豪腕ノエル
花摘みを済ましたリリィフラワーとマリア一行はトロールが棲む森に入る
「先頭は私。ルディはしんがりをお願い。」
アリシアさんを先頭にトロールが目撃された森に入る俺たち。
姫さまは殺る気満々なようで先頭から2番目の位置に入る。
「いた…」
草薮から覗くと身長2メートルほどのトロールがいた
倒した大イノシシを食べている
「1匹だけのようね…リリア、寝かせて」
こくんと頷くとリリアさんはスリープの呪文を唱える。
眠りに落ちるトロール。
そして音もなくトロールに近づき、その頸椎に刺突ナイフを突き入れるアリシアさん。
「まずは1匹」
おぉ、鮮やかなバックスタブだ。
「もう少し移動してみましょう」
トロールの右耳を切り落とすアリシアさん。
ギルドに討伐証明として提出するためだ。
森の中を進む。
ゴアァァァ!!
突然のエンカウント!
1匹のトロールが現れた!!
俺は素早くアリシアさんの前に出て、トロールを挑発する。
俺の豊満な胸に釘付けになるトロール。
挑発成功だ。
ARでトロールの攻撃ラインが表示される。
抱きしめ攻撃か、俺はダッキングして交わしながらロングソードでトロールの腹に斬りつける。
ブニョ。
トロールのぶ厚い脂肪で剣先が滑る。
くぅ、俺弱っ!!
「ハッ!!」
バキッ!姫の鋼鉄のナックルがトロールの後頭部にクリーンヒットする。
トロールに30%のダメージを与えたと表示された。姫ツエー!
グォォォ!!
ヤバっ
突然、2匹目のトロールがリンク(乱入)してきた。
「ハッ!」
メイドのノエルさんがスカートの中から極太のチェーンを取り出し、2匹目のトロールに向かって投げつける。
グオ!
チェーンがトロールの右腕に絡まる。
そして!!
ノエルさん対トロールでチェーンの綱引きが始まった。
ドシャッ!
いい!?
力負けしたのはトロールの方だった!!
3メートル近い身長のトロールを左腕一本で引き倒すノエルさん
そのまま、右手一本で重さ30キロの両手剣を倒れたトロールの頭に叩き落とす!!
「あー!ノエルが、また一人で倒した!!わたしに回してって言ったのに!!」
「叩きやすいところに頭があったもので、つい…」
ノエルさんの凄まじい剣技(腕力?)に俺を含めたリリィフラワーのみんなが驚愕する。
ピギィィィ!!
驚愕したのはリリィフラワーだけではなかった。
俺たちと戦っていたトロールもノエルさんの腕力にビビったようだ。
がしっ!
「あれ?」
危機を感じたトロールは俺を抱きかかえ、逃走を図る
そしてダッシュ!!
「わーーーー!!」
小脇に抱えられた俺はトロールに連れ去られた。
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