表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/102

ドライブ

マリアーヌ姫に詰め寄られ、ルディはついに天使である事を告げてしまう。

(ねぇ、どうする?天使って認めてしまう?)

(認めたら認めたで色々言われそうよね?)

(認めなかったら認めなかったで付きまとわれそうです)


うーん…相手はおそらくお姫様。無下にはできない。

どうせ王城関係者にはバレているようだし、ここは認めてしまっても良いかも知れない。


(正体を明かしましょう。)

(そうね…それがいいかも知れないわね)



「はい、実は天使です。でも内緒ですよ」

俺はお姫様の耳元に、そっと伝えた。


目を輝かせるお姫様。

「すごい!!私をお空の国に連れてって!!」


「姫!!それは!!!ぐっ!!」

姫と失言をしたレイラの脇腹にエルボーを叩き込み黙らせるメイドさん。


レイラさんの失言で、やはりお姫様だったと確証が取れた。


「お嬢様、それは死を意味します。どうかお考え直しを。」


「お…嬢様。ノエルの言う通りです」

涙目でお嬢様と言いなおすレイラ。


「えーー!ならお父様みたいに天使様と一緒にドラゴン退治したい!」


なかなか武道派なお姫様らしい。

と思案していると、アリシアさんに肩を突かれる。


(ねぇ、クエストに連れて行くフリして湖あたりでピクニックして天界のケーキとか食べさせれば満足して帰るんじゃない?)


(そうね。下手にクエストに連れて行って怪我でもさせたら大変な事になるわ)


(賛成です)



…という事で、安近短で行ける近くの湖でピクニックに決まった



街から少し離れた場所で軽自動車を取り出す。

「すごぉぉぉぉい!!これが天界の馬車!?」

軽自動車を見てはしゃぐお姫様。


「こ、これは…鉄の獣か?」

腰にある剣に手をかけ、慎重に軽自動車に近づくレイラさん。


ノエルさんはお姫様のそばに控え、不測の事態に備えている。


「馬より速く、休まずに遠くまで行ける馬車です」

自信満々に中古の軽を見せる俺。


できればイギリスあたりの高級車でカッコつけたいところだが…


とは言え、この軽は5人乗りだ。

二人は馬で同行する事になる。


すったもんだの末…

ジャンケンで負けたアリシアさんが、ノエルさんと二人で馬で後をついてくる事になった。


「速い!!景色があんなに速く流れてる!!」

助手席に座ったお姫様がはしゃぐ。


「ちょっと、手加減しなさいよ!馬が疲れちゃうわ」

レイラさんの馬を借りているアリシアさんが、窓越しに声をかけてくる。


時速20キロまでスピードを落とす。

後部座席の真ん中に座ったレイラさんは青い顔して縮こまっている。エンジン音が怖いらしい。


「それに飛んでるみたい!!全然揺れない!!それに…開放的!!」


30分ほどのドライブを楽しみ、綺麗な湖に到着した。


車のシートをフルリクライニングし、その寝心地の良さに降りたくないとただをこねる姫さま。


まぁ、ここで日本のお菓子でも食べさせれば、姫様も満足してくれるだろう。

いいね、ブックマークありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ