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盗賊に囚われた!

聖堂を飛び出したルディアルを待ち受けていたのは盗賊だった。MPの残りが少ないルディアルは囚われの身になってしまう。

「うへへ…」

下品な笑いを浮かべるアニメのテンプレ的な六人の盗賊たちが舌舐めずりしながら俺を取り囲む。


俺は天使の眼で盗賊のステータスを調べる…[強い相手だ]と表示された。

それが六人。勝ち目は薄い。


…現在のMPは2。

飛んで逃げようとしても押さえつけられるだろうな…


MPが5まで回復すれば見習い天使の剣を1分間だけ具現化できるか…その1分で六人を倒せるかは…微妙なとこだ…


「それ!」

「あっ!!」

背後から盗賊に抱きしめられてしまう。


「うひょぉぉ!!!いい匂い!!!」

俺の髪に鼻を押し当て匂いを嗅ぐ盗賊!


ぎょええええええ!!男の鼻息が首筋に当たってキショイ!!!


さらに俺の両足を担ぎ上げ、開脚状態の俺の股間に顔を埋め思い切り深呼吸する盗賊。

「oh!デリシャス…」


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」

あまりの気持ち悪さに悲鳴をあげてしまった。


いや、だってむさい男が、いくら女体化してるとはいえ俺の股間に顔埋めて深呼吸してるんだぞ!!!

こんな気持ち悪さは生まれて初めてだ!!


やべぇ男性不信になりそう!!


「おら!サカってないでさっさと剥いて縛り上げろや!」

「ヘイ!」


両手両足を大の字に地面に押し付けられ身動きを取れなくされる。


そして俺の見習い天使の鎧に手をかけるが…

「兄貴!これ脱がせませんぜ!!」

「何言ってやがる。あれ!?マジで取れん!」


鎧は物理ダメージを無効化してくれるが感触はカットされないようだ。

身体中を弄られる感触に鳥肌が立つ。


「ちっ、このまま縛り上げちまいな!」

鎧の上から後ろ手に縛り上げられてしまった。

挿絵(By みてみん)

さらに首に縄をかけられ犬のように引き回されながら盗賊のアジトに連行される

うおぉ…これは…く、屈辱的だ。


盗賊のアジトは岩山をくり抜いた洞窟のようなものだった。


「俺はこの女と1発やってくる。お前らは飯の準備をしてろ!」

「ヘイ!そのあとは俺たちにも回してくださいよ」

「おうよ!だが、傷はつけるなよ!お前らは女の扱いが下手だからな!」


親分の部屋らしき場所に連れ込まれる。

そしてベットの柱に犬のように首縄を結びつけられた。


そして、親分が酒を取ろうと背中を向けた瞬間に…


見習い天使の鎧を解除。一瞬にして裸になる。

当然、鎧の上から縛っていた縄は緩みベットの上に落ちる。

俺は自由の身になる。


縄が体に絡まってない事を確認して再び見習い天使の鎧を具現化する。

そのまま静かに床に転がってた酒瓶で…

ガチャン!!

体重を乗せた一撃を親分の頭にお見舞いする。


ドサッ!

なんとか親分を気絶させる事が出来た。


そして…

「い、いやぁぁぁぁぁ!!やめてぇぇ!!酒瓶なんてやめてぇぇ!!」

と、一人芝居をうち親分を殴った音をごまかす。


親分が気絶した事を確認し、それから扉にそっと耳を当て、外の様子を伺う。


「ぐへへ、親分…酒瓶でナニしたんだろ…」

扉の向こう側で盗み聞きしながらナニかをしている奴がいるな…


さてどうするか…思案していると左上の方でピコピコ光る物がある。


あ、これ天使の眼のAR表示だわ。

ピコピコを指でタッチする。


[レベルが上がりました。スキル攻撃予兆が分かるようなりました]


おぉ相手の攻撃ラインを表示してくれるスキルか。

コイツは有難い。


あと何か武器が欲しい。

なにせ見習い天使の剣は燃費が悪い。

俺は床に落ちていた親分の剣を拾う。


よし…

俺は扉を思い切り蹴り開ける。


「ぎゃっ!」

扉の角に頭をぶつけのたうつ盗賊。

おいおいアレ丸出しだぞ!!


俺は容赦なく盗賊の股間のアレを踏みにじる。

「ブギョッ」

アーメン!心の中で十字を切る。元男として盗賊に同情する。


「てめぇ、どうやって逃げ出した!?」

俺の脱走に気づいたのか、残り四人の盗賊が刺又を持って襲ってくる。


攻撃予兆スキルで刺又の飛んでくる方が分かる。

刺又の攻撃ラインに重ならないように身体を動かす。


ひょいひょいひょい。

あ、もしかして!!


刺又の攻撃ラインに合わせて剣を振る。

キィン!!

「うおっ!?」

仰け反る盗賊。

やった!パリィ成功!!


セ◯◯ウや、エル◯◯◯ング とかパリィできるゲームは全てパリィで通してきた俺だ。

この程度のヌルい攻撃なら簡単にパリィできる。


「舐めるな女!!」

同時攻撃。しかし狭い洞窟内で長モノの刺又の攻撃は単調すぎる。

パリィ!カウンター!パリィ!カウンター!!

じわじわとパリィとカウンター攻撃で盗賊達に手傷を負わせる。


「う、うぅ…」

失血と痛みで倒れる盗賊達。


か、勝った……いや、まぁこっちは見習い天使の鎧で無敵モードだったけど…勝ちは勝ちだ。


「た、助けて…くれ…」

命乞いをする盗賊。


ここはトドメを刺すべきだろう…

ここで見逃せば、あとで他の人がコイツらの犠牲になる可能性もある。


それにコイツらも命乞いをする罪なき人々を殺してきたかも知れない…


俺は…

「ヒール!」

盗賊全員にヒールをかけた。


俺は天使だ。神ではない…

人を裁くのは同じ人か、神がやるべきだ。

天使は人を救うのが役目。


「私は願います。あなた達が心を入れ替え人の為に生きることを」


俺は翼を広げ、洞窟から空へと飛び立った。

彼らが改心するか、それとも悪事を続けるかは神のみぞ知る。



あっ!!!しまった!!

5分ほど飛んで気がついた。

俺は盗賊の洞窟に舞い戻る。


そっと洞窟の中を覗く。よし盗賊達は安らか?に気絶してる。


俺は盗賊達の懐と、部屋中を物色して金と金目の物を失敬する。

これはさっきのヒール代。そしてこれは慰謝料。

と心の中で言い訳しながら少しだけ盗賊に生きるのに必要そうな最小限のお金だけ残してごっそり頂いた。

いいねとかあるとやる気が出ます!本当です

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