表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/102

チャンピオン

ノエルの圧倒的強さに逃げ出すトロール。

そして逃げるついでに持ち逃げされるルディ。

「わわわわわわわ!」

ザシュ!ザシュ!ポーンッ!ザシュ!


俺を小脇に抱え、物凄い勢いで森を駆け抜けるトロール。

その動きはまるでパルクールのようだ。


見習い天使の剣を抜いて殺ってしまおうかと思案していると、突然視界が開け広場に出る。


その広場には10匹ほどのトロールがいた。

フゴ?フゴゴ(どうした?青い顔して)

フーゴ!!フーゴゴゴク(化け物だ!化け物がくる!)


どうやら俺はトロールの集落に連れこまれてしまったようだ。


つか何故かトロール語が分かるぞ。

言語スキルが発動しているのか?


[おい!お前イイ女連れてるな。よこせ!]

毛皮でできた天幕から一際大きなトロールが出てきた。

ここのボスだろうか?


[断る!コレ俺の物!!]


おぉ、俺を巡ってケンカか?いいぞ!やれやれ!!


ポイッ!

俺は木でできた檻に放り込まれた。


俺の周りに集まりだす8匹のトロールたち。

俺をジロジロと覗くトロール。


そしてやおら剣や棍棒を取り出すと広場に駆け出す


えぇ!?

突然、10匹のトロールが仲間割れを始めた!


[あのメスは俺の物だ!!]

[バカ言え!俺様の物だ!!!]


あー…まぁ自滅してくれるならイイか。俺は檻の中で寝そべってトロール達のバトルロイヤルを観戦する。


天使の眼で予想を立てるとボストロールの勝率は80%を示していた。


頭を棍棒でカチ割られる者。

斧で首を落とされる者。

修羅場だ。


[フゴッフゴッ…]

[ブフーブフー]


最後まで生き残ったのは俺を担いできたトロール(多分)とボストロールだ。


最後の力を振り絞って殴り合うトロール達…


ドサッ…

倒れたのはボスの方だった。

おぉ、天使の眼の予想が外れた!!


[グォォォ!!!]

あ!?苦しみ始めたと思ったら、あいつトロールからトロールチャンピオンに進化しやがったぞ!!


「フー…オレノ勝チダ」

身長は5メートルを超えてる!!

ツラ構えもチャンピオンの風格を漂わすものになっている。



天使の眼で観測する

…[計り知れない強さだ。]


最大級の危険表示だ。

まずいぞ!!

俺は見習い天使の剣を具現化させ、檻を壊す。


「ハッ!」

53万の攻撃力を持つ必殺の剣で斬りつける


ヒョイ!

軽くかわすトロールチャンピオン。


「あ!?」

剣を持つ俺の腕を軽く掴み上げ引き寄せるトロールチャンピオン。


ブチュッ!

唇を奪われる俺…


俺…は…キ…ス…さ…れ…た…の…か…?

「あ…あ…」

…戦意喪失。心身喪失。


ドサッ…

俺の脳は活動を拒否した。


「ルディ!!!!」

そこに駆けつけたリリィフラワーとお姫様達。


ボストロールが使っていた鋼鉄の棍棒を拾うチャンピオン。


「ソコのオンナ!俺ト闘エ!!」

ノエルに棍棒を向けるチャンピオン。

カタコトだか人間の言葉だ。

チャンピオンに進化して喋れるようになったのだろう


「ノエル、受ける必要はないわ」

マリアが否定するが…


「いえ、ご指名とあればお受けしなければ、メイドの名折れです」

ブンブンと両手剣を右左と回転させ一歩前に出るノエルさん。


「オマエハ俺ニ恐怖サセタ。復讐スル」

3メートルを超えるトロールを引き倒したノエルさんを見てビビって逃げた事を言っているのだろう。


「ご指名ありがとうございます。ノエルと言います」

スカートをつまみお辞儀するノエルさん。


「オレハ、ウーゴ!イクゾ!ノエル!!!」

「ウーゴ様、お相手させて頂きます」


ガンッ!!!!

5メートルの身長から大上段で振り落とされた鋼鉄の棍棒を両手剣で受け止めるノエル


ボコッ

ノエルの足元が30センチほど凹みクレーターになる。

ガンッ

その棍棒の破壊力を受け流すこと無く、真正面から弾き返すノエル。


「グッ!サスガ俺ノ見込ンダ戦士!」


「ノ、ノエルさんって人間なの?」

唖然とするクラリスさん。


「ノエルはヘカトンケイルのハーフよ」

マリアの口から出る衝撃の真実。


「へ、ヘカトンケイル!?」

「そう、お母さんがヘカトンケイルなのよ」


「ヘカトンケイルって身長10メートルでしょ!!」

驚くアリシアさん


「ノエルのお父さん…頑張ったのね」

身長差、約8メートル…

リリアさんの意見に俺も賛同だ!!


「グアッ!!」

ノエルの回し蹴りを顔面に受け、吹っ飛ぶチャンピオン。


チャンピオンが落とした棍棒を拾うと、それをチャンピオンに投げ渡す。


「グゥゥゥ」

受け取った棍棒を杖にして立ち上がるチャンピオン。

ふらふらになりながら棍棒を構える。


ブンッ!

ノエルは残像を残す勢いでチャンピオンの間合いに飛び込み左足を斬りとばす。


「ガアッ!!」

大地に倒れるチャンピオン。


「俺ノ負ケだ…」

潔く負けを認めるチャンピオン。


「ウーゴ様、貴方の戦士としての誇りたしかに受け取りました」


ザンッ!

チャンピオンの首を刎ねるノエル。


「マリアーヌ様、おまたせして申し訳ありませんでした」

チャンピオンの首を抱え戻ってくるノエルさん。


「ノエル、お疲れ様」


ノエルさんカッケエエ!!


ノエルさんの圧倒的な強さにあっけに取られながらも転がっているトロールの右耳を切り取り帰り支度をした。

いいねがモチベの元です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ