで食べる聖女。


チュパチュパチュパ

指に付いたう◯い棒の粉も綺麗に舐めとる。


「あぁ…天使さま天使さま天使さま!!なにがなんでも私の物にぃぃぃぃ!!!!!」


う◯い棒のその美味しさにトリップした聖女を遠巻きに見る住民達。

と他人のフリするガーランドであった。


いいねが元気の源。

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